テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 作家と、土地の絆 ~

2018-11-27 22:14:48 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むむむゥ! これがァ、かせいィ~!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!岩石の砂漠!)

 こんにちは、ネーさです。
 NASAのインサイト着陸機が火星の観測地点に着陸成功!
 探査車ではないインサイトは、
 このままず~っと火星のエリシウム平原に留まり、
 火星の地中マップを作る、という、
 孤独な、そして重要な作業に挑みます。
 がんばれインサイト!
 地球から声援を送りながらの読書タイムは、
 こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



       ―― フランス文学を旅する60章 ――



 編著者は野崎歓(のざき・かん)さん、2018年10月に発行されました。
 以前に『イギリス文学を旅する60章』を御紹介いたしましたが、
 こちらのフランス編では、
 ラブレーさん、モンテーニュさん、ヴォルテールさん……

「あうゥッ、ずつうゥがァ~…」
「ぐるるるるる~…」(←訳:ムズかしそう~…)

 そうなのよねえ、
 英米の文学に比べると、
 どうしても馴染みが薄いフランス文学……
 私ネーさも、読んだことのない作品が多くて
 若干ビビっておりますけれど、
 さあ、インサイトのように果敢に
 仏文学の密林へ飛び込んでみましょう!

 本文は、

  Ⅰ―《トリスタンとイズー》からラ・ファエット夫人まで

  Ⅱ―ラシーヌからバルザックまで
 
  Ⅲ―ユゴーからマラルメまで
  
  Ⅳ―ヴェルレーヌからヴァレリーまで
 
  Ⅴ―コレットからサルトルまで

  Ⅵ―ベケットカラウエルベックまで

 と、6つのパートに分けられ、
 文学作品と都市・土地の結びつきを掘り下げてゆきます。

 首都パリはもちろん、
 南仏の港町マルセイユ、
 避暑地ニース、
 スペインに近いトゥールーズ、
 ワインの里ボルドー……
 
「あッ! これェ、しッてるでス!」
「がるる!」(←訳:ルパン!)

 ええ、そうでしょうとも♫
 第36章の題名は、
 
 《モーリス・ルブランとノルマンディー》。

 『怪盗ルパン、活躍の地』と副題が付されたこの章では、
 ルパンの生みの親であるモーリス・ルブランの故郷、
 ノルマンディーのコー地方が取り上げられています。

「うみのォそばッ、でスねッ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:英仏海峡近く!)

 ルブランさんの生地は、
 セーヌ川沿いの町・ルーアンでした。

 そのルーアンから北へ、
 大西洋岸を目指してゆくと、
 白亜の断崖が見えてきます。

 エトルタの奇岩、
 あるいは針岩と呼ばれる、
 尖った岩が海に浮く絶景は
 ガイドブックなどにも掲載されていますが、
 ルブランさんにとっても、
 エトルタ湾の風景は大のお気に入り♪

 『奇岩城』『カリオストロ伯爵夫人』で
 針岩を描写し、
 ルブランさん自身も20年以上に渡り
 エトルタで夏を過ごしています。

「いまもォ、ひるがえるゥ~」
「がるるるるぐるる!」(←訳:怪盗紳士のマント!)

 他にも、

 《ガストン・ルルーさんとパリ・オペラ座》

 《シムノン『メグレ警視』とパリ警視庁》

 《サン=テグジュペリと古都リヨン》

 《アルチュール・ランボーのシャルルヴィル》

 《アルベール・カミュ、地中海に浸る幸福》

 といった章は、
 鮮やかに“作家と土地”のイメージを切り取り、
 読書欲を掻き立てます。

 私ネーさも『オペラ座の怪人』を
 また読み返したくなりましたよ。

「たのしいィ~どくしょのォたびィ!」
「ぐるがる!」(←訳:いざ出発!)

 コラム、図版資料、
 参考文献リストも必見必読の一冊、
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪
 
 
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