テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 島から、新たに ~

2020-12-11 22:45:37 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おやぶんさァ~んッ!」
「がるる!ぐるるがるる~る!」(←訳:虎です!小松の親分さ~ん!)

 こんにちは、ネーさです。
 小松政男さんが亡くなったとの報道に、
 寂しさを禁じ得ません……
 20世紀の日本を代表するエンターテイナーさんを
 心からの感謝と拍手で見送りながら、
 さあ、読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
     ―― 二百十番館にようこそ ――



 著者は加納朋子(かのう・ともこ)さん、
 2020年8月に発行されました。
 『ななつのこ』『トオリヌケキンシ』
 『いつかの岸辺に跳ねてゆく』など、
 こころ優しくもミステリアスな作品で知られる
 加納さんの最新作は――

「むむゥ! まさかッ!」
「ぐるがる~??」(←訳:本当なの~??)

  《あれよあれよという間に、
   俺は親に捨てられてしまった》

 という、
 えっ?えええ~っ?な一文から、
 物語は始まります。

 何だ何だ何なんだ、いったい?
 《俺》の身に、
 いったい何が起きたんでしょうか?

「それはァ、ようするにィ~」
「がるる!」(←訳:大変化!)

 実は、理由があったんです、
 《捨てられてしまった》ことの背景には。

   ネトゲ廃人の自宅警備員、
   要するに無職のニートだってこと。

 と、《俺》くんは
 自分を分析し、表現します。
 
 こんな《俺》だから、
 島に捨てられちゃったんだよな……と。

「しまァ??」
「ぐる??」(←訳:島に??)

 ええ、或る日、
 《俺》くん宛に配達されてきたのは、
 弁護士事務所からの手紙でした。

 文面によれば、
 亡くなった伯父さんが遺産を残してくれた、
 ついては手続きが必要なので、
 弁護士と共に現地へ来てほしい……。

「そッ、それはァ~」
「がるぐる!」(←訳:眉にツバ!)

 なんか怪しいなぁ?
 と思いはしても、
 弁護士事務所に問い合わせれば
 嘘ではない、と言うし。

 ならば、
 行ってみようか、島へ。

「……ふァいッ! それならァ~」
「ぐるがるるるる!」(←訳:もう止めません!)

 漠然とした淡い期待を胸に。

 弁護士さんに連れられて、
 《俺》、
 いえ、ネットのゲーム仲間には
 【刹那】というハンドルネームで知られている彼が
 目にしたのは。

 離島?

 しかも、住人はわずかで?

 ネットなんて使えるの?

「やぱりィ、だまされたァのでス!」
「がるるるるるる!」(←訳:捨てられたんだ!)

 捨てられた……ええ、
 確かに捨てられたのだとしても。
 
 《俺》こと【刹那】くんには、
 伯父さんの遺産がありました。
 これはね、本当のことだったんです。

 以前は保養所のような使われ方をしていた、
 二階建て鉄筋コンクリートの館。

「おッ! ひろいィ~!」
「ぐるる!」(←訳:頑丈だ!)

 捨てられただとか、
 ニートだとか、
 一見、ネガティブな要素ばかり?な
 【刹那】くんの内部で、
 いつしか、
 スイッチがONになります。

 《俺》はここで、
 この島で、
 生きてゆくことが出来るのか――?

「おッ?」
「がるっ!」(←訳:おおっ!)

 【刹那】くんの、
 絶望と希望、
 荒天と晴天が
 くるくる入れ替わるような物語は、
 どこへ向かうのか。

 都会好きな方々にも
 島ライフが好きな方々にも
 おすすめの一冊です。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
 
 
 
 
コメント
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