テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 名人、名匠を語る ~

2020-12-03 22:33:52 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ……むゥ~んッ! なみにィ、のれないィのでスゥ!」
「がるる!ぐるるがるる~!」(←訳:虎です!焦らずゆこう~!)

 こんにちは、ネーさです。
 NHKの新しい朝ドラ『おちょやん』に
 なかなか馴染めず、
 落ち着かない朝を過ごしております……
 まあノンビリ行けばいいわよね~と自分を説得しつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪

  



   ―― 交響録 N響で出会った名指揮者たち ――



 著者は茂木大輔(もぎ・だいすけ)さん、
 2020年10月に発行されました。

 著者・茂木さんは、
 1990年から2019年に定年退職するまでは
 NHK交響楽団の首席オーボエ奏者として活躍!
 現在は指揮者として活動中!
 という、クラシック好きな方々にとっては
 憧れの音楽家さんです。

「たァ~くさんッ、えんそうゥしましたでス!」
「ぐるがるるる!」(←訳:名演数知れず!)

 超一流の演奏者さんたちを抱えるN響を指揮するのは、
 これもやはり、
 超一流の指揮者さんたち。
 
 茂木さんがN響に入団した当時は、
 名誉指揮者と正指揮者という体制で
 指揮者陣が形成されていた、と言います。

「まえすとろォ、とうじょうゥ!」
「がるぐる!」(←訳:練習開始!)

 クラシックコンサートの練習とは
 どんなものかというと。

 普通、指揮者というものは
 朝まず指揮者室に入り、
 様々なスタッフと次々に打ち合わせがあり、
 定刻にチューニングが聞こえたら
 スコアと指揮棒を抱えて
 部屋を出て練習室に向かい、
 コンマスと握手して指揮台に上がり、
 おはようございます、
 と大声で行って、
 練習を振り始めるものである――

 と、茂木さんは本文153ページに
 記しています。

 けれど、もちろん――

「ひとォ、それぞれッ!」
「ぐるるるるるがるるる!」(←訳:指揮者さんもそれそれ!)

 茂木さんを含め、
 楽団員さんたちは思うのです。

   午前中のうちに
   ちゃちゃっと終わらせてくれたら
   嬉しいんだけどなあ。

 そうは行かなくて、
 内心、ちょっぴり失望したり。

 失望どころか、
 内容も殆ど憶えていないほど、
 練習に集中してしまうこともあったり。

 緊張でガチガチになることもあったり。

「そのォすべてはァ~」
「がるるるるぐる!」(←訳:指揮者さん次第!)

 N響との確執が長らくウワサされていた
 小澤征爾さんの場合は……
 
 《ものすごく指揮がうまくて、ため息が出るほど》。

 スイスの指揮者シャルル・デュトワさんから受けた

 《人生が変わるほどのインパクト》。

 ドイツの指揮者ヴォルフガング・サヴァリッシュさんとの
 リハーサルは、

 《指揮を見ているだけで完成》してしまう。

 ロシア出身のピアノ奏者にして指揮者
 ウラディミール・アシュケナージさんは、本番中、
 
 《前半のどこかで
  指揮棒が左手に刺さってしまい、
  そのまま折れて、
  左手の中に残ってしまった》!

「ひえええェ~ッ!」
「ぐるがる~!」(←訳:病院病院~!)

 幸いにも、アシュケナージさんのお怪我は軽く、
 翌日には再び指揮台に立ちました。

 そして、
 カーボンファイバー製の
 “折れない指揮棒“を茂木さんがプレゼントしたところ、
 アシュケナージさんはたいそう喜んでくださって♪

 以来、すっかり仲良しに。

「ふゥ! よかッたでス!」
「がっるるる!」(←訳:ホッとした!)

 観客席からは見えない、聴こえない、
 ときに厳しく、
 ときにあたたかな、
 音楽家さんたちの日常。

 音楽が生まれる瞬間を、
 笑いをちりばめつつ
 やさしく語る茂木さんの《交響録》は、
 コンサートホールに足繁く通うマニアさんにも
 クラシック音楽初心者さんにも
 楽しく読める快作です。

 名指揮者さんたちの愉快なエピソードを、
 ぜひ、一読してみてくださいね♪
 
 
  
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