テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

黄金時代の、霧の中へ!

2013-06-10 22:01:00 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むふゥ! いまァ、わだいィはァ、りくじょうきょうぎィッ!」
「がるる!ぐるるがーるるぐる!」(←訳:虎です!100メートルです!)

 こんにちは、ネーさです。
 成るか?100m9秒台!のニュース性が高かったためか、
 このところ陸上競技関係の報道が熱くなっていますね。
 ならば今日の読書タイムも熱く?なるのでしょうか……
 本日は、こちらの御本を、さあ、どうぞ~!

  



 
                ―― 悪魔と警視庁 ――



 著者はE・C・R・ロラックさん、原著は1938年に、画像の日本語版は2013年3月に発行されました。
 英語原題は『THE DEVIL AND THE C.I.D.』。

 いわゆる“ミステリの黄金時代”――20世紀の前半、
 英国で出版されたこの御本は、
 優れたミステリ作品でありながら、
 長年、日本には未紹介となっていましたが……
 めでたくも、とうとう完訳刊行~!

「ふァ~! おうごんじだいィのォ、みすてりィ!」
「ぐるがるぅるる!」(←訳:期待しちゃうぞ!)

 そうね、
 クラシックなミステリ好きさんには堪らない場面から
 物語は始まりますよ。

 霧です!
 霧のロンドン!

 イマドキの薄い霧じゃないんですよ、
 濃霧、すぐ先も見えないくらいの濃霧です!
 その霧の中で生じるのは……

「ますますゥ~きたいがァ~!」
「がるるる!」(←訳:高まるね!)

 第一次世界大戦が終わって後、しばらく時を経た英国の首都・ロンドン。
 休戦記念日である11月11日のその夜は
 いかにもロンドンらしい、
 ひどい天候に見舞われていました。

 霧雨と低温。濡れた道路は夜になって凍結し、
 濃霧がたちこめた街は、
 休戦記念日の晩餐会&舞踏会の人出と、
 渋滞が重なったために大混雑し、
 道路も大渋滞。

「ろんどんはァ、だいとしィだもんねッ!」
「がるぐるがる~!」(←訳:人も車も多い~!)

 異変は、その混乱を衝くかのように起こりました。

 事件の捜査で郊外へ出張し、
 ロンドンの警視庁に戻ろうとしていた主席警部のマクドナルドさんも、
 濃霧に行く手を邪魔され、
 ノロノロ運転になってしまいました。

 渋滞途中、
 マクドナルドさんは或る事情から
 少しの間、車を離れる羽目になりました。

 そうして、車に戻り、
 どうにかこうにか警視庁裏手の中庭に駐車したものの、
 こんな危険な天気なのにもう運転なんてしていられない!
 と考えた主席警部さんは、
 車をそこに置いて帰宅することにしました。

「ただしィはんだんッ、でスゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:安全第一!)

 ところが、翌朝。
 登庁したマクドナルド主席警部が、
 車の後部座席で発見したのは……

 ひざ掛けにくるまれた、
 悪魔メフィストフェレスの扮装をした人形……?

 いや、これは人形じゃない……!

「うぎゃわわわァ!」
「がるるる??」(←訳:ホントに??)

 挑戦状を叩きつけられた格好のマクドナルドさんは、
 もちろん、受けて立たずにはいられません。
 悪魔(DEVIL)と
 ロンドン警視庁犯罪捜査部(C.I.D.)の、
 堂々たる対決?
 それとも知恵比べ……?

「すこッとらんどやーどのォ、いじにィ、かけてッ!」
「ぐるぐるがるるるー!」(←訳:負けるな主席警部ー!)

 黄金時代のミステリを愛する探偵小説マニアさんに、
 クラシックなエンタ作品が好きな方々にも
 おすすめの一冊です。
 ぜひ手に取って、楽しいロンドンミステリ旅行を~♪
 
 
 
コメント
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