テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 名画に、耳を傾ければ ~

2020-12-18 23:24:42 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 がんだむゥ、きましたでスゥ!」
「がるる!ぐるるがるる~!」(←訳:虎です!コイツ動くぞ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 神奈川県横浜市の山下埠頭に、
 明日12月19日《GUNDAM FACTORY YOKOHAMA》がオープン!
 実物大ガンダムが起動しますよ♫
 現地へ行けない方々は、
 公開されている動画を観てくださいね。
 さあ、ではここからは読書タ~イム!
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
     ―― 名画はおしゃべり ――



 著者は木村泰司(きむら・たいじ)さん、
 2020年10月に発行されました。
 『酔っ払いから王侯貴族まで』と副題が付されています。

「あはァ! しんじゅのォ、みみかざりィ~♪」
「ぐるるるがぅーるーるる!」(←訳:お隣りはデューラーさん!)

 御本の表紙で、
 こちらへ目線を向けているのは、
 ヨハネス・フェルメールさん作
 『真珠の首飾りの少女』と、
 アルブレヒト・デューラーさん作
 『毛皮を着た自画像』(1500)。

 ここで留意していただきたいのは、
 デューラーさんの自画像の、
 目力。

 イマ風に言うなら、
 “圧”かしら。

 真っ向からメンチ切っ……いえ、おほん、
 鑑賞者に喧嘩を売るかのような、
 ”正面像”には……

 実は、深~く複雑な意味がある?

「あううゥ~? えェ~とォ??」
「がるぐるるるる~?」(←訳:そう言われても~?)

 ”正面像”。

 顔を正面から描く、
 という構図は、
 イエス・キリストなど聖人にしか許されない、
 と著者・木村さんは指摘します。

 そのルールをデューラーさんが知らなかった筈はなく、
 では何故あえて”正面像”を選んだのか?というと。

 使命感、
 そして、覚悟。

   私は芸術後進国であるドイツに生まれた、
   けれど、
   キリストがユダヤ社会における
   宗教改革者であったように、
   ここドイツにおいて
   私が美術の改革者になるのだ――

「それはァ、ひとつのォ~」
「がるぐる~!」(←訳:選手宣誓~!!)

 デューラーさんを通して
 芸術家の”覚悟”を問う
 第1章『芸術家も大変!』を始まりに、
 第2章以降は、
 ピーテル・ブリューゲル(父)さん、
 ピーテル・パウル・ルーベンスさん、
 フランス・ハルスさん、
 アンソニー・ヴァン・ダイクさん……と、
 巨匠さんの作品の画面に
 ひっそり、
 或いは堂々と、
 描き入れられた暗喩を
 木村さんは解析してゆきます。

 巻末には、
 
 番外編『西洋絵画に描かれた猫』

 巻末付録『画家プロフィール』

 も収録されていて、
 ふふふっ、猫のお話には
 笑っちゃいますね♪

「これェ、おもしろいィでス!」
「ぐーるるるるるるる!」(←訳:ルーベンスさんの猫!)

 1628年制作の
 『受胎告知』。

 聖母マリア様の足元に、猫が……?

 私ネーさ、初めて拝見する作品です。
 ていうか、受胎告知に猫、の図は
 とっても珍しいような?

「ねこォだいすきなァおかたはァ~」
「がるる!」(←訳:大喜び!)

 真面目な絵画論も、
 ポップなアート談も、
 ニャンコ画比較も、と
 多角的に楽しめる
 ノンフィクション作品は
 読み応えがありますよ。

 寒~い真冬、
 美術館までお出掛けするのが
 ちょっぴり億劫に思えたら、
 書物の世界でアート三昧を、
 皆さま、ぜひ♪
 
  
コメント
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