テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― ことばの地平へ ―

2019-02-04 22:18:24 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 ちょッぴりィ~あッたかいィ!」
「がるる!ぐるる!」(→訳:虎です!祝立春!)

 こんにちは、ネーさです。
 立春を迎えて、陽光はあたたかいし、
 いまのことろ花粉の気配はまだないし♫と、
 リラックス気分の本日の読書タイムは、
 バイブルと呼びたくなる奇跡の一冊に御登場いただきますよ。
 さあ、、こちらを、どうぞ~♪

  


 
       ―― 秋山晶の仕事と周辺 ――



 著者は秋山晶(あきやま・しょう)さん、2000年4月に発行されました。
 《 Artist,Designer and Director SCAN 》シリーズの第5巻です。

 先日ご紹介しました『名作コピーの時間』で
 秋山晶さんの名作コピーに、
 私ネーさ、すっかり一目惚れしてしまいました♫

「さッそくゥ、さがしィましたでス!」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:秋山さんの御本を!)

 そうして発見したこの『仕事と周辺』の
 本文7ページ目に、ええ、載っていますよ。
 日本広告史上のマイルストーンとすべき秋山さんの傑作が、こちら!



   ただ一瞬のものが、僕は好きだ。


   陽が昇り、陽が沈むように、
   青春は訪れ、通り過ぎてゆく。
   きょうという日は、ただ一日。
   いまという時は、ただ一瞬。
   ただ一度のものに夏の甲子園がある。
   勝者は一チームだけ。
   『敗れ去る者たちのドラマ』と言った人がいる。
   出場する彼らにも、レンズで追うあなたにも、
   セカンド・チャンスは、まず、無いと言っていい。
   だから、胸をしめつけるのだ。


 
 CANONの新聞広告です。

「あらためてェ……ふゥ~!」
「がるるぐる!」(→訳:溜め息です!)

 そして、↓こちらも
 『名作コピーの時間』に掲載されていた作品です。



   荒野にいたときより
   シカゴにいたときの方が寂しかった。

 
   ウインディ・シティは、その名のとおり風の街だった。
   緑の匂いのない風に吹かれ、
   僕の心は大陸が年齢を重ね
   グレート・プレーンズになったように死んでいった。
   真上から見ると、
   巨大な四つ葉のクローバーのように見えるインタチェンジをすぎると、
   定規で引いたように
   インタステートは地平に向かう。
   風の荒野。ロンサム・カーボーイ。



 PIONEERの雑誌広告(1980年)は、
 広告のモデルを務めた俳優ウォーレン・オーツさんの
 カッコよさも印象的なんです♪

「うんッ、かッこいいィ~!」
「ぐっるがるるる!」(←訳:かっこ良過ぎる!)

 他にも、


   男は黙ってサッポロビール(1970年)

   時代なんか、パッと変わる。(サントリー・1984年)

   時は流れない。
   それは積み重なる。(サントリー・1992年)


 などなど、秋山さんが制作に係わった広告作品は、
 金字塔そのもの……
 何度見ても惚れ惚れさせられます。
 
「それにィ、もゥひとつゥ!」
「がるぐるるる!」(←訳:特筆すべきは!)

 この御本を手に取ったら、
 どうか、
 写真にも注目してください。

 1970年代、80年代の写真たちは、
 当たり前ですけれど
 デジタル写真ではありません。

 フィルムの写真の、
 奥行き感ある青。
 深い黒。
 いまはもう滅びゆこうとしている色と線。

 美しい写真と、
 小説をも凌ぐ熾烈なコピー――“ことば”の極北の世界へ
 皆さま、ぜひ!
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする