「こんにちわァ、テディちゃでス!
ううゥ~、かなしィでスゥ~…」
「がるる!ぐるるがる~…」(←訳:虎です!寂しいです~…)
こんにちは、ネーさです。
バスケット日本代表がW杯へ!の嬉しいニュースで始めるつもりが、
ミミズクくん力尽きる……のニュースが入ってきて、
やり切れない気持ちです。
いっそ高尾山まで逃げてきていれば……
翼もつムクムク毛玉ちゃんを悼みながら、
本日の読書タイムは、こちらの御本を、さあ、どうぞ~!
―― 月虹の夜市 ――
著者は折口真喜子(おりぐち・まきこ)さん、2019年1月に発行されました。
先日ご紹介しました『おっかなの晩』に続く、
《日本橋船宿あやかし話》シリーズの第二作目です。
『月虹』は『げっこう』とお読みくださいね。
「あはァ! おりょうゥおねえさんッ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:船宿のアイドル!)
昔むかし、
お江戸の町が“水の都”だった頃のこと。
浅草川に浮かぶ島、箱崎で
船宿・若狭屋(わかさや)を切り回しているのは、
お涼さん、
という若女将さんです。
「ちょこッとォ、ふしぎなァ~おかみさんッ!」
「がるるぅるぐるるる!」(←訳:視えちゃうらしいよ!)
お涼さんの父親が“視えちゃう”系の御方だからなのか、
過去の経緯からなのか、
それとも海の水と川の水が交じり、
いろいろなモノが流され着く土地柄のせいなのか、
お涼さんの身辺には、
不思議なことが起こったり、
不思議なモノが訪ねてきたりいたします。
表題作品『月虹の夜市』でも、
お花見の晩、
あれよあれよと
奇怪な出来事に遭遇するお涼さんですが……
いえ、ちょっと待った!
「ふァ??」
「ぐるぅ?」
ベンガルワシミミズクくんのためにも、
ここで、予定変更ですよ。
御本のいちばんはじめに収録されている
『小正月と小僧』、
この作品に注目を!
「こしょうゥがつゥ?」
「がるるる!」(←訳:冬だねえ!)
小正月とは、正月14日の行事です。
地方や地域によっては、15日が小正月だったり、
女正月、戻り正月と呼んだり、
小豆粥をいただく習慣があったりしますが、
船宿《若狭屋》でも、
小正月の決まり事をひととおり済ませて、
家の近くの御稲荷さまに
お参りしたお涼さんは――
「わきゃァ~ッ!」
「ぐるるがるぅ?」(←訳:いつのまにぃ?)
いつの間にやら、
小さな男の子が、横にいる?
……うん? 少し様子がヘン、ですね。
男の子は、ふつうの子、ではない?
どうやら……山の神さま、みたいな?
「かみさまァ??」
「がるるる?」(←訳:この子が?)
山の神さまは、
もちろん、或る目的があって
お涼さんを訪ねてきたのでした。
その目的とは……探しもの?
神さまの探しもの、とは……いったい??
「むむむゥ? みつかりィまスかッ?」
「ぐるるるるるがる!」(←訳:見つけようよ皆で!)
ミミズクくんにも、
山の神さまのような御方がついていて下さったなら。
今日ばかりは、そんな風に思い、
幾度も溜め息してしまったんですけど、
お涼さんと山の神さまの探しものの旅は、
ご安心くださいな、
あたたかく、こころに染み入る物語です。
全8編の連作短篇から成るこの御本、
もう次作が待ち遠しくてなりません。
時代小説好きさんにも
ファンタジーが好きな活字マニアさんにも
激おすすめしたい一冊、いえ、シリーズなんですよ。
どうか皆さま、ぜひ!
ううゥ~、かなしィでスゥ~…」
「がるる!ぐるるがる~…」(←訳:虎です!寂しいです~…)
こんにちは、ネーさです。
バスケット日本代表がW杯へ!の嬉しいニュースで始めるつもりが、
ミミズクくん力尽きる……のニュースが入ってきて、
やり切れない気持ちです。
いっそ高尾山まで逃げてきていれば……
翼もつムクムク毛玉ちゃんを悼みながら、
本日の読書タイムは、こちらの御本を、さあ、どうぞ~!
―― 月虹の夜市 ――
著者は折口真喜子(おりぐち・まきこ)さん、2019年1月に発行されました。
先日ご紹介しました『おっかなの晩』に続く、
《日本橋船宿あやかし話》シリーズの第二作目です。
『月虹』は『げっこう』とお読みくださいね。
「あはァ! おりょうゥおねえさんッ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:船宿のアイドル!)
昔むかし、
お江戸の町が“水の都”だった頃のこと。
浅草川に浮かぶ島、箱崎で
船宿・若狭屋(わかさや)を切り回しているのは、
お涼さん、
という若女将さんです。
「ちょこッとォ、ふしぎなァ~おかみさんッ!」
「がるるぅるぐるるる!」(←訳:視えちゃうらしいよ!)
お涼さんの父親が“視えちゃう”系の御方だからなのか、
過去の経緯からなのか、
それとも海の水と川の水が交じり、
いろいろなモノが流され着く土地柄のせいなのか、
お涼さんの身辺には、
不思議なことが起こったり、
不思議なモノが訪ねてきたりいたします。
表題作品『月虹の夜市』でも、
お花見の晩、
あれよあれよと
奇怪な出来事に遭遇するお涼さんですが……
いえ、ちょっと待った!
「ふァ??」
「ぐるぅ?」
ベンガルワシミミズクくんのためにも、
ここで、予定変更ですよ。
御本のいちばんはじめに収録されている
『小正月と小僧』、
この作品に注目を!
「こしょうゥがつゥ?」
「がるるる!」(←訳:冬だねえ!)
小正月とは、正月14日の行事です。
地方や地域によっては、15日が小正月だったり、
女正月、戻り正月と呼んだり、
小豆粥をいただく習慣があったりしますが、
船宿《若狭屋》でも、
小正月の決まり事をひととおり済ませて、
家の近くの御稲荷さまに
お参りしたお涼さんは――
「わきゃァ~ッ!」
「ぐるるがるぅ?」(←訳:いつのまにぃ?)
いつの間にやら、
小さな男の子が、横にいる?
……うん? 少し様子がヘン、ですね。
男の子は、ふつうの子、ではない?
どうやら……山の神さま、みたいな?
「かみさまァ??」
「がるるる?」(←訳:この子が?)
山の神さまは、
もちろん、或る目的があって
お涼さんを訪ねてきたのでした。
その目的とは……探しもの?
神さまの探しもの、とは……いったい??
「むむむゥ? みつかりィまスかッ?」
「ぐるるるるるがる!」(←訳:見つけようよ皆で!)
ミミズクくんにも、
山の神さまのような御方がついていて下さったなら。
今日ばかりは、そんな風に思い、
幾度も溜め息してしまったんですけど、
お涼さんと山の神さまの探しものの旅は、
ご安心くださいな、
あたたかく、こころに染み入る物語です。
全8編の連作短篇から成るこの御本、
もう次作が待ち遠しくてなりません。
時代小説好きさんにも
ファンタジーが好きな活字マニアさんにも
激おすすめしたい一冊、いえ、シリーズなんですよ。
どうか皆さま、ぜひ!