テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《お殿さま》たちの禍福 ~

2021-09-20 23:23:05 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぐすんッ、あうあううゥ~」
「がるる!ぐる~る!」(←訳:虎です!うわ~ん!)

 こんにちは、ネーさです。
 大河ドラマ『青天を衝け』9月19日の放送で、
 土方歳三さんは旅立ってしまわれました……
 涙また涙で見送りながら、
 本日の読書タイムは、
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
  ―― 殿様は《明治》をどう生きたのか ――



 著者は河合敦(かわい・あつし)さん、
 2021年1月に発行されました。
 江戸から明治へ――
 大変革期を生き抜いた《お殿さま》たちの記録です。

「ふゥ~…いきのびるゥのもォ~」
「ぐるるるがるる~…」(←訳:タイヘンでした~…)

 ドラマの中で
 土方さんも言ってらしたわね。
 ここで生命を捨てず、
 生きてゆく方が
 つらいかもしれない、と。

 この御本で取り上げられているのは、
 “生きる“方の選択をし、
 倒幕運動、維新、明治政府発足、
 と続く難局を乗り越えるべく
 奮戦奮闘した
 14人の《お殿さま》。

「あッ! いましたでスゥ!」
「がるるるぐる!」(←訳:民部公子さま!)

 徳川将軍の名代として渡欧、
 パリの新聞には
 『プリンス・トクガワ』と紹介された
 民部公子こと
 徳川昭武(とくがわ・あきたけ)さん(1853~1910)。

 ドラマの準主役とさえ言えそうな、
 重要な役どころの若殿さまは、
 フランスから帰国後、
 どのような日々を送ったのか……

「まいにちがァ、あらしィ?」
「ぐるがるる?」(←訳:逆風だらけ?)

 次代将軍と見込まれ、
 ゆえに『プリンス』と呼ばれた昭武さん、
 兄・慶喜さんと同じく、
 新政府によって、
 地位も、
 領地も、奪われてしまいますけれども。

 悲劇一色の人生、
 ではなかったようです。

 維新の混乱が収束してのち、
 明治9年(1876年)には
 フィラデルフィア万博の
 御用掛に任ぜられ、渡米。

 任を無事に果たした後は、
 大西洋を渡って英国へ、
 そして、フランスへ。

「なつかしのォ、ふらんすゥ!」
「がるるる!」(←訳:再留学だ!)

 再びのパリで学校に通って、
 甥の篤敬(あつよし)さんと一緒に、
 供もつれず
 中部ヨーロッパを旅する
 《自由》な時間。

 4年に及んだ長期の留学は、
 何ものにも代えられぬ
 経験であったことでしょう。

「もしもォ、おとのさまァだッたらァ~…」
「ぐるるるるっるがる?」(←訳:味わえなかった幸福?)

 新時代に適応できた《お殿さま》、
 適応のチャンスすら
 与えられなかった《お殿さま》。

 第一章『維新の波に抗った若き藩主たち』
 第二章『最後の将軍・徳川慶喜に翻弄された殿さま』
 第三章『育ちの良さを生かして明治に活躍』

 という3つの章で描かれる
 《お殿さま》たちの“その後“を、
 『青天を衝け』ファンの方々、
 歴史好きな活字マニアさんは、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 
 
 
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~ トンデモな未来を探せ! ~

2021-09-19 22:34:33 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 たうふうゥいッかァ、でしたでス!」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!秋空だね!)

 こんにちは、ネーさです。
 風にも空気にも、
 ついでにお肌にも、
 秋の気配を感じながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、ぷふふっと笑えるこちらの御本を、
 さあ、どうぞ~♪

  


 
    ―― リトル・グリーンメン ――



 著者はクリストファー・バックリーさん、
 原著は1999年に、
 日本語版は2021年5月に発行されました。
 英語原題は『LITTLE GREEN MEN』、
 『《MJ-12》の策謀』と日本語副題が付されています。

「……あやしいィ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:題名が怪しいよ!)

 そうね、怪しいわよね、
 『リトル・グリーンメン』といえば、
 映画『トイ・ストーリー』に登場する
 緑色の宇宙人のお人形……

 いえ、もともと、
 『リトル・グリーンメン』というのは
 英語の慣用句であって。
 
 遊び半分で、
 『火星人』や『宇宙人』を
 『緑色の小さなヒト』と言い表したり。

 或いは酒場で、
 『なんか俺、ちっちゃな緑色の人間が見えるんだけど?』
 『そりゃ飲み過ぎなんだよ』
 という会話があったり。

 まあつまり、
 普通ではない出来事や
 酔っぱらいにつきものの言葉として、
 『緑色の小さなヒト』やら
 『ピンクの象』
 を使ったりするのですが。

「むむゥ! ではァ、このひとォもォ~…?」
「がっるるる?」(←訳:酔っ払い中?)

 物語は、
 米国の首都ワシントンの
 TVスタジオから始まります。

 ジョン・O・バニオンさんは、
 引く手あまたの売れっ子パーソナリティ。
 高視聴率を誇り、
 視聴者さんにも
 スポンサー企業さんにも好評の
 日曜朝の対談番組『サンデー』で
 番組ホストを務めています。

「きょうのォ、げすとォはァ~…わわわッ!」
「ぐるる!!」(←訳:大統領!!)

 ゲストが大統領であろうと、
 バニオンさんの舌鋒は鈍りません。

 政治の日程や、
 巨額な事業予算、
 技術開発など
 ビシバシと追及してゆきます。

「だいとうりょうゥさんもォ、ひやあせッ!」」
「がるぐる!」(←訳:形勢悪し!)

 自国の最高権力者までも手玉に取って、
 ああ良い気分♪
 と、バニオンさんは浮かれます。

 そう、
 一流大学を出て、
 名門のお嬢様と結婚し、
 アタマも切れる彼は、
 ワシントンという魔界を
 上手に泳ぎ渡ってきたのでした。

 今までは……!

「ひたひたとォ、しのびよるゥ~…」
「ぐるる!」(←訳:魔の手!)

 実は、ワシントンにはもうひとつ、
 魔界が存在するのです。

 それは、
 諜報部員たちが暗躍する、
 目には見えない世界。

 《MJ(マジェスティック)-12》は
 政府内でも極秘扱いの組織で、
 主な任務というのが……

 未確認飛行物体の目撃情報を創作し、

 ロズウェルでの空飛ぶ円盤墜落事故を偽装し、

 エイリアンによる誘拐事件をでっちあげる、

 等々の、
 トンデモな所業です。

「ふァ~…」
「がる~…」

 大統領をやり込めたバニオンさんは、
 あらまあ、新たなターゲットとして
 《MJ-12》の職員さんに
 目を付けられてしまいました。

 かくして、
 優雅に陽の当たる道を歩んできたバニオンさんは、
 トンデモな事件に巻き込まれ……?

「おおさわぎィでスよゥ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:首都は大混乱に!)

 さながら
 『文藝春秋』vs.『月刊ム―』的な争乱の、
 渦の中心に佇むバニオンさん。

 はたして、
 彼の人生航路の行く先は。
 名声は、
 地位は、
 どうなってしまうのでしょう。

「いがいィにもォ~」
「がるぐるがるるるるる!」(←訳:暗いとは限らないかも!)

 クスクス笑ったり、
 呆気に取られたりする
 バニオンさんの“大冒険“譚を、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 
 
  
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~ 鉄道写真と、アニメーション ~

2021-09-18 23:17:55 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 れんきゅうゥ~なのでスゥ~♪♫」
「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!出発進行~!)

 こんにちは、ネーさです。
 連休の読書タイムは、
 前回からの流れで、
 テーマは列車……?
 何はともあれ、こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

 


 
    ―― 昭和のアニメ奮闘記 ――
 

 
 著者は南正時(みなみ・まさとき)さん、
 2021年6月に発行されました。
 『伝説のアニメーターたちが若かりし頃の物語』
 と副題が付されています。

「ふァ? あにめェ?」
「ぐるがるぐぅるるる~!」(←訳:列車ネタじゃないよ~!)

 ええ、前回記事では
 櫻井寛さん著《オリエント急行》
 についてお喋りいたしました。

 アニメをテーマにしたこの御本とは、
 全くつながりが無い……ように見えますが、
 実は、著者・南さんのご職業は、

 鉄道写真家さん!

「おおッ?」
「がるるっる!」(←訳:つながった!)

 南さんが鉄道写真家として
 デビューすることになったきっかけは、
 アニメにありました。

 アニメーション制作会社『Aプロ』の
 スタッフであった南さん、
 『週刊漫画アクション』編集者さんが
 取材で訪れた折、
 スタジオを案内したのです。

 それはちょうど、
 『ルパン三世』制作中のことで。

「わわわッ! るぱんッ!」
「ぐるるる~!」(←訳:羨ましい~!)

 そうよね、私たちなら、
 ルパンの制作現場!と
 舞い上がってしまうところですけれども、
 編集者さんが眼を留めたのは。

 机の上の、
 数枚の写真。

 それは、南さんが撮影した
 蒸気機関車の写真でした。

「えすえるゥ、でスかッ?」
「がるるぐる!」(←訳:当時はレア!)

 このSLの写真、うちの口絵で連載しませんか?

 編集者さんから切り出され、
 『週刊漫画アクション』に載った
 写真は大好評となって、
 後日、南さんは『Aプロ』を離れ、
 鉄道写真の第一人者となりました。

「おうえんッ、してくれたのはァ~…」
「ぐるがる!」(←訳:大塚さん!)

 アニメーターの
 大塚康生(おおつか・やすお)さんは、
 南さんの先輩であり、
 SL好きという点でも大先輩。

 この御本では、
 大塚さんへの敬愛をこめつつ、
 南さんとアニメーション映画の出会い、
 上京してアニメ界に入り、
 『巨人の星』
 『ムーミン』
 『ルパン三世』
 『長靴下のピッピ』
 などの作品制作に係わった経緯や、
 当時の思い出が語られています。

 そして、後半には、
 もうひとり、
 機関車マニアさんが……?

「たかはたァさんッ?」
「がっるるぐるがる?」(←訳:やっぱりSL好き?)

 本文161ページには、
 高畑勲さんが著した
 『何を隠そう』
 という文章が収録されています。

 高畑勲さんもSL愛好家だったの!と、
 驚かされたこの文章には、
 熱い鉄道愛が詰まってますよ♪

「あにめェたァ~さんはァ~」
「ぐるがるぐる!」(←訳:ほぼSL好き!)

 昭和の時代の日本のアニメーション、
 国内外のアニメーターさんたちの
 功績にも触れた《奮戦》の記録は、
 アニメ好きな方々に、
 スタジオジブリのファンの方々にも
 おすすめですよ。
 もちろん、
 SL好きな御方も、
 ぜひ、一読してみてくださいね♪


 
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~ 古き佳き日の《オリエント急行》で ~

2021-09-17 22:25:16 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぽわろォさんッ、ありがとうゥなのでスゥ~!」
「がるる!ぐるるっる~!」(←訳:虎です!面白かった~!)

 こんにちは、ネーさです。
 先週9月11日、BSプレミアムの
 《名探偵ポワロ》シリーズは
 最終回を迎えました……
 そこで本日の読書タイムは、
 およそ1年と3か月の間、
 数多の名推理を披露してくれたポワロさんに
 感謝の気持ちをこめて、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  


 
      ―― オリエント急行 ――



 著者は櫻井寛(さくらい・かん)さん、
 2021年7月に発行されました。
 『究極の豪華寝台列車のすべて』と
 副題が付されています。

「めいさくのォ、ぶたいィ!」
「ぐるるるるるがるる!」(←訳:ポワロさんの独壇場!)

 《オリエント急行》は、
 1883年に誕生しました。

 その頃、日本は明治16年。
 著者・櫻井さんによれば、
 東海道本線さえ全線開業していなかった、
 とのことですが。

 ヨーロッパからアジアへ直通する
 初めての列車、
 しかも超豪華な内装を施した
 国際寝台列車でしたから、
 《オリエント急行》が
 世の注目を集めない訳はありませんよね。

「おきゃくさまもォ、ごうかァでス!」
「がるるぐるる!」(←訳:王様に大富豪!)

 ルーマニアやギリシャ、ブルガリアなど
 各国の王族、
 大富豪、外交官、官僚、芸術家が常連となった
 《オリエント急行》の黄金時代は、
 第一次世界大戦後でした。

 アガサ・クリスティーさん著
 『オリエント急行の殺人』が刊行されたのも
 1934年――
 まさに《オリエント急行》全盛期にあたります。

「ではァ、そろそろォ!」
「ぐるるるるるぅる!」(←訳:乗り込みましょう!)

 この御本では、
 『箱根ラリック美術館』の
 《オリエント急行》車両の紹介に始まり、

 第1章『VSOE』では
 ロンドン~ベニス間の《オリエント急行》の旅、

 第2章『プルマン』では
 英国のロンドン~バース間の旅、

 第3章『F&O』では
 バンコク~シンガポール間の
 《イースタン&オリエンタル・エクスプレス》の旅、

 と、3つの旅が語られています。

 その中でも、
 最も華やかで、
 貴重でもあるのが、
 第1章のロンドン~ベニス路線でしょう。

「きちょうゥ?」
「がるるるぐるがる?」(←訳:どうして貴重なの?)

 なぜ貴重なのかというと、
 著者・櫻井さんが旅をした時と、
 2021年現在では、
 路線は同じでも内容が違っているのです。

 ヴィクトリア駅発→
 フォークストン駅で高速船に乗り換え→
 ドーバー海峡を渡り→
 フランスのブローニュ・マリティム駅で寝台列車に→
 パリを経由→ベニス着

 という櫻井さんの旅程に対し、
 旅行会社のHPに掲載されている
 現在の旅程は、

 フォークストンでVIPバスに乗り換え→
 ドーバートンネルを通って→
 パリで寝台列車に乗り込み→ベニス着。

「むむむゥ! とんねるゥよりもォ~」
「ぐるがるるぐるるる!」(←訳:船で海峡を渡りたい!)

 また、
 旅程の差もさりながら、
 この御本で読み逃せない点は、
 一度は消滅した《オリエント急行》復活の立役者、
 ジェームズ・B・シャーウッドさんについての
 記述です。

 チビッ子時代から乗り物が大好きな
 シャーウッドさん(1933~2020)は、
 大金持ちの海運王。

 古い寝台列車車両を買ったことを機に、
 散逸していた車両を買い集め、
 30億円の私財を投じて
 往時の内装を復元!
 あげく、
 廃止されていた
 《オリエント急行》そのものを
 復活させちゃった……!

「まにあァでスゥ!」
「がるるる!」(←訳:鉄ヲタだ!)

 真の鉄道マニアって
 こういう人なんだわ……と
 震撼し感激もさせられる
 ”鉄道の夢”と”夢の鉄道”。

 名探偵ポワロ&クリスティーさんの
 ファンの方々に、
 鉄道大好き!な方々に、
 おすすめの一冊です。
 ぜひ手に取って、
 夢の世界を望見してみてくださいね~♪




 
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~ 化石のようで、化石じゃなくて? ~

2021-09-16 22:10:35 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うちゅうゥがァ、ちかくゥなりましたでスゥ!」
「がるる!ぐるるるがる~!」(←訳:虎です!打ち上げ成功~!)

 こんにちは、ネーさです。
 スペースX社による新たなミッションは、
 民間人のみの地球周回旅行!
 自動操縦で3日間の旅!……って、
 SFの世界が刻一刻と現実のものになってゆくなあ♪
 と感激しながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  
 


     ―― 生きている化石図鑑 ――



 監修は芝原暁彦さん、著者は土屋健さん、
 絵はACTOWさん、
 2021年6月に発行されました。
 『Living Fossil』と英語題名が、
 『すばらしき《名品》生物たち』と
 日本語副題が付されています。

「それはァ、もッちろんッ!」
「ぐーるるるる!」(←訳:シーラカンス!)

 ええ、そうですね、
 《生きている化石》といったら、
 まず大勢の人が思い浮かべるのは
 シーラカンスくんでしょう。

 ただ、いわゆるシーラカンス――
 学名『ラティメリア・カラムナエ』は、
 太古からずっとそのままの姿で生きてきた、
 のではなく。

  中生代白亜紀~ジュラ紀
  (一億4500万年前~)にかけて
  ヨーロッパの海にいた
  『マクロボマ』という魚の化石にそっくり!

 であったために、
 《生きている化石》
 なんて呼ばれる事態になったんです。

「そッくりィ、でスかァ~…」
「がるぐるるがる?」(←訳:でも微妙に違う?)

 というように、
 《生きている化石》とは、
 
 《祖先や
  その近縁種に似た姿を持ちながらも
  生きている生物》

 を指します。

 では、シーラカンスくんのような
 《生きている化石》は
 私たちの周辺にもいるのでしょうか?

「たとえばァ~…おうむがいィ!」
「ぐる!」(←訳:肺魚!)

 オウムガイの仲間は中生代の、
 肺魚の仲間は古生代デボン紀の
 化石から確認されていますが、
 現代日本の私たちにとって
 最も身近な
 《生きている化石》は……

 二ホンアマガエル!

「ふァ?」
「がるるぅ??」(←訳:カエルぅ??)

 カエルの仲間は、
 中生代ジュラ紀(約1億8300万年前)には
 既に現代のカエルそっくりの
 姿をしていたようです。

 すなわち、
 アマガエルくんも、
 ウシガエルくんも、
 ヒキガエルくんも、
 立派な《生きている化石》。

 いえ、カエルくんたちの他にも、
 意外な
 《生きている化石》が……!

「むむッ! こんなにィ?」
「ぐるるる!」(←訳:ぞろぞろ!)

 たとえば、
 サソリ。

 たとえば、
 アメリカアリゲーター。

 たとえば、
 カモノハシ。

 オポッサムも、
 ホホジロザメも、
 ゴマフアザラシも、
 植物のイチョウも、
 み~んな《生きている化石》!

「さそりィ?」
「がるるるる!」(←訳:カモノハシ!)

 世代交代を繰り返しつつも、
 ご先祖さまの姿を失ってはいない
 息の長~い生物たち。

 恐竜の時代から、
 もっともっと古い時代から、
 地球に存在する《生命》の歴史図鑑は、
 理系ノンフィクション好きな
 活字マニアさんにおすすめですよ。

 翼竜類の翼の比較、
 アンモナイト類の栄華の歴史、
 絶滅現象をテーマにした
 巻末のコラムなどは
 歴史好きな方々も楽しめます。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪
 
 
 
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続々・元vs.現役、バトルの美 ~

2021-09-15 22:06:51 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 けッせんッ! せきがはらァ!」
「がるる!ぐるるるるるがる~!」(←訳:虎です!天下分け目の戦い~!)

 こんにちは、ネーさです。
 慶長5年(1600年)9月15日、美濃国関ヶ原にて
 日本の命運を決する戦いの火蓋が切って落とされました。
 その余波は現代にも尾を引き、
 今日は朝から『#関ヶ原2021』がトレンド入り♪
 踏ん張れ三成さん!島左近さん!
 と声援を送りながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらのコミック作品を、どうぞ~!

  



  ―― SAKAMOTO DAYS(サカモトデイズ) 3 ――



 著者は鈴木裕斗(すずき・ゆうと)さん、
 2021年9月に発行されました。
 『SAKAMOTO FAMILY’S DAILY LIFE』と英語題名が、
 『マシモ ヘイスケ』と巻題が付されています。

 関ヶ原の戦いが
 西軍×東軍の集団戦だったなら、
 孤高の個人戦ともいえるのが、
 《殺し屋さん》同士の戦いでしょう。

 坂本太郎(さかもと・たろう)さんは、
 かつて、
 悪党たちから恐れられ、憧れられる
 《最強の殺し屋》でした。

「いまはァ、もうゥ~」
「ぐるる!」(←訳:一般人!)

 恐ろしきは、
 一目惚れ。

 そう、坂本さんてば、
 恋をして、
 引退して結婚して、
 殺し屋生活から足を洗ってしまったんですね。

 もひとつついでに、
 坂本さん、
 太っちゃいました。

「ぷッくりィ!」
「がるぐる!」(←訳:幸せ太り!)

 ぷっくり太った坂本さんのもとへ、
 彼の引退を快く思わぬ暗黒街のボスたちは
 次々と刺客を送り込みます。

 恋だの引退だの、
 勝手な行動は許さない!とね。

「でもォ、さかもとォさんはァ~」
「ぐ~るがる!」(←訳:軽~く撃退!)

 第1巻を御紹介したときにも
 ちょっと触れたのですが、
 坂本さんの物語は、
 ある俳優さんを想わせます。

 その俳優さんとは、
 キアヌ・リーヴスさん。

 第1巻『伝説の殺し屋』のストーリーは、
 さながら、
 キアヌさんが殺し屋を演じた
 『ジョン・ウィック』。

 第2巻『ハードボイルド』は、
 アクション・スターとしての
 キアヌさんの魅力があふれる
 『スピード』。

 そして、この第3巻は、
 キアヌさんの名を不動のものにした
 SF映画『マトリックス』……!

「きんじつゥ~こうかいィ!」
「がるるぐる!」(←訳:僕らのネオ!)

 ええ、そうです、
 『ジョン・ウィック』ばりのバトル、
 『スピード』ばりのアクションを経て、
 この3巻では
 『マトリックス』ばりの
 SF的要素が
 坂本さんの闘いに加味されましたよ。

 振り返れば、
 第1巻の時点で
 その兆候はあったのですが、
 ここに到って……

   正体不明の極悪人集団あらわる!
   超能力研究機関!
   マッドサイエンティストも!

 と来れば、
 SFでしょう、やはり!

「きょうりゅうゥもォ、でてきまスゥ!」
「ぐぅるるっるがーるる?」(←訳:ジュラシックワールド?)

 《最強の殺し屋》坂本さんと、
 ティラノサウルスとの激闘……!

 もうね、このシーンだけでも
 ブラボーと百回叫びたくなるわ♫

 坂本さんが、
 なぜどうしてティラノと
 デュエルすることになったのか、
 どうやって闘うのか、
 その結果は……

 どうか皆さま、御本を手に取って、
 確かめてみてくださいね。

「さかもとさんのォおはなしィもォ~」
「がるるるるぐる!」(←訳:実写映画化希望!)

  

 現在、1~3巻まで発売中の
 『SAKAMOTO DAYS』、
 アクション・コメディ・SF好きな御方は、
 ぜひ、一読を♪
 

 
 
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~ 山を、森を、走って捜せ! ~

2021-09-14 22:18:58 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふじいィさんッ、すごすぎィ~るゥ!」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!驚異の三冠!)

 こんにちは、ネーさです。
 藤井聡太三冠の偉業に拍手また拍手……
 私ネーさは藤井さんがおやつに選んだ
 『不二家』さんのカップケーキ
 《コロコロしばちゃん》にも拍手を送りました♪
 愛らしいケーキの画像にココロ和んだ後は、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



        ―― S I S ――



 著者は鳴神響一(なるかみ・きょういち)さん、
 2021年5月に発行されました。
 『Special Investigation Squad』と英語題名が、
 『丹沢湖駐在 武田晴虎』と
 日本語副題が付されています。

「たんざわこォ?」
「ぐるる~!」(←訳:近いね~!)

 神奈川県の北部、
 西丹沢の山間にある丹沢湖(たんざわこ)は、
 ここ八王子など
 東京の多摩エリアから遠くないため、
 車やバイクで
 お出掛けする方々も多いことでしょう。

 また、丹沢湖は
 三保ダム建設によって生まれた人造湖ですから、
 ダムマニアさんには
 よく知られていますよね。

「ただしィ~…」
「がるぐるるがる!」(←訳:良い意味で田舎!)

 丹沢湖からちょっと離れたところに
 私ネーさの親戚さんが住んでいるんですけど、
 ええ、本当にね、
 良い意味で
 ”山の中”なんです。

 湖では釣りができるし、
 周辺にはキャンプ場もあるし、
 展望台や遊歩道もあるし、
 マラソン大会も開催されたりするものの……
 間違っても”都会”じゃなくて。

 そんな土地柄に
 似合うのは――

「ちいさなァ、ちゅうざいじょッ!」
「ぐるっるる!」(←訳:昭和っぽく!)

 近代的な警察署よりも、
 少しレトロで
 生活感がある建物。

 それが、
 松田警察署丹沢湖駐在所です。

 その駐在所に、
 人事異動の季節でもある4月、
 新しい警察官さんが赴任してきました。

「かおはァ、こわいィでスけどォ~」
「がるるぐるるる!」(←訳:動きはキビキビ!)

 のんびりのどかな駐在所は、
 穏やかな風貌の
 ベテラン警察官さんが勤務するところ……
 とは限らぬらしく。

 新しい駐在所員さん――
 武田晴虎(たけだ・はるとら)警部補は、
 若々しく、機敏な働きぶりで、
 体力もありそうです。

 それも道理、
 実は武田さん、
 つい先日まで
 県警捜査一課特殊捜査第一係に所属する
 精鋭刑事さんでした。

「つまりィ~…」
「ぐるる!」(←訳:SIS!)

 『SIS』と呼ばれる県警特殊捜査第一係は、
 誘拐や立て籠もり事件など、
 緊急性の高い重大案件に出動する
 特別な部隊です。

 武田さんは
 思うところあって
 SIS班長の要職を辞し、
 丹沢湖駐在所へと異動してきた、
 のですが。

「のんびりィ~…のはずゥがァ??」
「がるるる!」(←訳:大事件が!)

 事件や事故の発生率が低い、
 のどかな土地で
 ”駐在のおじさん”
 を目指したつもりの武田さん。

 その目論見は、
 あっさり崩れます。

 丹沢湖近くの温泉街で、
 誘拐事件が発生……!

「あわわわわッ!」
「ぐるがるぅ!」(←訳:出動ですぅ!)

 しがない”駐在のおじさん”に
 出番は無し?

 いえいえ、
 ”駐在のおじさん”は、
 前歴で得たあらゆるスキルを活かし、
 捜査に乗り出しますよ。

「やまのォなかァでもォ!」
「がるぐる!」(←訳:夜中でも!)
「ぜんしんッあるのみィ!」

 警察小説であり、
 ハードボイルド風味も備え、
 山岳小説のスパイスも
 ピリりと効いた物語は、
 頼もしい”駐在のおじさん”に
 頑張れ~!
 とエールを送りたくなります。

 エンタ好きな活字マニアさんは、
 ぜひ、一読してみてくださいな♪
 
 
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~ 美味しい本、ここにあり ~

2021-09-13 22:07:01 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わわわゥ! びッくりィ~なのでス!」
「がるる!ぐる~るがるる!」(←訳:虎です!ポカ~ンでした!)

 こんにちは、ネーさです。
 Eテレで突然始まった番組『ワルイコあつまれ』、
 シュールで、ちょっとブラックで、笑わせてくれて、
 驚きながらも大拍手を送りましたよ♪
 第2回の放送はどうなるの?と
 さらなる驚きを期待しながら、
 さあ、読書タイムでも驚きを探すべく、
 こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
  ―― 蕎麦は食ってみなけりゃ分からない ――



 著者は石丸謙二郎(いしまる・けんじろう)さん、
 2021年7月に発行されました。
 TV番組『世界の車窓から』のナレーター、
 登山家としても知られる俳優・石丸さんは……
 大の美食家さん!?

「ぐるめェ、でスかァ~♫」
「ぐるる?」(←訳:好物は?)

 石丸さんの好物は、
 御本の題名からもお分かりのように、
 お蕎麦。

 登山を終えて、
 よし帰ろう、という場合も、
 そこが信州だったりしたら、
 もう抑えられません。

 蕎麦好きの熱いココロが、
 道路沿いに看板は出ていないかと
 目を皿にさせてしまうのです。
 その看板とは――

  《新そば入りました》。

「でスよねェ~」
「がるるる~」(←訳:探すよね~)

 また、蕎麦好きが高じて
 石丸さんがつい手を出してしまったのは。

  《そばがき》自作。

 ある日ふと、
 “そばがきはどうやって作るのだろう?”
 と疑問を感じた石丸さん、
 群馬県の道の駅で買い求めたそば粉で
 《そばがき》自作を思い立ちました。

 そば粉の袋の裏面には、
 《そばがき》の作り方が書かれていて――

「ちょうせェ~んッ!」
「ぐっるるる!」(←訳:やったるぜ!)

 気合満々!
 いざ勝負!
 ……って、これが……?

「ふゥふゥッ!」
「がる~!」(←訳:汗が~!)

 肩も腕も筋肉痛になりそうな
 ハードワークの末に、
 出来上がった《そばがき》の、お味は……?

 という、
 お蕎麦&麺類のエピソードにも増して、
 ふふふ♪と笑ってしまったのは、
 お蕎麦とは打って変わって、
 海の上での出来事?

「たいへいようゥでス!」
「ぐるるる!」(←訳:うねる波!)

 登山もするけど、
 釣り歴も長~い石丸さん。

 或る釣り番組の収録のため、
 船上の人となりました。

 狙うは、アカムツ。

 旨い!
 全身トロ!
 さかな界の王様!
 でも滅多に釣れない!

 滅多に釣れないそのアカムツを、
 TVカメラの前で
 みごと釣ってみせられるか否か、
 すべでは石丸さんの《運》に
 かかっている?

「……てごたえェ、ありィ?」
「がるぐるるるぅ!」(←訳:来いアカムツぅ!)

 はたして、
 石丸さんは高度なミッションを
 完遂することが出来るのでしょうか。

 スタッフさんたちが見守る中、
 水面近くに上がってきた魚体は……?

「はらはらッ!」
「ぐるがるるる?」(←訳:心臓バクバク?)

 海で、
 山で、
 ワインセラーで、
 石丸さんの“美食アンテナ”がピンと来たら、
 お腹が鳴る音も響きます。

 美味しいもの、ここにあり。

 読むうちに、
 お蕎麦が食べたくなること必至の
 楽しいエッセイ作品を、
 皆さま、ぜひ~♫
 
 

 
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~ 《名建築》と、港まち ~

2021-09-12 22:16:51 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 えいいちさァ~んッ、おかえりィなさいィ~!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!今日から再開だ!)

 こんにちは、ネーさです。
 大河ドラマ『青天を衝け』は、
 明治篇へと突入したようです。
 心の中では土方さ~ん!と咽び泣きつつも、
 栄一くんの今後の活躍を祈って、
 本日の読書タイムは、
 ↓こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
    ―― 横浜の名建築をめぐる旅 ――



 菅野裕子(すげの・ゆうこ)さん+恩田陸(おんだ・りく)さん、
 2021年7月に発行されました。
 近年、“住んでみたい街“ランキング上位の
 常連となっている《横浜》の、
 歴史ある建築見物へ、さあ、出発しましょう♫

「わほうゥ! おもいだしィまスゥ!」
「ぐるがるる!」(←訳:あのドラマ!)

 2020年に放送された
 『名建築で昼食を』は、
 自由学園明日館、山の上ホテル、武相荘など、
 東京に点在する名建築を訪問する、という、
 建築好きさんに大好評を博したドラマでした。

 年末に放送された特別編では、
 東京からちょっと足を延ばし、
 横浜の建築巡りをしたりして、
 それもまためっぽうステキで。

「あかれんがのォ、いろあいィ!」
「がるるるる!」(←訳:音楽堂の床!)

 この御本では、
 横浜の近代建築32作品が
 紹介されています。

 表紙を飾っている『赤レンガ倉庫』をはじめ、
 『日本郵船歴史博物館』や、
 『旧横浜銀行本店別館(元第一銀行横浜支店)』、
 『神奈川県立歴史博物館(旧横浜正銀行本店)』、
 『ラ・バンク・ド・ロア(旧露亜銀行横浜支店)』……
 あら、
 横浜って
 銀行建築の聖地でもあるのかしら?

「こちらもォ、わんだふるゥでス!」
「ぐるがる!」(←訳:王様だね!)

 キングこと
 『神奈川県庁本庁舎』、
 クイーンこと
 『横浜税関』、
 ジャックこと
 『横浜市開港記念会館』。

 《横浜三塔》と称される3つの建物は、
 美しく、それでいて個性的。
 どこを撮っても絵になって、
 細部の凝り方も半端じゃなくて。

「かいだんッ、いいなァ~…!」
「がるぐっるるるる!」(←訳:塔に上ってみたい!)

 『神奈川県立図書館・音楽堂』の
 磨かれたホールの床……
 《横浜》の代名詞にもなっている
 山手の洋館建築……

 飛行機など無かった時代、
 渋沢栄一さんのような
 海外から日本へ帰って来た留学生さんの眼に、
 或いは
 ラフカディオ・ハーンさんのような
 初めて日本を訪れる外国人さんの眼に、
 横浜の港は、建物は、
 どのように映ったのでしょうか。

「なつかしのォ、そこくぅ?」
「ぐるるるがる!」(←訳:不思議な異国!)

 建築好きな方々に、
 写真好きな方々に、
 そしてもちろん
 ヨコハマ好きな方々に
 おすすめの名建築ガイド本です。
 
 恩田陸さんと菅野裕子さんの対談も
 収録されていますので、
 巻末の『あとがき』も含め、
 読み逃さないでくださいね~♪
 
 
  
 
 
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~ 今日も、平和のために ~

2021-09-11 23:14:12 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぎんもくせいィ、よいィ~かおりィでス♪」
「がるる!ぐるるる!」(←訳:虎です!金木犀も!)

 こんにちは、ネーさです。
 銀木犀も金木犀も咲き始めて、
 お散歩が楽しくなりますね。
 本日の読書タイムは、
 多摩エリア住まいの方々には
 いっそう散歩の楽しさが増す
 こちらの御本を、どうぞ~♪

 


 
   ―― 新 謎解きはディナーのあとで ――



 著者は東側篤哉(ひがしがわ・とくや)さん、
 2021年4月に発行されました。
 《謎解きはディナーのあとで》シリーズ最新作です。

「おじょうさまッ、かえッてきましたでスゥ!」
「ぐるるるる!」(←訳:執事さんも!)

 いわゆる23区よりも西、
 東京の郊外エリアにあるのは、
 国立(くにたち)市。

 そして、
 国立市と市民さんの平和を守るべく
 日夜奮闘している
 国立署の署員さんの中に、
 ちょっとばかり異色な御方が……?

「だいふごうゥ、なのにィ~」
「がるるぐるるる!」(←訳:公務員してます!)

 宝生麗子(ほうしょう・れいこ)さんは、
 複合企業『宝生グループ』総帥の
 ひとり娘さんでありながら、
 現職の刑事さんをしています。

 今日も今日とて、
 緊急の呼び出しを受け、
 事件現場に駆けつけて、
 捜査に取り掛かろうとしたところ――

「ややッ! あのォこえェはッ??」
「ぐぐぐるぅ~!」(←訳:ううう嘘ぉ~!)
 
 我が物顔で現場に乗り付けた高級外車から
 華麗に降り立ったのは、
 白いスーツの男性。

 あれは、風祭(かざまつり)警部!
 警視庁に栄転した警部が
 どうしてここに?
 と麗子さんは慌てますが、
 追い出す訳にも行かないし……。

「おいだしィたいッ!」
「がるる!」(←訳:本気で!)

 ええ、いっそ追い出しちゃえば
 良かったのかもしれません。

 風祭警部が指揮官の座に就くや、
 現場はたちまち大混乱に?
 事情聴取も、
 現場検証も、
 なんだか上手くゆかなくて、
 捜査方針もはっきりしません。

 そんな状況ですから、
 麗子さんはつい、
 グチをこぼしてしまったんです。

 いつも自然にタキシードを着こなす
 例の人物に。

「ふァいッ! でばんでスゥ!」
「ぐるがる~!」(←訳:推理独演~!)

 宝生家の執事、
 影山(かげやま)さんに、
 謎などあってなきが如きもの。

 第一話『風祭警部の帰還』
 第二話『血文字は密室の中』
 第三話『墜落死体はどこから』
 第四話『五つの目覚まし時計』
 第五話『煙草二本分のアリバイ』

 という、5つの難事件も、
 影山さんにとっては
 赤子の手をひねるレベル?

「ちょちょいのォ、ちょいィ!」
「がるぐる!」(←訳:秒で解決!)

 影山さんの《絵解き》が始まれば、
 待ってました!
 の歓声と拍手が
 聞こえてくるような気がしますけれども、
 思うにこのシリーズは、
 日本では珍しい
 《毒舌小説》
 であると申せましょうか。

 不可解な事件現場も、
 麗子さんの地道な捜査も、
 影山さんの
 歯に衣着せぬ《毒舌》の前では、
 一気に色褪せます。

 この《毒舌》効果が意外にも心地良くて、
 影山さんの《毒舌》よ、
 もう一度――
 と思わずにいられなくなる?
 
「よのためェ、へいわのォためェ!」
「ぐるるがるぐる!」(←訳:毒舌が悪を斬る!)

 映像化するとしたら、
 やっぱり影山さんは櫻井翔さんで、
 麗子お嬢さまは北川景子さんで、
 新入りキャラさんは……?
 などと想像させられるのも、
 《謎解きはディナーのあとで》シリーズの醍醐味です。

 エンタ好きな活字マニアさん、
 ドラマファンの方々は、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪


 
 
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