テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

力作の《漫画本》史!

2019-02-21 22:11:17 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 ぐゥ、ぐるじィ~…!」
「がるる!ぐるるるぅ~!」(←訳:虎です!苦しいよぅ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 いきなり朝から花粉飛散度MAX?な状況で、
 アタマがぼ~っとしております……が、
 こんな時こそ読書タイムですよ。
 本日は、前回記事とリンクする流れで、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  


 
        ―― 日本の漫画本300年 ――



 著者は清水勲(しみず・いさお)さん、猪俣紀子(いのまた・のりこ)さん、
 2019年1月に発行されました。
 『《鳥羽本》からコミック本まで』と副題が付されています。

「うむゥ? さんびゃくゥねんッ??」
「ぐるるるるがるる?」(←訳:300年でいいの?)

 そうね、日本における漫画の歴史については諸説あり、
 “元祖”的存在というなら、
 やはり京の高山寺が所有していた鳥獣戯画でしょ?と
 私ネーさも思ったりしましたが。

 この御本でテーマにしているのは、

 《漫画本》

 なんですね。

 《肉筆戯絵》や《肉筆戯画絵巻》ではなく、
 《本》というスタイルで、
 商品として大々的に売り出されたもの、です。

「ふむむゥ! しょうひんッ、でスかァ~」
「がるるぐるるるる!」(←訳:それが300年前!)

 大阪の出版業者さん(河内屋八兵衛さん他)が、
 享保期(1720年代)に
 『鳥羽絵欠び留(あくびどめ)』
 『鳥羽絵三国志』
 『軽筆鳥羽車』
 の《鳥羽本》3種を刊行、
 ここから《鳥羽絵》は戯画の代名詞として定着、
 商品としての流通も始まります。

 そうして、江戸時代も後期にさしかかるにつれ、
 京・大阪をしのぐ勢いで
 出版文化の中心地となってゆくのが――

「おえどォ、でスねッ!」
「ぐるるる!」(←訳:江戸の町!)

 安永5年(1776年)、
 鳥山石燕さん著『画図百鬼夜行』によって
 妖怪本ブームに火がつきます。

 寛政期(1789~1801)になると、
 山東京伝さんの戯画が評判を取ったりもしますけど、
 文化11年(1814年)、
 とうとうあの名作が降臨!!

「でたッ!」
「がるるっ!」(←訳:出たねっ!)

 日本のみならず、
 後に西欧の画家さんたちをも驚倒せしめる
 葛飾北斎さん作『北斎漫画』初編。

 名古屋の版元から出版されたこの御本は、
 門人さんたちに与える書として出したつもりが、
 一般にも売り出されて大ベストセラーとなり、
 翌年には二編、三編が発刊……とシリーズ化されて、
 十五編が刊行されたのは、
 北斎さんが世を去ってのちの、
 明治11年(1878年)!

「めいじィ??」
「ぐるがる~!」(←訳:息が長い~!)

 上田秋成さん、尾形光琳さん、酒井抱一さん、
 歌川豊国さん、渡辺崋山さん、十返舎一九さん、
 歌川広重さん、歌川国芳さん、河鍋暁斎さん――
 綺羅星のような巨匠さんたちによって
 《鳥羽本》《漫画本》は
 押しも押されぬ“日本の文化”となってゆきました。

「めいじィいこうもォ!」
「がるるぐるる!」(←訳:漫画は続くよ!)

 昭和31年(1956年)に『鉄腕アトム』が、
 昭和35年(1960年)に『鬼太郎夜話』が、
 昭和41年(1966年)に『サスケ』が、
 昭和44年(1969年)に『天才バカボン』が、
 昭和49年(1974年)に『ポーの一族』が、
 昭和55年(1980年)に『Dr.スランプ』が、
 昭和59年(1984年)には『AKIRA』が。

 そして、平成の時代には……?

「いッぱいィ~ありすぎてェ~!」
「ぐるがるるる!」(←訳:もうたいへん!)

 中世から近代へ。
 江戸から明治へ。
 20世紀から21世紀へ。
 さらには、平成に続く時代へも
 絶えることなく歩み続ける《漫画本》の歴史を、
 コミックマニアさんはもちろん、
 歴史好きな活字マニアさんも、
 ぜひ、一読いてみてくださいね♪
 おすすめです~!
 

 
 
コメント
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