テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 水槽に咲く笑顔 ~

2020-12-14 22:27:24 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 みつひでさんッ、だいけつだんッ!」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!時代が動く~!)

 こんにちは、ネーさです。
 大河ドラマ『麒麟がくる』、
 12月に入って猛スピードで走り出しましたね。
 本能寺の変を、この作品はどう描くのか?
 黒幕は存在するのか?
 あれかこれかと想像を巡らせつつ、
 さあ、読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
   ―― 驚愕!竹島水族館ドタバタ復活記 ――



 著者は小林龍二(こばやし・りゅうじ)さん、
 2020年7月に発行されました。
 『水の泡とは消えたくない!』と副題が付されています。

「すいぞくゥかんッ??」
「がる??」(←訳:竹島??)

 竹島(たけしま)水族館。

 正式な名称は、
 蒲郡(がまごおり)市竹島水族館。
 愛称は『タケスイ』。

 愛知県の蒲郡市にある
 小さな水族館は、
 三河湾、遠州灘の生物を中心に、
 熱帯地方の淡水魚や
 温帯・熱帯に住む大型深海魚など、
 500種4500点の生物が飼育されている
 水族館です。

 2019年3月には、
 年度入館者数47万人を達成!
 『タケスイ』史上最高の数字を記録しました!

「はくしゅゥ~!」
「がるるるぐるるる~!」(←訳:めでたやめでたや~!)

 2013年には日本で初めて
 オオグソクムシの卵を孵化させることに成功、
 深海魚の展示も充実、と
 水族館マニアさんからは
 注目の的となっている『タケスイ』ですが……

 以前は、

   廃館も間近か……

 なんて悲観視されていた水族館だったんです。

「おきゃくゥさんがァ~…」
「ぐるる~…」(←訳:来ない~…)
「たてものがァ~…」
「がるる~…」(←訳:ボロい~…)

 2003年頃の年間入場者数は、
 やっと15万人前後で、
 しかも、お客さんは
 入館してほどなく、
 展示のショボさに落胆して
 早々に帰ってしまう、という
 もの悲しさ。

 『タケスイ』に就職したばかりの、
 海や川での魚採りに夢中だった
 少年期を過ごした著者・小林さんは、
 ガランとする館内で
 立ち尽くします……

 どうしたら、いいんだろう?

「おおぜいのォ、おきゃくさんにィ!」
「ぐるがるる~!」(←訳:来て欲しい~!)

 古くて、小さな水族館。
 沖縄や大阪の有名水族館のような
 特大の水槽を設置する余裕も、
 予算もない。

 けれど、
 小さいなら小さいなりに、
 出来ることがあるはずだ……!

「ぎゃくてんのォ、はッそうでェ~」
「がっるるぐるるる!」(←訳:トップを目指そう!)

 考え得る限りの計画を提出しては、
 上層部のダメ出しを喰らい、
 へこむ小林さん。

 そうこうするうち、
 入館者数はいっそう減少し、
 ついに水族館は
 運営を民間に委託する指定管理者制度を
 採用することに。

 フツーの人ならば
 ここでメゲちゃうのかもしれません、が。

 知恵を絞った小林さん、
 自分で会社を設立!
 水族館の運営を引き継ぐ!
 という奇策に打ってでます!

「わほほゥ!」
「ぐっるぅる!」(←訳:グッジョブ!)

 いえいえいえ、
 むしろ、ここからが出発点、
 正念場です。

 館長を務めることになって、
 ダメ出しをする上司はいなくなったけれども、
 予算が増える訳でも、
 建物が新しくなる訳でもありません。

 小さな水族館のまま、
 事態を好転させる、
 お客さんを呼び込むには……

 『タケスイ』の利点、長所を、
 思いっ切り活用しなくちゃ!

「しんかいぎょッ!」
「がるるるるるる!」(←訳:オオグソクムシ!)

 難しい解説板は要らない。
 手書きで。
 
 図鑑のようなイラスト図解も要らない。
 下手な絵の方が好まれる。

 この魚は美味しいんです♫
 なぁんていう説明は、
 水族館では御法度とされるのだけれど、
 敢えて書く!
 バラしちゃう!
 ツボダイ、めっちゃ美味いぞ!
 カサゴ、煮ると美味いんです!
 
「ぷふふふッ♫」
「ぐるるっ♪」

 苦労と苦難を
 笑いに変えて、
 ご近所から、
 遠方から、
 たくさんの人に来てもらえる
 楽しい水族館に。

 小林さんと仲間たちの
 知恵&工夫の奮戦記は
 読み手の私たちを笑顔にしてくれます。
 そして、同時に――

「たけすいィ、ゆきたいィ~!」
「がっるぐるるるるるぅ!」(←訳:行ってみたくなるぅ!)

 水族館好きな方々、
 ノンフィクション好きな活字マニアさんに、
 おすすめですよ。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

   
コメント
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