テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― オオカミたちの行方 ―

2019-02-10 21:39:44 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ……ここはァ、れいぞうこのォなかァでスかッ?」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!冷凍庫かも~!)

 こんにちは、ネーさです。
 寒~い連休となりましたが、
 ここでメゲちゃいけません。
 熱々のココア(カカオ80%!)を作り、
 さらにショウガパウダーをさっくりふりかけたら、
 読書タイムの準備は整いましたよ♫
 さあ、本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
        ―― ニホンオオカミの最後 ――



 著者は遠藤公男(えんどう・きみお)さん、2018年9月に発行されました。
 『狼酒・狼狩り・狼祭りの発見』と副題が付されています。

「むむゥ! でんせつのォ、にほんおおかみィ!」
「ぐる……がるるるるぅ?」(←訳:絶滅……したのかなぁ?)

 ニホンオオカミ――
 生態の殆どが謎のまま、
 時間の彼方に消えてしまった日本固有種のオオカミに、
 少なからぬ人が“夢”を見ていることでしょう。

   ニホンオオカミは、本当に滅んでしまったのか?
   もしかしてもしかしたら、
   そう、東北の深い森のどこかに、
   一匹、いや、数匹が、
   ひっそり生きてはいまいか……?

「さがしてェみたいィでスゥ!」
「がるっるるぐるるるぅがるるー!」(←訳:初めっから諦めてちゃダメだー!)

 著者・遠藤さんは、
 教師をしながら、
 岩手県の奥地でコウモリの新種を3、
 北海道でノネズミの新種を発見するなど、
 動物学のエキスパートといえる御方です。

 その遠藤さんも、やはり、
 若い頃は狼の絶滅を信じられずにいたものですが、
 いくら探せど、もはや足跡ひとつ見つけられない……

 それでも、知りたい。
 本当に滅びてしまったのだとしても、
 彼らの生態を、姿形を、知りたい!見てみたい!

「あらゆるゥてがかりィ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:伝承も遺物も!)
「おいかけまスゥ!」

 狼で作った酒がある?と聞きつければ、
 旧家を巡って質問攻めにし、
 《狼の餅》という風習があると聞けば、
 インタビューに向かい、
 狼信仰について思いを馳せる。

 そして、ニホンオオカミの外見に疑問をもったら、
 ロンドンへもひとっ飛び!

「ろんどんッ??」
「がるる??」(←訳:英国の??)

 現在、日本にあるニホンオオカミの剥製は、3点。

 しかし、国立科学博物館、和歌山県立自然博物館、
 東京大学に所蔵される剥製のいずれも、
 正直いって、“失敗作”。
 
 残るは……
 ロンドンの自然史博物館に所蔵される
 《ニホンオオカミ最後の標本》!

 明治38年に米国人アンダーソンさんが
 奈良県で猟師から購入したというニホンオオカミの標本の、
 保存状態は、はたして……?

「どきどきィしまスゥ!」
「ぐるるるるがるるるる!」(←訳:壊れてたらどうしよう!)

 私ネーさも、本文40ページからの
 『ニホンオオカミの正体』には
 ドキドキさせられましたよ。
 
 本文51ページには写真まで掲載されていて、
 うわあ!と声を上げたくなります。
 これが……
 “最も狼らしい”標本?

「いちだんとォ、どきどきィ!」
「がるぐるる!」(←訳:募る好奇心!)

 ニホンオオカミの標本が辿った道、
 日本の各地に伝えられるオオカミとの闘いの記録、
 遠野物語に登場するオオカミたち、
 狩られてゆくオオカミたち――

 日本近代史の、もうひとつ別の顔を視るかのような、
 オオカミと人の係わり、
 人と自然の係わりのものがたりは、
 歴史好きな活字マニアさん、
 動物文学好きな御方におすすめです。
 皆さま、ぜひ、一読を♪
 
 
コメント
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