テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

知力と、脚力!

2013-06-21 21:50:09 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 う~むッ! なんたるゥ~しつどッ!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!湿度85%超です!)

 こんにちは、ネーさです。
 まさに梅雨!な天候の週末になりそうですが、
 こんなときの読書タイムは、はい、こちら!
 エンタで明るいヘンテコ系時代小説をば、どうぞ~!

  



 
                ―― 茶坊主漫遊記 ――



 著者は田中啓文(たなか・ひろふみ)さん、2012年2月に発行されました。
 ジャズプレイヤーさんたちが活躍するミステリ『落下する緑』『辛い飴』や
 大阪の落語家さんが主人公の『ハナシがちがう!』他の作品で人気の著者・田中さん……
 この御本を、或る人に捧げています。

「ふァ~? ささげるゥ??」
「ぐるるがるがる?」(←訳:どなたにですか?)

 ええ、それは……

  G・K・チェスタトンさんに!

「わおォ!」
「がるっ!」(←訳:すごっ!)

 本格ミステリの金字塔《ブラウン神父》シリーズの作者、
 G・K・チェスタトンさん。

 巻頭にしっかり、
 《G・K・チェスタトンに》
 と献呈の辞が入れられたこの御本の主役を張るのは、
 ひとりの老僧さんです。

「ははァ! しんぷさんとォ~!」
「ぐるがる!」(←訳:お坊さま!)

 英国が誇る名探偵ブラウン神父さんを生み出したチェスタトンさんと、
 一方こちらは、
 江戸時代の初期、
 田舎道をとぼとぼ歩く、
 ずんぐりむっくり体型のお坊さま。

 はて、いったいどのような共通点があるのか……?

「あしがァ、みじかいィところォ?」
「がるぐるるる!」(←訳:それ言えてる!)

 失礼ね!
 名探偵にとって足の短さなんて二の次なのよ!
 大事なのは知力!
 推理力です!

 えへん、そうです。
 一見イケてるようには思えない老僧さん、
 実は鋭い観察眼と推理力の持ち主さんなのでした。
 さらには、
 老僧さんの正体というのが――

「きつねッ??」
「ぐるるぅ?」(←訳:タヌキぃ?)

 ホントに失礼ね!
 狐でも狸でもない、れっきとした人間である老僧さんの、
 その真の顔とは!

  石田三成。

「あれェ?? そのひとッてェ~??」
「がるぐるる~」(←訳:京の河原で~)

 はい、京の六条河原で斬首された
 豊臣方の武将、
 石田治部少輔三成(いしだ・じぶしょう・みつなり)さん。

 チビの太っちょ老僧さんこそ、
 昔むかしに亡くなったはずの三成さんの、
 関ヶ原の戦いより数十年後の姿。

「ほんものォ、でスかァ??」
「ぐるるるっ!」(←訳:それも凄っ!)

 本物の三成さんなれば、
 この徳川の世、
 身を潜めておればよいものを、
 なぜに今さら人目につきやすい旅に出たりなんかしたんでしょう?

 
 あやつ何を企んでおるのか?

 とは、老僧さん一行を追跡する、
 柳生十兵衛さんの疑問でもありました――

「やぎゅうッじゅうべえェ!」
「がるる~!」(←訳:大物だ~!)

 てくてく旅の行く先には、どんな大事件が?

 短編5作品から成る、
 謎に包まれた老僧さんの連作ミステリ行脚!
 ほんまかいな?と眉にツバしながら、
 ありえへん!とニヤニヤしながら、
 ひととき、彼らの旅のお供気分を味わいましょう~♪

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする