テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

こわいもの見たさ、なんです。

2011-09-20 23:14:21 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 あ~あ、自転車競技の世界選手権が行われているデンマークの首都コペンハーゲンは、
 そこそこ良いお天気だというのに、
 ここ日本は台風……どうか皆さま、御用心下さいね!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 さむッ!」
「ぐるるー!がるがるがるぐる!」(←訳:虎ですー!風邪引いちゃいそう!)

 ひんやりした空気が流れてきたら、
 悪天候のせいなのか、
 それとも……
 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
               ―― あやかし草子 ――


 
 著者は千早茜さん、2011年8月に発行されました。
 『みやこのおはなし』と副題が付されています。

「むむッ?? あやかしィ??」
「がるぐるる!」(←訳:怪しいね!)

 ええ、そうです、
 喉元に吹きつけてくるのは、あやしの風。
 ただし、大いに怪しいその風が渦を巻いているのは、
 東京に首都がある現代ではなく、
 《みやこ》といえば京都であった時代のものがたり。
 
 ほらほら、すぐそこに、見えませんか?
 以前は栄華を誇った都の大門が、
 ちょこっと寂れてはおりますけれど、
 今もなかなか、見上げるほどの大楼ぶりじゃございませんか。

「うそでスゥ! ぼろぼろォ、でスよゥ!」
「がるぐるぐるるー!」(←訳:荒れ果ててるよー!)

 えー、おほん、まあそうね。
 極彩色に塗り飾られていた楼門は、
 最近では目も当てられない廃れよう、です。
 都の住人さんたち、この楼門を天然の葬儀場と見做したのか、
 怖ろしいものを捨てにやって来ます。
 それは――

「ひィッ! いわなくてェ、いいでスゥ!」
「がるるー!」(←訳:怖いよー!)

 えへん、えーと、その、でもね
 たまにはね、いるんですよ。
 ものを捨てるためにではなく、
 他のことをするために来るひとも、ね。

 その男は、毎夜毎夜、やって来ます。
 何をしに、って、
 笛を吹くために。
 陽が落ちてからは人っ子ひとり近付かない、
 いえ、昼日中でも都人が忌避するその楼門を訪れるのは、
 ただただ、思いのままに笛を鳴らすため。

 笛の音に耳を傾ける者など、
 皆無であるはず、でした。
 が、或る日、じっと男の笛に聴き入る巨きな黒い影が……。

「わわきゃッ! でたァのでス!」
「がるぐるー!」(←訳:逃げようー!)

 朽ちかけた楼門に棲む、おそろしい鬼。

 この主題(テーマ)に、多くの作家さんたちが魅了され、
 さまざまな《門にすむ鬼》の物語が創られてきました。
 近年で最も印象的な小説作品は、といえば、
 夢枕獏さんの『陰陽師』でしょうか。

 著者・千早さんの《鬼》の御話は、
 夢枕さんの作品に対する一種のアンサーソングを想わせます。
 《鬼》に遭った者は、出遭ってしまった者は、
 いったいどこへ往くこととなるのか――

  『鬼の笛』
  『ムジナ和尚』
  『真向きの龍』
  『天つ姫』
  『青竹に庵る』
  『機尋』――

 収録されている5編の作品は、
 ホラーとファンタジーの中間に位置するような、
 味わい深い、旧き時代の《あやかし譚》です。
 秋の旅行は書物の世界で、という活字マニアさんにおすすめ!ですよ~♪

「こわいのォ、すきなァ、ひねくれものさんはァ、ぜひィ!」
「がるぐるるるるがるるーがるー!」(←訳:ボクは夢でうなされそうだよー!)
 
  
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お江戸を走るは……マネージャーさん?

2011-09-19 23:19:15 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 『ツールド北海道2011』は最終日の今日、札幌市にてタイムトライアルレースを開催、
 4日間の全ステージが終了となりました。
 個人総合一位は、ルチアーノ・チャヴェスさん!
 おめでとうございますー!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おめでとうゥでスッ!」
「がるる!ぐるがるがるがるがるぐるるー!」(←訳:虎です!おめでとう&お疲れさまー!)

 学生選手さん、日本人選手さん、
 いずれは本場でのグランツール出場を目指してファイトっ!
 幸運を祈っておりますよ!
 ふー、
 我が国でも指折りの自転車競技大会が無事に幕を閉じたところで、
 さあ、本日も、読書ターイム!
 秋の夜長は、こちらを、どうぞ!!

  


 
                 ―― ちょちょら ――


 
 著者は畠中恵さん、2011年3月に発行されました。
 題名になっている『ちょちょら』とは……えーと、何のことでしょう?
 『ちょちょら』――
 なんだかオモチャみたいな、
 リズミカルな単語の意味は……
 はい、これね!
 御本巻頭の、『江戸語事典(東京堂出版)』引用抜粋によりますと、

  弁舌の立つお調子者。
  いい加減なお世辞。
  調子の良い言葉。

 なのだそうです。

「ほほうッ?? おえどのォ、ことばッ?」
「ぐるがるぐるるるる!」(←訳:初めて耳にしました!)

 ええ、そうです、
 これは、私たちにも初耳の、
 或る『ちょちょら』な、
 野球部マネージャーさんのものがたり~!

「……ふァ???」
「……がるっ??」

 はいはい、分かります、言いたいことはよ~く分かりますわ。
 時代はお江戸、
 物語の舞台もお江戸の町、と
 これはいわゆる《時代小説》ジャンルの御本なのではありますが……
 読み進めてゆくうち、思うのです。

 主人公の間野新之介(まの・しんのすけ)さんって、
 高校の野球部マネージャーさんそのものだわ~!と。

 大会の日程を調べて部員たちに報せ、
 選手の登録や、今年度から変更になったルールの確認、
 試合が行われる球場へ選手たちを連れてゆかなきゃならないし、
 ドリンクの準備、ユニフォームの支度、
 救急箱を抱え、おっと、スコアブックもつけて、
 それからそれから、ああ、忙しい。

 新之介さんも、同じです。
 あああ~、忙しい。
 多々良木(たたらぎ)藩の江戸留守居役、
 それもピカピカの新米留守居役である新之介さんは、
 今日は接待、明日も接待、
 登城したら情報収集に努め、
 他藩の留守居役さんと意思疎通&根回しをも怠りなく、
 自分の《藩》すなわち《お家》がつつがなく存続するよう、
 身を粉にして奔走する――

「うむゥ、たいへんなァ、おしごとゥ!」
「ぐるがるがるる~…!」(←訳:苦労してるんだ~…!)

 戦国時代ははるかむかし、
 とっても平和な江戸の町で、
 しかし、新之介さんは孤独な闘いをしています。
 噂では、近々、大掛かりな普請(ふしん)が計画されているらしい……
 もし我が藩が、普請を命じられたりしたら……
 ああ、おしまいだ!
 何万両もの巨額な普請予算を担当する財政力など、
 こんな小藩にはありはしない……!

 悲劇を回避すべく、
 新之介さんは計略を練ります。
 あたかも、部員たちを甲子園へ連れてゆこうと決意した
 野球部マネージャーのように。

「がんばれェ、しんまいィさんッ!」
「ぐるがるるるぐるがるがるー!」(←訳:アルプススタンドで応援したげるー!)

 新之介さんの奇策奇案の結果や如何に!
 お江戸の町に、留守居役さんたちの『えいえいおー!』がこだまする?
 勝利の雄叫びは……聞こえる、んでしょうか?

 連休にうってつけのお江戸サバイバルドラマ、
 未読の御方は、ぜひ!

「えいかんをォ、もとめてッ!」
「ぐるるっがるがるるるー!」(←訳:かっとばせホームラン!)
 

 
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百年の《華》へ!

2011-09-18 23:16:29 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 『ツールド北海道』にハラハラしつつも、
 自転車競技の最高峰《ロード世界選手権2011》も迫ってまいりました♪
 勝利を摑むのはどの国なんでしょう?
 開催場所のコペンハーゲンに行って観戦したいですー!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おおばんくるわせにィ、きたいィッ!」
「ぐるる!ぐるがるがるがる!」(←訳:虎です!混戦&接戦の予感だ!)

 はらはら、ひやひや、どきどき……なレース結果を待ちながら、
 今日も今日とて読書タ~イム!
 本日は、連休にふさわしい一冊を、さあ、どうぞ~!

  




           ―― 百年の品格 クラシックホテルの歩き方 ――


 
 著者は山口由美さん、2011年7月に発行されました。
 いいですね、クラシックホテル!
 ちょうどいま、
 この御本に登場するクラシックホテルで休暇を満喫しておられる方々もおられるのでは?

「もふふゥ??
 それはァ、どこォでスかッ?」
「ぐるるがるがるる?」(←訳:有名なホテルなの?)

 クラシックホテル――その定義を、著者・山口さんは、
 『歴史あるホテル』
 『時を重ねた建物をいまなお現役として使い続けているホテル』、
 そして、
 百年以上の年月を重ねたホテルを
 クラシックホテルの中のクラシックホテルとして
 《百年ホテル》
 と呼んでいます。

 山口さんが選んだ《百年ホテル》は、4つの名だたる老舗ホテル。

  富士屋ホテル(創業1878/明治11年)、
  日光金谷ホテル(ホテル創業は1873/明治26年、ただし貸し別荘として1873/明治6年より開館)、
  万平ホテル(1894/明治27年創業)、
  奈良ホテル(1909/明治42年に創業)。

「あはッ♪
 テディちゃもォ、しッてるゥ、めいもんほてるゥでス!」
「がるぐるるる!」(←訳:日本の顔だし!)

 北関東に暮らす方々にとっては、
 日光金谷ホテルさんが身近な百年ホテル、なのでしょうね。
 東京都内や神奈川県などの、南関東に暮らしている方々には、
 箱根の富士屋ホテルさんが
 馴染み深いホテルでしょう。

「ふァいッ! 
 えきでんちゅうけいィのときもォ、うつッてまスゥ!」
「ぐるがるるるぐるがるるる!」(←訳:あの建物は一度見たら忘れないよ!)

 ジョン・レノンさんの常宿でもあった軽井沢の万平ホテルさん、
 明治の大建築家・辰野金吾さん設計になる奈良ホテルさんの本館もまた、
 地元の方々にとっては親しみある、
 遠くからやって来る宿泊客さんにとっては
 きらきらとまばゆくそびえる建物なのでしょう。

 著者・山口さんの目線は、
 宿泊客のそれとは、大きく異なっています。
 というのも、
 山口さんのお祖父さまは、
 富士屋ホテルの創業者さんの次女の婿として迎えられ、
 その後の激動の時代を、
 ホテルとともに生き、
 ホテルを守り通した御方だったのですから。

 ホテルの内側で育った山口さんにしか解らない、
 クラシカルホテルならではの信念、節度、洗練、粋、美徳……。

「えれがんとォ、でスねッ!」
「がるぐるがるる!」(←訳:お客になりたい!)

 旅行好きさん&ホテル好きさん、
 そして、建築マニアさんにおすすめの御本です!
 ぜひ一読を~♪
 
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化けます、ケロ太も♪

2011-09-17 23:02:42 | 美味
 こんにちは、ネーさです。
 先ほど、ちょこっと夜空を見上げてみたら……
 はっ!
 ピカピカ光る不審な光点が?!?

「こッ、こんにちわッ、テディちゃでス!
 わわわッ! ゆーほゥーでスかッ???」
「がるる!ぐるぐるるるがるぐるー!」(←訳:虎です!円盤だったらスゴイぞー!)

 驚きましたが、じーっと観察していると……
 あら~残念でした、
 福生基地にランディング中の米軍輸送機のようです。
 ほら、耳を澄ませば、轟音が聴こえてきますよ。

「ちぇッ!」
「がるっ!」

 さて、空飛ぶ○△×◇か?と、びっくりしちゃった週末は、おやつタ~イム!
 こちらの新製品など、いかがでござんしょ~♪

  

 『明治製菓』さんの
 《カール パンプキンスープ味》!

 ハロウィン向けお菓子が何処からか出現しては、
 スーパーやコンビニの新作コーナーで目立ちまくっています。
 あの《カール》も例外ではありません。
 カールおじさん&ケロ太くんもハロウィンコスプレでにっこり♪
 《パンプキンスープ》って、どんなお味でしょうか?
 いざ実食! いただきまーす!

「いただきまスゥ! ぱくさくッ!」
「ぐるがるるるがる!がるぐる!」(←訳:ボクもいただきます!さくぱく!)
「……むゥ?? ぱんぷきんッ??」

 パンプキンスープ味とありますが、
 ポタージュ風味、という方が近いかしら?
 
「くりーみィでェ、おいしィでス♪」
「がるるるーぐるがるがる♪」(←訳:ふんわり甘くて良いねー♪)

 ちょいっとビストロ風?な新作《カール》、ご馳走さまでした♪
 では、楽しいおやつの後は、
 アートタイム!
 秋の展覧会情報第三弾ですよ~!
 今回ご紹介いたしますのは、

  

 
 《 海を渡った伊万里焼展 ~鎖国時代の貿易陶磁~ 》!

 東京都渋谷区松濤の戸栗美術館にて、10/2~12/23まで開催されます。


  

 
 《 スタジオジブリ・レイアウト展  その誕生から『ココリコ坂』まで 》!

 松本市中央の松本美術館にて、9/16~11/27まで開催~!


  


 《 安野光雅の絵本展 》!

 横浜市の、そごう横浜店そごう美術館にて、会期は9/17~10/10まで!

 私ネーさ、安野さんのファンです!
 いいなヨコハマ!
 でも、伊万里焼の名品も見てみたいわね~♪♪

「あきのォ、おでかけにィ、ぱくもぐさくくッ!」
「がるるぐるる~がるるる!」(←訳:おすすめですよ~ぱくりん!)

 では皆さま、穏やかな休日を!
 
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ミニレポ・土門拳さん《古寺巡礼》展へ。

2011-09-16 23:16:51 | ミュゼ
 こんにちは、ネーさです。
 今日9月16日より『ツールド北海道2011』開幕!
 日本で行われる最大規模のロードレース、
 観に行きたいよう~っ!!

「こんにちわッ、テディちゃでス! おてんきがァ、しんぱいィでスねッ!」
「がるる!ぐるぐるるぐるがるるるー!」(←訳:虎です!選手の皆さんガンバってー!)

 選手さんスタッフさんたちの健闘と御無事を願いつつ、
 さあ、本日は読書……じゃなくて、アートタイム!
 こちらの展覧会へ、お出かけしてきましたよ~♪

  


 
              ―― 土門拳の 古寺巡礼 ――


 
 場所は『八王子市夢美術館』、会期は2011年9月16日~11月23日まで。
 『DOMOM KEN   A Pilgrimage to Ancient Temples』と英題名が掲げられています。
 今日16日(金)が初日!なんですよ♪

「ふむふむむッ!
 おしゃしんッ、でスねッ!」
「がるるるーぐるるぐるるがるる!」(←訳:有名なフォトグラファーさんだ!)

 土門拳さん(1909~1990)は
 『ヒロシマ』『筑豊のこどもたち』『文楽』他、
 多くの名作&名写真集を発表されましたが、
 ライフワークといえば、やはり、
 『古寺巡礼』でしょうか。
 
 今回の展覧会では、
 大型作品を含む170点を展示され、
 土門さんが見出した『古寺』が会場にずら~り!

  

「うむッ! こんなァ、かんじィ!」
「ぐるがるるー!」(←訳:黒がきれいー!)

 ポスターやチラシに使用されているこの作品は、
 『室生寺弥勒堂 釈迦如来坐像右反面相』。
 土門さんは、
 天下第一の美男であると
 この釈迦如来坐像を絶賛しておられたそうです。
 けれど、その美しさゆえに、
 撮るのは実に容易である――
 どの角度から撮っても素晴らしくて、
 そのため、却って納得できる写真を撮り得なかった……
 と嘆いてもおられたとか。

 戦中戦後、物資が不足し、旅行も楽ではなかった時代に、
 土門さんと助手さんたちは、
 大型のカメラを担ぎ、
 乾板をリュックに入れて背負い、
 冬の凍てつく山道を、
 炎天下の峠を越え、
 『巡礼』を重ねました。

  

 夢美術館の『古寺巡礼』展で、
 土門さんの作品に惚れちゃった御方は、
 山形県酒田市にあります《土門拳記念館》さんへ、ぜひ!
 土門さんの全作品70.000点が収蔵されているのだそうですよ~!

「おォッ! ゆきたいィでス!」
「ぐるるるるがる!」(←訳:大っきな美術館!)

 八王子市夢美術館の休館日は毎月曜日
 (祝日の場合は開館し翌日が休館)、
 土曜日には小中学生さんは観覧無料となります♪

「まッてるでスよゥ♪」
「がるる~♪」(←訳:来てね~♪)

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アートかわら版(ルネサンス編?)。

2011-09-15 23:25:55 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 皆さま、9月なのに、夏バテになっちゃっていませんか?
 私ネーさは、この夏もう何度目か分からない夏バテです!

「こんにちわゥ、テディちゃでスゥ!」
「がるる!がうるるるぐるぐる!」(←訳:虎です!みんなバテバテかも!)

 涼しい秋、芸術の秋を呼ぶために、
 本日の読書タイムは……芸術界の超大御所に登場願うことといたしましょう。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  


 
            ―― ルネサンス画人伝 ――


 
 著者はジョルジョ・ヴァザーリさん、原著は1550年に、
 日本語訳版は第一版が1982年に、画像の新装版は2009年11月に発行されました。
 訳者は、平川佑弘さん、小谷年司さん、田中英道さん、
 “近代的な美術評論はここから始まった!”
 と申し上げても過言ではない、
 伝説の名著が、この御本ですー!

「むむッ! おもいィッ!」
「ぐるがる!」(←訳:分厚いっ!)

 ええ、この御本、 重量級、ですわね。
 でも、それも当然だと言えましょう。
 ジョルジョ・ヴァザーリさん(1511~1574)の著作
 『画家・彫刻家・建築家列伝』は
 しつこいようですが、ルネサンス期の芸術家さんを語る際には必須の、
 美術の教科書、美術史の基礎教本であって、
 16世紀の美術を評論する上では欠かせない書物です。
 この御本は、『画人伝』の題名通り、
 画家さんに関する評伝を集めたものなのですけれど……
 ホントに重たいです!
 内容も、きっと重量級、ヘヴィ級だわ! 

「かたこりそうゥッ!」
「ぐるがるるー!」(←訳:難しそうー!)

 私ネーさも、同じように考えました。
 現代最高の美術研究家さんたちも参考にするほどの、
 ヴァザーリさんの『列伝』、
 きっと難解なんだろうな~、と。

 ところが、です。
 ページを捲ってゆけば、
 
 ……あら?
 軽い?

 ヘヴィ級というよりも、
 軽やかなこのステップは、バンタム級?
 エッジをきかせた“分析パンチ”はライト級?
 
「ちょうのようにィ、まいッ、はちのようにィ、さすゥ!」
「ぐるぐるるるるがるるーる!」(←訳:上から目線評論でもないしー!)

 真面目、ではあるんですよ。
 ですが全体の雰囲気が、どこかPOPで、
 どこかスノビッシュ、なんですね。
 画家さんたちを論じるのに、
 身構えたり、緊張してはいないんです。

 いったい、それはなぜ?
 幾度か読み返してゆくうちに、
 ヴァザーリさんの『軽さ』のワケが、見えてきます。

 そう、ヴァザーリさんが論じたのは、
 人類史に残る天才レオナルドや、
 画聖ミケランジェロではなく、
 ほんのちょっと前、
 数年前まで元気でガンガン描きまくってた
 ご近所の絵描きおじさんたち、だったのでした。

 20世紀や21世紀の常識・概念から脱け出せない私たちとは違い、
 ヴァザーリさんは遠慮なく、
 ご近所の画家おじさんたちの噂話を拾い集めます。
 美術作品に対する当時の世評や反応も、
 律儀に記してゆくのです。

「ふむふむッ、こうきしんのォ、かたまりィ!」
「がるるぐるるがるるぐる!」(←訳:書かずにいられない噂話マニア!)

 ヴァザーリさん自身、画家であり、建築家でもありました。
 ですから、噂話にふけっていても、
 目線はむしろ優しく、
 同情と共感に満ちたものとなっています。

 レオナルド、
 ジョット、
 ボッティチェルリ、
 デラ・フランチェスカ、
 フィリッポ・リッピ、
 ジョルジョーネ、
 ラファエロ……

 彼らに向ける、気負いのない眼差し。

 500年近くも昔の、
 けれど不思議と色褪せない《アートな噂話》、
 アート好きさんは、ぜひ一読を!

「げいじゅつのォ、あきィ~♪」
「がるるるぐるがるぐるる!」(←訳:先取り気分で読んじゃおう!)
 
 
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秋なので、フェアなのです♪

2011-09-14 23:13:33 | くま
「きゃほほいィッ♪
 こんにちわゥ、テディちゃでスゥ~♪」
「がるる~♪ぐるる~るる♪」(←訳:虎です~♪フェアです~♪)

 ……こんにちは、ネーさです。
 そうです、フェアです。
 半年に一度の、あの!フェアの季節がやってまいりました♪
 なんのフェア?って、
 それはもちろん、こんなフェアですよ~!!

  

 じゃじゃじゃじゃーん!

 コンビニエンスストアの『ローソン』さんにて9月13日から開催中の、
 《秋のリラックマフェア》!

 第8弾となる今回は、
 チョコレート&コーヒーがテーマみたいですね♪
 
「わぽッ♪ しょこらッ!」
「ぐるがるるるぐるぐるー!」(←訳:秋らしいお菓子だね!)

 ↑上の画像は、
 ローソン限定リラックマオリジナル商品、

 『チロルチョコ』さんの《カフェチロル》です♪

 その他にも、

  

 『おやつごろ。』さんの
 《チョコチップクッキーコーヒー味》♪

  

 『まごころ旬菓』さんの
 《ホワイトチョコレートモカのおもち》♪
 
  

 『おやつごろ。』さんの
 《ちょこりんこ チョコ&コーヒー》♪

 と、お店はリラックマちゃんだらけになっております!
 コーヒー飲料、キャンディ、ベーカリーのコーナーにはパンもあって
 さらに今後も順次、オリジナル商品が発売される予定だそうですよ。
 
「うほほいッ♪
 ぜんぶゥ、げッとォ、しようゥッ!」
「がるるぐるがる~♪」(←訳:おやつの嵐だ~♪)

 おっとと、待った!
 美味しいおやつもステキですが、
 今回のフェアのイチオシは、もしやこっちでは……と思わせるのが、

 《リラック米(まい)》!

「……ふァァ???」
「……ぐるがるるる~?」(←訳:……りらっくまい~??)

 ローソンさんのネットショッピングモール『ロッピー』にて
 現在予約受付中の、《リラック米》は新潟県産コシヒカリ、
 価格は¥1.980の無洗米(2㎏)なんですって♪
 限定パッケージがまぶし~いわね!
 お米以外にも、ネットでのみ販売のリラックマちゃんグッズは
 たくさんありますので、
 詳細は、ローソンさん各店舗で配布されているこちらの↓
 
  

 カタログか、
 もしくはローソンさんのHPで!

「ふァいィ~♪」
「がる~♪」

 また、対象のお菓子2個を購入すると先着で
 リラックマちゃんのオリジナルファイルが貰えちゃいます。
 コレクターさんは、お早目に!

 それにしても、お店でちょっとビックリすることがありましたよ。
 ギャルソンエプロンをきりりと締めた飲食店業種のカッコいいおにいさんたちが、
 リラックマちゃんのお菓子やファイルが飾られたコーナーの前で、
 『あっ、可愛い!』
 と、笑顔になっているではありませんか!
 んまあ!
 リラックマちゃん、男性にも人気があるんですね!

「きゃわゆいィのはァ、わんだほーでスゥ!」
「がるるるるぐるる!」(←訳:キャラグッズは偉大なり!)

 皆さまも、ふんわかゆるゆるキャラちゃんの力で、どうぞ笑顔に!

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麗しの四季、いずこ?

2011-09-13 23:15:22 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 9月ににしては厳し過ぎる残暑ですねー、ふはー。

「こんにちわゥ、テディちゃでスッ!」
「がるる!ぐるるるがるぐる!」(←訳:虎です!蝉くんがやたらと元気!)

 本日ご紹介いたしますのは、
 ……残暑の原因って、もしかして、これっ??
 と、考えてしまうこと必至の一冊です。
 さあ、覚悟を決めたら、こちらを、どうぞ~!

  


 
              ―― 世界史を変えた異常気象 ――



 著者は田家康(たんげ・やすし)さん、2011年8月に発行されました。
 副題に『エルニーニョから歴史を読み解く』とあります。
 
「えるにーにょッ!
 テディちゃ、きいたことォあるでスよッ!」
「ぐるがるがるる~?」(←訳:スペイン語かな~?)

 ええ、『エルニーニョ』とはスペイン語で『男の子』、
 対して『ラニーニャ』は『女の子』の意味を持つ言葉ですね。
 大雑把に言っちゃいますと、
 『エルニーニョ』はペルー沖を中心とする東太平洋で海水温度が上昇する現象、
 『ラニーニャ』は東太平洋の赤道付近で海水温度が低下する現象、です。

 世界を巡る海流の水温の変化は、
 地球全域規模の気候変動をもたらす――
 近年、気象学上ではほぼ常識となり、
 TVやネットのニュースでも
 今年はエルニーニョ現象が……などと
 普通に報道されるようになりましたね。

 この御本では、
 エルニーニョやラニーニャが現実にどのような『異常』『異変』を起こしたのか、
 その『異変』の波が歴史にどう作用していったのかが
 分かりやすく解き明かされています。
 
「むむゥ!
 せかいをォ、かえるゥ、いじょうきしょゥ……ッ!」
「ぐるるーがるぐるるる!」(←訳:エルニーニョって怖い!)

 第一章では
 インカ帝国を征服したピサロ一行と当時のエルニーニョ現象、
 第二章では
 絶海の孤島・イースター島と海流の係わり、
 第三章では
 19世紀にインドや中国を襲った干ばつとエルニーニョ、
 そして英国人科学者によってようやく始まった気象観測、
 第四章では
 モスクワへ侵攻したナチスドイツ軍を
 文字通り凍りつかせた大寒波、
 第五章では
 エルニーニョと世界的な食糧危機の問題……。

 ううむ、ホントに怖ろしいものですね!
 ペルー沖なんて日本からは遠いんだから~なんて
 知らぬふりは出来ません。
 
「たいふゥ、こわいィッ!」
「がるぐるるるがる!」(←訳:大寒波も怖いよ!)

 異常気象が、
 インカ帝国の滅亡を早めた……
 ロシア領土からナチスドイツ軍が撤退するきっかけになった……
 投機による食糧価格の高騰を招いた……

 海流から始まる、大きな《変化》のうねりは、
 いったいこの先、どこへ向かうのだろうかと、
 考えさせられる御本です。

 世界史、もちろん日本史のマニアさんも、
 サスペンスフルな気候観測考察の扉を
 ぜひノックされたし!

「のどかなァ、おてんきィがァ、いちばんッ!でスよゥ!」
「がるがるぐるるーがるるぐる!」(←訳:穏やかな秋が来ますように!)
 
 
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~ 虹と、夢のツールへ ~

2011-09-12 23:06:01 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 先日の、9月9日は9が重なって縁起の良い“重陽の節句”でしたが、
 今日はお月見!中秋の名月ですね!

「こんにちわゥ、テディちゃでスゥ!
 もぐもぐゥ! つきよりィ、だんごッ♪」
「ぐるる!がるがるるるぐるがる♪」(←訳:虎です!ボクもお団子がいいです♪)

 ……粋を解さないお団子フリークも引き連れて、
 さあ、本日も、読書タ~イムですよ♪
 十五夜お月さんに見守られながら、こちらを、どうぞ~!

  


 
               ―― サヴァイヴ ――


 
 著者は近藤史恵さん、2011年6月に発行されました。
 第10回大藪春彦賞を受賞した名作『サクリファイス』、
 その続編にあたる『エデン』と、
 高い人気を誇る近藤さんのロードレース作品シリーズの第3冊目が、この御本です!

 ああ、ロードレース……!(←ネーさ、どっと溜め息)

「むッ?
 どしたのォでスかッ??」
「ぐるがるるぐるるがるる?」(←訳:お団子食べ過ぎたの?)

 いいえ、この嘆きはお団子のせいではありません。
 時間にして、ほんの一日前、9月11日、
 スペインで開催されていた『ブエルタ・ア・エスパーニャ2011』が
 最終ステージを迎え、閉幕いたしました……
 これで、今年の3大ツールレース――
 イタリアを走る『ジロ・ディ・イタリア』、
 フランスを走る『ツール・ド・フランス』、
 スペインを走る『ブエルタ・ア・エスパーニャ』の、
 グランツールと称される三つのロードレース大会が終了してしまったのです。
 ああ、寂しい~!!

「……ふァ~」
「……がる~」

 2011の『ツール・ド・フランス』は波乱万丈、
 そして『ブエルタ・ア・エスパーニャ』も、大波乱といってよい展開でしたよ!
 開幕前、総合優勝候補にあげられていた強豪さんたちは、
 もう優勝できそうにないし疲れたからパスね~とか、
 世界選手権の準備があるから~とか、
 次々と途中で棄権しちゃったのでした……!
 本気なのっ?!?と私ネーさが呆れてここ日本からツッコミを入れるのをヨソに、
 残った選手さんたちは頑張りましたわ!
 
 総合優勝を遂げ、
 王者の証しである真っ赤なジャージ『マイヨ・ロホ』を、
 レース最終地マドリッドでフェリペ王子から手渡されたのは
 地元スペイン出身の、ファンホセ・コーボさん!
 おめでとうございます!

「おめでとうッ!」
「がるぐるるー!」(←訳:おめでとうー!)

 そして、私たちジャポネにとって嬉しいニュースが!
 『スキルシマノ』チームに所属し、
 日本人として初めて『ブエルタ・ア・エスパーニャ』に参戦した
 土井雪広さんは苛酷な3週間のレースを完走!
 幾つものステージで見せ場を作り、
 チームのエースさんのステージ優勝にも貢献しました!

「おおおォッ!すごいッ!」
「がるるるるー!」(←訳:素晴らしいー!)

 これって画期的なことなのよ!
 グランツールに出走できる選手は、約200名。
 その200名は世界のトップ――選ばれた精鋭中の精鋭さん、なのです。
 彼らに伍して一歩も退かず、
 峠を越え、急峻な坂を駆け下り、
 平地を矢のように疾走する……!

「きゃッこいィ~ッ!!」
「がるがるーっ!」(←訳:行け行けーっ!)

 えー、長い脱線となりましたが、
 話を無理に引き戻しますと、
 この御本の主人公さんたちも、
 魂を自転車競技にもってゆかれてしまったアスリートさんたちです。
 走る、走る、
 それだけのために、総てをなげ打ち、
 普通の生活なんてモノを諦めてまでも、
 彼らが求めるゴールとは――

 サヴァイヴ。
 長いグランツールを闘いぬき、生き延び抜き、
 《勝者》となること。
 
 自転車競技を愛する方々、
 初心者さんにもマニアさんにも激おすすめの一冊です。
 ぜひ~!

「ふゥッ!
 らいねんのォ、つーるまでェ、せんしゅさんたちはァ、ひとやすみィ!」
「ぐるがるるぐるるがる!」(←訳:ゆっくり休養だね!)

 いいえ!
 もうすぐコペンハーゲンで世界選手権が行われますよ!
 今年は誰が、どの国が獲るのかしら?
 選手の皆さんに、幸運を!
 
 
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パイオニア、ここにあり。

2011-09-11 23:12:26 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今日は9月11日……
 あの日から、六か月――半年が過ぎました……。

「こんにちわゥ、テディちゃでス!」
「ぐるる!がるぐるがる!」(←訳:虎です!もう6ヶ月!)

 震災、そして、つい先日の台風による災害……
 私たちが、こうべを深く垂れ、祈りを捧げなければならぬ日々は
 まだまだ続くようです……。
 被害に遭われた方々に、あらためて心より御見舞い申し上げますとともに、
 一日も早い復旧復興を、
 また、皆さま方の傷が癒える日の訪れを願っております。

 本日ご紹介いたしますのは、
 《癒やす》《治す》という行為に
 真正面から、全力をもって取り組んだ或る人物のものがたり、です。
 或いは《医療のパイオニア》と呼ぶべきそのひととは――
 さあ、こちらを、どうぞ!

  


 
              ―― 医の旅路はるか ――


 
 著者は服部忠弘さん、2011年6月に発行されました。
 副題に『曲直瀬道三とその師 田代三喜 篇』とあります。
 曲直瀬道三(まなせ・どうざん)、
 田代三喜(たしろ・さんき)、と聞いても、たぶん大概の方々は……

「えッとォ? だれェでスかァ??」
「ぐるがるがるるる~?」(←訳:知らない名前だなあ~?)

 といった反応をするのが、ごく普通でしょうね。
 ただ、一部の歴史マニアさんは、
 曲直瀬道三さんの名を、お聞き及びかもしれません。

 織田、豊臣、徳川――三人の天下人に仕えたお医者さん、であると。

「ほほゥ、どくたーでスかッ!」
「がるぐるぐるるるがるがるる!」(←訳:きっと偉いお医者さんなんだね!)

 偉い、というよりは、
 大したものだ、と感服感心してしまうお医者さんが、
 田代さんと曲直瀬さん、でした。

 織田信長さんたちの時代、それはつまり戦国時代、でもあるわけです。
 生き延びる、
 普通に生きる、
 そんなことが非常に難しかった時代に、
 田代さんは危険を顧みず大陸に渡り、
 明(みん)の最新医学知識を持ち帰りました。
 その知識を受け継ぎ、
 さらに発展させていったのが曲直瀬さん、なんです。

 室町時代後期の当時、
 お医者さんは『医師(くすし)』と呼ばれ、
 医療行為に携わっていました。
 でも、
 『お医者さんに診てもらえる』
 そんな贅沢ができるひとは、
 貴族さまか、余っ程のお金持ちに限られていたのです。

 田代医師、そして曲直瀬医師は、
 医療から“壁”を取り払おうとしました。

「おおッ、さんせいィッ!」
「がるる!」(←訳:良いね!)

 昔ながらの習わし通り、皇族様方を診察して、
 しかし、お武家さんたちも診察して、
 商人さんたち、
 さらには一般庶民さんたちも診察する――

 権力者に振り回されたり、
 戦禍から必死に逃れつつも、
 険しい坂道を登るようにして、
 近代につながる医術、医療を開拓してゆく医師さんたち。

 この御本は、小説つまりフィクションではありますけれど、
 文章の向こうに、
 病という災厄から人を救おうとした黎明期のドクターの輪郭が
 浮かび上がってくるかのようです。
 
「たよりになるゥ、おいしゃさんッ!」
「ぐるるがるるーがるぐるる!」(←訳:いてくれると、心強いよね!)

 あまり知られていない《医》の匠の年代記、
 日本史マニアさんは、ぜひ!
 震災の日、いのちを救おう!と尽力したすべての人々に想い馳せつつ……。
 
 
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