ひっさびさの日本名作劇場へ、ようこそ~!
こんにちは、ネーさです。
「こんにちわァ、テディちゃでス!」
「ぐる~る!」(←訳:虎で~す!)
お盆休みにほぼ突入?の本日は、
もはや古典!な名作を御紹介いたしましょう。
こちらを、どうぞ~!
―― 夜叉ヶ池 ――
著者は泉鏡花さん、表題作の『夜叉ヶ池』が発表されたのは大正2年でした。
画像の講談社文庫版には、『夜叉ヶ池』の他に、
『海神別荘』『天守物語』も収録されています。
3作品とも、鏡花さんの戯曲としてはとても有名な、
代表作とも言える作品ですね。
「やしゃがいけェ……なんだかァ、なまえがァ、こわいィ~…」
「ぐるるーるる?」(←訳:ホラーなのかな?)
ホラーでしょうか、
ファンタジーでしょうか、
それとも純愛物語なのでしょうか。
時代は現代――つまり作品が書かれた大正の当時、
場所は越前国大野郡鹿見村琴弾谷。
人々が夜叉ヶ池と呼ぶ池には、
美しいお姫さまが棲んでおりました。
「きれいなァおかたでスねッ♪」
「ぐるがるる!」(←訳:本当の姫さまだ!)
夜叉ヶ池の主、白雪姫さま、
現在、大恋愛の真っ最中でございます。
お相手は、白山の剣ヶ峰千蛇ヶ池の若さまと申しまして、
お似合いのふたりであることよ、と
姫さまの近習たち、
若さまの近臣たちも、
微笑ましく見守っているのです、が……
障害が、ひとつ。
姫さまは夜叉ヶ池を離れられませんし、
若さまも剣ヶ峰を離れられません。
姫さまが夜叉ヶ池を離れたら、
たちどころに怖ろしい大津波が起こり、
村里は水の底に沈んでしまうのです。
「ひめさまァ、かわいそゥ~…」
「がるぐるるっ?」(←訳:なんとかならないのっ?)
はるか昔に、人間と交わした約定が破れたなら、
姫さまはすぐにでも剣ヶ峰へ飛んでゆけます。
夜叉ヶ池のほとりの鐘楼、
その鐘が決められた時刻に撞かれなかったら、
もはや姫さまを縛るものはなくなるのですが……。
「こいするゥふたりをォ!」
「ぐるるがる!」(←訳:応援したい!)
『夜叉ヶ池』『海神別荘』『天守物語』は、
初めて鏡花さんを読む方々に
最適な作品であると思います。
文章の表記が旧かな遣いですので、
慣れないうちはびっくりしちゃうかもしれません。
でも、仮名に慣れさえすれば……!
鏡花さんの紡ぐ、冴え冴えとして美しい水の世界が
読み手の心をつかみます。
ヒトならぬ者たちが
楽々と飛翔する異界の夜のものがたり――
「ゆめのォようなァ~」
「がるるるぐるがる!」(←訳:夢じゃない世界へ!)
『夜叉ヶ池』より、一節を引きましょう――
《人は、心のままに活きねばならない》
夏のお休みに、ふさわしい御本です。
ぜひ!
こんにちは、ネーさです。
「こんにちわァ、テディちゃでス!」
「ぐる~る!」(←訳:虎で~す!)
お盆休みにほぼ突入?の本日は、
もはや古典!な名作を御紹介いたしましょう。
こちらを、どうぞ~!
―― 夜叉ヶ池 ――
著者は泉鏡花さん、表題作の『夜叉ヶ池』が発表されたのは大正2年でした。
画像の講談社文庫版には、『夜叉ヶ池』の他に、
『海神別荘』『天守物語』も収録されています。
3作品とも、鏡花さんの戯曲としてはとても有名な、
代表作とも言える作品ですね。
「やしゃがいけェ……なんだかァ、なまえがァ、こわいィ~…」
「ぐるるーるる?」(←訳:ホラーなのかな?)
ホラーでしょうか、
ファンタジーでしょうか、
それとも純愛物語なのでしょうか。
時代は現代――つまり作品が書かれた大正の当時、
場所は越前国大野郡鹿見村琴弾谷。
人々が夜叉ヶ池と呼ぶ池には、
美しいお姫さまが棲んでおりました。
「きれいなァおかたでスねッ♪」
「ぐるがるる!」(←訳:本当の姫さまだ!)
夜叉ヶ池の主、白雪姫さま、
現在、大恋愛の真っ最中でございます。
お相手は、白山の剣ヶ峰千蛇ヶ池の若さまと申しまして、
お似合いのふたりであることよ、と
姫さまの近習たち、
若さまの近臣たちも、
微笑ましく見守っているのです、が……
障害が、ひとつ。
姫さまは夜叉ヶ池を離れられませんし、
若さまも剣ヶ峰を離れられません。
姫さまが夜叉ヶ池を離れたら、
たちどころに怖ろしい大津波が起こり、
村里は水の底に沈んでしまうのです。
「ひめさまァ、かわいそゥ~…」
「がるぐるるっ?」(←訳:なんとかならないのっ?)
はるか昔に、人間と交わした約定が破れたなら、
姫さまはすぐにでも剣ヶ峰へ飛んでゆけます。
夜叉ヶ池のほとりの鐘楼、
その鐘が決められた時刻に撞かれなかったら、
もはや姫さまを縛るものはなくなるのですが……。
「こいするゥふたりをォ!」
「ぐるるがる!」(←訳:応援したい!)
『夜叉ヶ池』『海神別荘』『天守物語』は、
初めて鏡花さんを読む方々に
最適な作品であると思います。
文章の表記が旧かな遣いですので、
慣れないうちはびっくりしちゃうかもしれません。
でも、仮名に慣れさえすれば……!
鏡花さんの紡ぐ、冴え冴えとして美しい水の世界が
読み手の心をつかみます。
ヒトならぬ者たちが
楽々と飛翔する異界の夜のものがたり――
「ゆめのォようなァ~」
「がるるるぐるがる!」(←訳:夢じゃない世界へ!)
『夜叉ヶ池』より、一節を引きましょう――
《人は、心のままに活きねばならない》
夏のお休みに、ふさわしい御本です。
ぜひ!