テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

文様が語る、日本の美。

2019-02-11 22:10:30 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうゥはァ~しゅくじつゥ~!」
「がるる!ぐるるるるる~!」(←訳:虎です!建国記念の日~!)

 こんにちは、ネーさです。
 世界の各国にそれぞれ建国を記念する日がある中で、
 日本は今日2月11日が記念の祝日!
 本日の読書タイムは記念の日に相応しく、
 《日本の美》を物語るこちらの御本を、
 さあ、どうぞ~♪
 
  


 
         ―― 日本の装飾と文様 ――



 解説と監修は海野弘(うんの・ひろし)さん、2018年3月に発行されました。
 『TRADITIONAL JAPANESE DECORATIONS AND PATTERNS』と
 英語題名が付されています。

 パイインターナショナル社さんから刊行されている
 海野弘さん監修の“読むビジュアル・ブック”シリーズは、
 最新刊『おとぎ話のモノクロームイラスト傑作選』をはじめ、
 『おとぎ話の古書案内』や『ヨーロッパの幻想美術』、
 『グスタフ・クリムトの世界』など、
 欧米のアートをテーマとしております、が。

 この御本だけは、ちょっと別!と申しましょうか、
 上記のアートブックよりもサイズを小さ目に、
 縄文弥生の時代から、
 近代に到るまでの《日本の美》、
 とりわけ、装飾と文様を詳しく取り上げています。

「にほんッてェ、いがいにィ~!」
「ぐるるる!」(←訳:カラフル!)

 侘び寂びの、枯れた色彩こそ日本らしさ――

 そんなこと全然ないわ!
 と私たち読み手に教えてくれるのは、
 弥生時代の土器たち。

 メリハリのあるシルエットに、
 リズミカルな文様、
 朱色の使い方も明るくて、
 エネルギッシュな印象♪

「きらきらァ~もォ、だいじィでス!」
「がるるぐーるるるる!」(←訳:新たなムーヴメント!)

 古墳時代、そして飛鳥、奈良時代には
 大陸から金属文化やシルクロードの文化、
 仏教の装飾も伝えられるようになりました。
 すると……

「からくさァもんようゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:圧巻です!)

 正倉院、平安の貴族文化……と、
 文様は進化し、
 私たちの知る《日本の美》が立ち現われてきます。
 
 そして、鎌倉を経て、
 室町時代が始まれば、
 茶の湯の文化が、
 南蛮の文化が、
 日本的な文様、装飾をより明確になってゆく――

「さむらいィのォ、ぶんかァもォ~」
「がるるるるるる!」(←訳:見落とさないで!)

 本文146ページの『戦国武将のデザイン』では、
 上杉謙信公、織田信長公の陣羽織、
 具足、兜などが紹介されています。
 おお、太閤秀吉さんの胴服も美しい~!

「ふァ~…ためいきィ~…」
「ぐるがる!」(←訳:斬新だね!)

 本文の中盤から後半を占めているのは、
 桃山文化から江戸文化へ連なる《日本の美》完成の流れです。

 本阿弥光悦さんと俵屋宗達さん、
 柿右衛門と浮世絵、
 江戸の文化と上方の文化、
 幕末の北斎さんと
 明治の小村雪岱(せったい)さん。

 水がめぐるように、
 新生・成長・成熟を繰り返す《美》のかたち。

「たぶんッ、これからもォ!」
「がるぐる!」(←訳:続くはず!)

 装飾&文様美術の事典として、
 また、日本美術を知るための評論書としても楽しく読める
 全編カラーのアートブック、
 アート好きな活字マニアさんに、
 ぜひ、手に取っていただきたい快作です。
 本屋さんのアートコーナーで
 探してみてくださいね~♫
 
 
 
 
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