テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

花の都市の、花の時代。

2013-06-09 21:57:18 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ややッ? たいふうゥ、はッせいィ??」
「がるる!ぐるぐるがっるー!」(←訳:虎です!台風3号だってー!)

 こんにちは、ネーさです。
 台風という言葉を耳にすると、ああ、夏なんだなぁ~と実感しますね。
 では、ルネサンス、と聞いて思い浮かべる都市の名は……?
 ええもう、本日の読書タイムの中に、答えはありますよ~!

  



 
             ―― フィレンツェの世紀 ――



 著者は石鍋真澄(いしなべ・ますみ)さん、2013年3月に発行されました。
 『Il secolo di firenze  Arte e committenti nel Quatrocento fiorentino』と伊語題名が、
 『ルネサンス美術とパトロンの物語』と日本語副題が付されています。

「ふァ~、るねさんすゥとォ、いッたらァ!」
「ぐっるるがぅるるるぅ!」(←訳:やっぱりフィレンツェ!)

 5月に開催された『ジロ・デ・イタリア』後半部は
 あまりの悪天候にびっくりいたしましたが、
 ルネサンス最盛期のフィレンツェの人びとも
 びっくりしたでしょうね。

 街に新たな才能あらわる!
 それも、毎日のように!
 画家さん、彫刻家さん、建築家さん!
 しかも彼らは揃いも揃って、
 何百年も語り継がれる巨匠さんだったのですから!

「れおなるどォさんッ!」
「がるるっるぐる!」(↓訳:ドナテッロさん!)
「みけらんじぇろォさんッ!」
「ぐるぅるるがる!」(↓訳:ラファエロさん!)

 美の巨匠さんたちは、
 どのように都市《フィレンツェ》と係わっていたのか――

 マエストロといえど、
 海のものとも山のものともつかぬタマゴ時代、
 よちよち歩きのヒヨっこ時代もありました。

 そんな貧しい無名の新人さんの
 才能の有無を嗅ぎ分け、
 目をかけて育て上げるのは、
 街の名家、富豪さんたち。

 お金持ちたちのバックアップを得て、
 新人芸術家さんたちは発表の機会と、
 “名声”に手が届く……!

「ふァ~、きびしィそうッ!」
「ぐるるるっるがるがるぐるる!」(←訳:お金持ちってワガママだもん!)

 我が儘、ではあっても
 都市フィレンツェを作ってきたのは、
 ローマやヴェネツィアと比肩されるような大都市に成長させたのは、
 権力と財力を握る富豪さんたちでした。

 著者・石鍋さんは
 都市国家フィレンツェの歴史、
 事実上フィレンツェを支配した財閥一族、
 権力者たちに見出され、
 重用される芸術家たちの群像と、
 両者それぞれの光と闇を
 丁寧に綴ってゆきます。

 力があっても志半ばで没する富豪もいれば、
 ありあまる才能がありながら自ら筆を捨てる画家もおり、
 或いはこの《花の都》に見切りをつける者もいる……。

「るねさんすッてェ、すごいィのにィ~!」
「がるぐるるる!」(←訳:錯綜してるね!)

 ややこしいフィレンツェ史に、
 富豪たち&芸術家さんたちの栄枯盛衰に
 果敢に挑む石鍋さん!
 外国の(イタリア本国の)研究者さんが書いたのかしら?と
 錯覚してしまうほど、
 内容充実のルネサンス研究本です!

 ルネサンス大好き!な活字マニアさんは
 《若い女性の肖像》(ボッティチェッリさん作/ルーブル蔵)が表紙になっているこの御本を
 ぜひ手に取ってみてくださいね♪

「びじんだなァ~♪」
「ぐっるる!」(←訳:うっとり!)

 御本の中で、
 美男さん美女さんたちが待ってます!
 


  
コメント
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