テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 詩歌のひめごと ~

2013-06-03 21:51:43 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あしたはァ~けッせんッ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!天王山です!)

 こんにちは、ネーさです。
 明日6月4日は、
 サッカー日本代表の皆さんがワールドカップ出場を賭けて戦う大事な日!
 気持ちは、ホントに天王山だわ!
 でも、試合開始の笛が鳴るまでは、書物を手に深呼吸……
 さあ、本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



              ―― はじめて楽しむ万葉集 ――



 著者は上野誠さん、2012年9月に発行されました。
 2002年に刊行された単行本『みんなの万葉集 響きあう《こころ》と《ことば》』を改題、
 文庫化したものが、こちらの御本です。

 万葉集……習いましたね~、学校で。
 読書は大好きですけれど、古典は苦手だった私ネーさには、
 苦~い思い出のような~…。
 
「ぷふふゥッ♪」
「ぐるるっ!」(←訳:いひひっ!」

 あをによし、とか、はべりけり、とか、
 ありけり、とか、
 ずいぶん泣かされた記憶が、
 いえ、未だに『???』なんですけど、
 ホッと安心できることに
 この御本では、
 教科書的な小難しい知識は必要ありません♪

「らくらくゥ、でスかァ~♪」
「がるがるぐるる~♪」(←訳:文法無用ですか~♪)

 お歌の漢字にはルビが振られ、
 読み下しにくい官位つきの人名もルビがあって、
 実にとっつきやすい『万葉集』ガイド、なんです。

 とりわけ、

    “歌を囲む状況分析”

 の楽しさ、面白さが頭抜けていること!
 見事です!

「じょうきょうゥぶんせきッ??」
「ぐるるがるるぐるがる~?」(←訳:まるで事件の調査だよ~?)

 例を挙げちゃいますと、
 山上憶良臣(やまのうえのくらおみ)さんの
 有名なお歌――

   憶良らは
   今は罷らむ
   子泣くらむ
   それその母も
   我を待つらむぞ

 このお歌を、著者・上野さんは

 『宴席を途中退席する言い訳』

 であり、その上、

 『ヘタな言い訳で野暮に思われる可能性大』

 なんですが、実は、

 『野暮を装って笑いを取っている』

 と分析します。

 だって、可愛い乳飲み子が家で待ってるんです~!
 もちろん子どもの母である我が妻も私を待ってるんです~!
 と歌っておきながら、
 憶良さん、このとき、御年60超え!

「ろくじゅうゥ??」
「ぐるるる~…」(←訳:とすると~…)

 ええ、
 昔の常識でいうなら、大層なオジイちゃん、です。
 いくらなんでも60歳で乳飲み子って?ナイでしょ!

「ないィでス!」
「がるるる!」(←訳:たぶんね!)

 それを分かっている宴席の同僚さんたちは、
 またぁ憶良さん冗談ばっかり~!と大笑いして、
 うん、いいよ~早くお家に帰ってあげなさいよ!
 てな成り行きになって、
 憶良さん、世間に波風立てず、無事に途中退場をやってのけたのでした♪

「おくらさんッ、あたまいいィッ!」
「ぐるがる!」(←訳:優雅な嘘!)

 裏の裏を読んでもまだ足りない?
 社交の歌、
 恋の歌、
 家族の歌、
 望郷の歌――

 和歌マニアさんは、御本の巻末まできっちり読んでくださいな!
 何万もの歌の最後を飾る、
 『万葉集』終幕の一首はどんな歌なのか、
 あまり知られていない“詩歌の秘密”が
 詳しく紹介されていますよ!

「しィ~ッ!
 みんなにはァ~」
「ぐるるがるる!」(←訳:内緒にしてね!)



コメント
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