テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

鎖骨を探せ?

2019-02-26 22:09:07 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 うきゃッ! こッ、これッてェ~?」
「がるる!ぐるるぅ~!」(←訳:虎です!怖いよぅ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、そうなんです……
 本日の読書タイムは、
 うわあ! あたしこういうの駄目なの~!と
 拒否反応を起こしちゃう御方もいるかもしれない
 キケンなアートブックをご紹介いたしますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



          ―― 名画と解剖学 ――



 著者は原島広至(はらしま・ひろし)さん、2018年12月に発行されました。
 『《マダムX》にはなぜ鎖骨がないのか?』と副題が付されています。

 《マダムX》――
 画家ジョン・シンガー・サージェントさん(1856~1925)さんの
 最も有名な作品にして、
 最も悪評高い作品……と言うべきでしょうか。

 ↑上の画像にありますように、
 御本の表紙を飾るにふさわしい美しさの、
 女性の全身像なんですけど、
 よくよく見れば、
 著者・原島さんが副題に挙げたとおり――

「あれッ? ないィ??」
「ぐるるがるるる?」(←訳:鎖骨が行方不明?)

 《マダムX》すなわち
 『マダムX《ピエール・ゴートロー夫人》』は、
 不運不遇な作品でもありました。

 1884年、パリのサロンに出品された折には、
 退廃的だと酷評され、
 サージェントさんはパリでの居場所を失い、
 追われるように英国へと渡ることになりました。
 おまけに、モデルのゴートロー夫人には
 作品の受け取りを拒否されるし、
 ドレスの肩紐部分を修正したりしたけれど、
 それで評価が変わる訳でもなく……

「かわいそうゥ~…」
「がるるっるる~…」(←訳:つらかったね~…)

 “ふんだりけったり”な目に遭った挙句、今度は、
 鎖骨が無い!
 とまでディスられてしまう《マダムX》。

 けれど、著者・原島さんは
 骨格と筋肉の図をもとに、
 《マダムX》に鎖骨が描かれていない理由を考察します。
 それは、たぶん……?

「ううッ! かいぼうずゥ!」
「ぐるるがるるるるぅ!」(←訳:それが怖いんだよぅ!)

 そうなのよねえ、
 人体模型や解剖図が苦手な人は
 この御本を読んで貧血を起こしてしまうかもしれません。

 白状いたしますと、
 私ネーさも解剖図が苦手で……
 なので、チラ見で走り抜けたページもあるんですけど、
 これは!と感心させられる解析・解説も多くて、
 結局は最後まで読んでしまいましたよ。

   ミケランジェロさん描く『デルフォイの巫女』さんは、
   歯の生え方が普通じゃない?

   エドゥアール・マネさん描く『ナナ』の、
   モデルさんの細すぎるウエストの肋骨は
   どうなってるの?

   ロダンさんの『考える人』の脚の筋肉は?

「にんげんッだけじゃァ、なにィのでス!」
「がるるぐる~!」(←訳:動物も解剖~!)

 ダヴィッドさん作『ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト』、
 あの作品に描かれている馬の筋肉を図にすると?
 (実際には、ナポレオンがアルプスで乗っていたのはロバ)

 そして、人間の友=犬の骨格は?

 鳥たちの羽根は、どうなっているのか?

「……ふァ~、すこしずつゥ~…?」
「ぐるるがるるるるぐる?」(←訳:怖さに慣れてきたかも?)

 “生きもの”ならば当然、
 その身に備えている“骨と肉“。

 私ネーさ的には、
 人間よりも馬くんたち犬くんたちについての解説の方が
 より楽しめた、のですけれども。

 解剖図? 
 やっぱりアカン!
 という御方には、ムリにおすすめいたしません。
 ただ、お気が向いたらちょっと覗き見してみてくださいね。
 もっちろん、
 解剖図平気だもん!な方々は、
 ぜひ、一読を~♪
 

 
 
 
コメント
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