テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

眠りの前に、掌編を。

2013-06-02 21:49:08 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♪いいィ~ゆゥだなッ♪」
「がるる!ぐる~るがる~♪」(←訳:虎です!いい~湯だな~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 天候不順で体調を崩しやすい春と夏の狭間に、
 昔むか~しから推奨されてきたのは、読書もいいんですけど……おフロ!
 本日は、全作品がおフロに縁あり!な一冊を御紹介いたしますよ。
 こちらを、どうぞ~!   

  



              ―― 小説乃湯 ――



 編者は有栖川有栖さん、2013年3月に発行されました。
 『お風呂小説アンソロジー』と副題が付されています。
 御本の表紙にも、バスタブの画が!

「ふむむゥ~! めずらしィ!」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:お風呂小説集とは!)

 先日はアンソロジー本として
 近藤史恵さん編『近藤史恵リクエスト!ペットのアンソロジー』、
 そして、
 大崎梢さん編『大崎梢リクエスト!本屋さんのアンソロジー』
 を御紹介いたしました。
 どちらの御本も、
 思いっきり私たち読み手を楽しませてくれるエンタ系アンソロジー本でしたよね。

 では、こちらの御本は?

    編者があの有栖川有栖さんなんですもの、
    最強のお風呂ミステリアンソロジーに違いないわ!

 と、多くの活字マニアさんは考えることでしょうが……

「むッ?? なんだかァ、ようすがァ~??」
「がる?」(←訳:ヘン?)

 ミステリの連打を期待して手に取った活字マニアさんは、
 たぶん、驚かずにはいられないはず……!

 
 御本の一番手、
 意気揚々と?登壇いたしまするは、
 式亭三馬さん著『浮世風呂』。

 江戸時代の大ヒット作、ベストセラー作品です!

「さしえもォ、のッてるゥ!」
「ぐるるがるぐるるるるる!」(←訳:これが昔のお風呂屋さん!)

 三馬さんの名作に続くのは、
 谷崎潤一郎さん著『柳湯の事件』。

 こちらは……ややミステリの香りがいたしますね。

 
「みすてりィぽいィけどォ~」
「がるるぐるぐる?」(←訳:どこか破天荒な?)

 さらには、
 梶井基次郎さん著『泥濘』、
 海野十三さん著『電気風呂の怪死事件』、
 尾崎一雄さん著『玄関風呂』、
 太宰治さん著『美少女』
 と並んだら……

 この御本はお風呂ミステリ集だ、とは言い切れなくなります。
 ミステリ色を否定は出来ませんけれども、
 実際にはより広範な、
 より広大な、
 バスタイムをキーワードにした不思議な物語たちの協奏曲――

「きょうそうきょくゥ??」
「ぐるるがぅるるる?」(←訳:狂想曲じゃなくて?)

 ほんのり狂気も漂っていなくはありませんが、
 私ネーさのおすすめは、
 収録された12作品の大トリを飾る、
 原田マハさん著『旅をあきらめた友と、その母への手紙』。

 ミステリも伝奇モノも幻想モノも、
 ユーモアもパロディもパスティーシュも、
 それまで湯船の上にもやもやとたちこめていたモノを吹き飛ばし
 一気に昇華させてしまう、
 爽やかなエネルギーに満ちた作品です。

「ふむむゥ、おふろのォあとはァ~」
「がっるるぐるるがるるる!」(←訳:スッキリ気分がいいよね!)

 ちょっと変わった、
 でも、だからこそ、
 こころに残る《お風呂小説》のアンソロジーは
 短編小説好きな活字マニアさん、必読ですよ!
 バスタイムの後、
 眠りに就く前のひとときに、ぜひ~♪ 


 
 
 
コメント
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