テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ¨その後¨の奔走 ~

2024-09-10 22:03:21 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 しゅぱァ~ッ、しゅぱぱァ~ッ!」

「がるる!ぐるるーがるぅ!」(←訳:虎です!ベイダーパパぁ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 《スターウォーズ》でダースベイダー卿の声を演じた

 ジェームズ・アール・ジョーンズさんが旅立ちました……

 ジョーンズさんの功績に心からの拍手と感謝を送りつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  

 

 

            ―― 夏目家のそれから ――

 

 

 著者は半藤末利子(はんどう・まりこ)さん、

 2024年2月に発行されました。

 

 夏目漱石さん(1867~1916)。

 本名は、夏目金之助さん。

 近代日本文学の文豪は?と訊かれたら、

 漱石さん!

 と多くの人が即答すること間違いなしの作家さんです。

 

「いまもォ、だいにんきィでスよゥ!」

「ぐるるる~!」(←訳:猫派の星~!)

 

 1916年(大正5年)12月9日、

 漱石さんは鬼籍の人となりました。

 この御本は、漱石さんが去った後の、

 夏目家の人びとに起きた出来事を著した

 エッセイ作品集です。

 

 著者・半藤末利子さんは、

 漱石さんのお孫さんであり、

 お父上は作家の松岡譲(まつおか・ゆずる)さん、

 御夫君の半藤一利(はんどう・かずとし)さんも作家、と

 夏目ファミリーの核を担う御方ですが……

 

「ふうッ! いばらのみちィ、でス!」

「がるるぐる!」(←訳:苦闘の連続!)

 

 漱石さんが執筆の場とし、

 愛用した品々や、多くの資料を蔵する

 早稲田南町の《山房》。

 

 漱石さんの長女・筆子さんと結婚した松岡さんは、

 《山房》を日本有数の文化的財産と捉え、

 漱石さん亡き後、

 これを守るのが己の役目、義務であると考えました。

 

 現代でしたら、おそらく、

 自治体との協議を経て、

 《山房》を保存すべく専門家を招き……

 というように事態はサクサク進行するのでしょう。

 

 しかし、

 時代は大正です。

 

 お役所には、文化財の保護、なんていう概念はなく。

 お弟子さんたちは、一致団結!には程遠く。

 夏目家の人びとも《山房》の保存に

 あまり熱心ではありません。

 

 松岡さんは孤軍奮闘する形で、

 それでも《山房》保存を諦めず、

 日々奔走いたします。

 

「なんとかァしなくちゃッ!」

「ぐるるがるる!」(←訳:先生のために!)

 

 漱石記念館が完成するまでの、長い長い道程。

 御家族が目にした、漱石さんの日常の姿。

 好物や、書画にまつわるエピソード。

 悪妻と見做されていた漱石さんの妻・鏡子さんが

 細やかな気配りをする人だったこと。

 著者・半藤さん御自身の、

 家族との思い出。

 

 完成された小説作品からは窺えない、

 漱石さんの素の思考&行動が見えてくる

 ¨その後¨を綴ったエッセイ集は、

 近代文学好きな方々におすすめです。

 秋の夜の読書タイムに、

 皆さま、ぜひ♪

 

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~ どうぶつ百姿 ~

2024-09-09 22:03:13 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 あれれッ? きゃくせきィ、がらがらァ~なのでスよゥ?」

「がるる!ぐる~??」(←訳:虎です!なぜ~??)

 

 こんにちは、ネーさです。

 大谷翔平さんがめでたくも46‐46を達成した

 現地時間9月8日のドジャースタジアムは、

 華氏103度(およそ39.4℃)……!

 米国西海岸も猛暑なのね~と嘆息しながら、

 さあ、¨重陽の節句¨の日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

            ―― 作家とけもの ――

 

 

 編者は野村麻里(のむら・まり)さん、

 2024年2月に発行されました。

 《動物》をテーマにしたアンソロジー作品です。

 

「わおォ! はばひろォ~いィ!」

「ぐるーるがるるる!」(←訳:ユニークなのです!)

 

 ええ、この御本に収録されているのは29作品、

 その著者さんたちの顔触れに唸らされます。

 

 正岡子規さん、

 吉家信子さん、

 田中小実昌さん、

 團伊玖磨さん、

 南方熊楠さん、

 金子みすゞさん、

 須賀敦子さん、

 朝永振一郎さん……

 

 と、いかにも動物について

 熱心に筆を揮いそうな御方もいれば、

 ノーベル賞を受賞した物理学者・朝永さんも。

 

 しかし、正直に言ってしまいますと、

 練り上げられたプロの著述家さんの作品を

 霞ませてしまうほど、

 鳥肌が立ったのは、

 

 澤田喜子さん著『動物園をおそう悲劇』。

 

「むかしばなしィ、じゃないィのでス!」

「がるるるるぐるるる!」(←訳:他人事でもないんだ!)

 

 著者・澤田さん(1918~2004)は、

 1940年から1982年まで

 上野動物園に勤務した動物園職員さんです。

 

 澤田さんがまだ新人職員だった昭和18年(1943年)8月、

 東京都長官から動物園に命令が出されました。

 猛獣の処分をするように、と。

 

 或る朝、出勤した澤田さんに、

 先輩職員さんは、

 もうみんなに会えなくなるかもしれないから、

 ゾウたちと記念写真を撮ろう、と誘います。

 

 澤田さんは問いました。

 ゾウたちを疎開させるんですか?

 

 返ってきた答えは……。

 

「にどとォ、だめェでス!」

「ぐるるるるぅがるるる!」(←訳:繰り返しちゃいけない!)

 

 戦争が動物たちに何をしたか。

 よく知られた話ではありますが、

 現在の世界情勢を見るにつけ、

 過去のことだと言い切れなくなってきます。

 

 そして、もう一編、

 読み手を打ちのめすほどに

 切々と哀しいのは、

 

 立原道造さん著『もし鳥だつたなら』。

 

「しじんさんッ、でスねッ!」

「がるるるるぐるがっるる!」(←訳:建築家さんでもあったよ!)

 

 結核のため、24歳で旅立った立原さんの、

 夢のような、

 慟哭のような

 一期の歌。

 

 動物好きな活字マニアさんに、

 詩歌好きな方々にも

 おすすめのアンソロジー作品です。

 本屋さんで、図書館で、

 ぜひ、探してみてくださいね。

 

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~ 旅路は遠く ~

2024-09-08 22:03:39 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ♪るるゥ~♪ここはァ~よこはまァ~♪」

「がるる!ぐるるがるぐる~!」(←訳:虎です!出発の銅鑼だよ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 1900年(明治33年)の9月8日、

 夏目漱石さんは横浜港から2年間の英国留学へと出発しました。

 日本の文学史に多大な影響を与えた旅の始まりを祝しつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― リラの花咲くけものみち ――

 

 

 著者は藤岡陽子(ふじおか・ようこ)さん、

 2023年7月に発行されました。

 20世紀の幕開けを告げるかのような漱石さんの旅から、

 およそ120年余……

 ここに、ひとりの女の子の

 旅が始まろうとしています。

 

「うわァ、ひろいィ~!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:北海道だもんね!)

 

 北農(ほくのう)大学。

 

 岸本聡里(きしもと・さとり)さんは、

 白樺の並木道で目を丸くしています。

 

 3月の終わりの北海道は、

 ぴりぴりと冷え切った空気で、真冬のよう。

 

 同行している祖母は、

 気持ちの良い場所だと言いますが、

 聡里さんは……

 

「かおいろォ、よくないィでスよゥ?」

「がるる?」(←訳:大丈夫?)

 

 獣医学部で学びたい。

 

 その願いに突き動かされ、

 聡里さんはここ北海道にやって来ました。

 

 白樺の道を辿って、

 大学の寮に着いて、

 同室になった学生さんたちと顔合わせをし、

 家から持ってきた荷物を片付けながら

 聡里さんが思い出すのは、

 愛犬のパールのこと。

 

 小学4年生で母を失くした聡里さん、

 父が再婚した女性とうまくゆかなくて

 家庭内で孤立し、

 不登校になった時期がありました。

 そのとき、聡里さんを支えてくれたのが

 パールの存在。

 

 けれど今、

 パールはいません。

 大好きな祖母も、あと数時間で

 東京の自宅へと帰っていってしまう。

 

 見知らぬ人と、

 見知らぬ土地で、

 たったひとり、始めなければならない。

 新たなくらしを。

 

「うむむゥ~…たいへんなァべんきょうゥ、なのでスゥ……」

「ぐるるがるるるぐるる……!」(←訳:生命と向き合うお仕事……!)

 

 不安と、孤独、重圧。

 祖母をバス停で見送った聡里さんの顔色は

 いよいよ冴えません、が……あらっ?

 

「むむッ?」

「がるぐる!」(←訳:何かいる!)

 

 道端に、茶色い箱が落ちている?

 いえ、箱じゃなくて、

 あれは……。

 

「むくむくゥ?」

「ぐる??」(←訳:毛玉??)

 

 不安の只中、

 聡里さんが見つけた

 小さな希望の灯とは?

 

 名作コミック『動物のお医者さん』や

 『銀の匙 Silver Spoon』が大好き!

 という方々に激おすすめの小説作品です。

 聡里さんの旅路へ、

 ともに皆さまも、ぜひ♪

 

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~ だるまさん、原画で登場! ~

2024-09-07 22:03:41 | ミュゼ

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 おおぉ! おおたにィさんがァ!」

「がるる!ぐるるぐる!」(←訳:虎です!45の45!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 LAドジャースの大谷翔平さんが、

 ついに、ついに45‐45を達成……!

 全力でお祝いの拍手を送りながら(ふぅ!)、

 さあ、本日は読書……をサボって、こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪  

  

 

 

          ―― かがくいひろしの世界展 ――

 

 

 東京・八王子市の八王子市夢美術館にて、

 会期は2024年9月14日~11月4日

 (月曜休館、ただし祝日の場合は開館し、翌火曜日が休館)、

 『日本中の子どもたちを笑顔にした絵本作家』

 と副題が付されています。

 

「あはァ! ころころォさんッ!」

「ぐるがるるぐる~!」(←訳:人気なんだよね~!)

  

 ↑《だるまさん》シリーズは、

 絵本作家かがくいひろし さん(1955~2009)の

 代表作であり、

 累計発行部数900万部を突破している超人気作です。

 

 真っ赤なころんころんボディは、

 ああ、見ているだけでほっこり……♫

 

「こッちのもォ、よいィのでスゥ!」

「がるぐぅるるがる!」(←訳:丸いキャラは無敵!)

 

 はい、↓下の画像は、

 『みみかきめいじん』(2009年)と

 『おもちのきもち』(2004~2005年)ですよ。

  

 特別支援学級のベテラン教員であった かがくい さんが、

 作家デビューしたのは、50歳のとき。

 子どもたちを一瞬で笑顔にする傑作絵本を

 次々と生み出すも、

 2009年、病で急逝……

 絵本作家として活動したのは、わずか4年の、

 今もなお惜しまれる別れでした。

 

 この展覧会は、

 かがくい さんの没後初の回顧展であり、

 関東地方初の開催となります。

 絵本の原画や制作の資料、

 教員時代の映像記録などが出展され、

 また、講演会(要事前申込)も予定されていますよ。

 《だるまさん》ファンの方々、

 絵本好きな活字マニアさんは、

 ぜひ、お出掛けしてみてくださいね~♪

 

 

 

   では、ここで美味しいオマケ画像も!

   

   『麦むぎ工房 mugimugi bakery』さんの、

   《天然酵母スコーン》は、

   石臼による自家製粉、超長時間発酵、

   国内産玄麦を使った小麦全粒粉、国産バター、

   安全なタマゴや牛乳、粗塩……といった

   こだわりの材料から作られる逸品です。

   「しみじみィ~…」

   「ぐるるるる~…」(←訳:味わいたい~…)

   「……おかわりィ!」

   

   9月上旬だというのに、まだ猛暑が続くんでしょうか……

   皆さま、残暑バテに用心して、

   どうか穏やかな休日を。

   

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~ 《帯》との闘い? ~

2024-09-06 22:03:08 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 いッきにィ~ななてんッ!」

「がるる!ぐるるるがる~!」(←訳:虎です!めでたい勝利~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 W杯アジア最終予選の初戦で日本が勝利……!

 三笘選手&伊東選手の代表復帰組は揃ってゴール!

 W杯本戦もこの調子で!と祈りつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― 爛漫ドレスコードレス 4 ――

 

 

 著者は佐悠(さゆう)さん、2024年8月に発行されました。

 いやーずっと待っていたんです、第4巻の刊行を!

 第5巻の発売はいつになるのかしら~?

 

「あううゥ! おちついてッ!」

「ぐるがるるるるぅ!」(←訳:気が早いですよぅ!)

 

 おっとと、失礼いたしました、

 先ずは、ネタバレを回避しつつ、

 第4巻の御紹介に努めましょう。

 

 そもそもは、

 山田撫子(やまだ・なでしこ)さんが

 着物の魅力に目覚めたことから、

 物語は動き出したのでした――

 

「きゃわゆいィ~おびィ!」

「がるぐるるがるるるる……!」(←訳:あの模様はチンアナゴ……!)

 

 ウナギ目アナゴ科に属する海水魚の一種、

 狆穴子(チンアナゴ)。

 

 ユニークなルックスと生態から、

 水族館の人気者となっている狆穴子くんが、

 あらら、半幅帯の絵柄に。

 

 この帯を浴衣フェアで発見した撫子さん、

 狆穴子ファンとして、レジまっしぐら!

 ……いえ、実は少々迷ったんですけれど、

 結局は購入してしまいました。

 

 そして、買った以上は、楽しみたい。

 死蔵することなく、この帯で、お出掛けしてみたい。

 となれば。

 

「いざッ、みちなるゥせかいへッ!」

「ぐっる~る!」(←訳:ドッポ~ン!)

 

 未知の世界に飛び込んだ撫子さん、

 浴衣を手始めに、

 和装の知識や技術を身につけてゆきます。

 

 この第4巻では、

 お祖母さんに着物を着せてあげたくて、

 伝統的な着付けを着付け教室で教えてもらおう!

 と体験教室に参加してみて……

 う~~ん?

 

「どうしたのでスかァ?」

「がるぐるるるる?」(←訳:顔色さえないよ?)

 

 お太鼓帯の結び方の、

 ああぁ、なんというハードルの高さ。

 

 苦闘する撫子さんに

 救いの手を差し伸べたのは、

 呉服店『いぬかい』店長の

 犬養誠次郎(いぬかい・せいじろう)さんでした。

 

 『いぬかい』さんで着付けレッスンを受けてみる!

 という撫子さんを、

 しかし、

 着物フレンドの響(ひびき)さんは

 心配せずにはいられず……?

 

「ふァいッ、すとッぷゥ~!」

「ぐるるるがるぅ~!」(←訳:ネタバレだめぇ~!)

 

 はいはい、では、あとちょっとだけ。

 

 第4巻の中盤~後半では、

 『いぬかい』店長・犬養さんが意外な?活躍を見せてくれますよ。

 犬養さんのファンの方々は、

 どうか読み逃しなく~♪

 

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~ 誕生は、スケッチブックから ~

2024-09-05 22:03:13 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふァ? たまがわにィ~まりもッ?」

「がるる!ぐるがるる~!」(←訳:虎です!東京なのに~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 多摩川で採取した石から

 『モトスマリモ』なる超レアなマリモが発見された、ですって?

 我が家の近所の多摩川の支流にも、もしやマリモが……

 おっと、妄想の暴走はここまでにして、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの月刊誌を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 芸術新潮 2024年9月号 ――

 

 

 現在発売中のアート系月刊誌『芸術新潮』の特集は、

 《祝!画業55周年 萩尾望都》!

 『スケッチブックから読み解く、創作のひみつ』と題して、

 漫画家・萩尾望都(はぎお・もと)さんの

 秘蔵スケッチが初公開されています。

 

「もとせんせいィ、さいとうじょうゥ!」

「ぐっるるるるる!」(←訳:待ってたのです!)

 

 『芸術新潮 2019年7月号』では、

 書き下ろしの美しい表紙画と

 特集『少女マンガの神が語る、作画のひみつ』

 が大きな話題を呼びました。

 

 5年を経て、

 再びの大特集でフューチャーされているのは、

 作品が完成するよりもはるか前の、

 アイディアが芽生え、

 うっすら形を成しつつある段階、でしょうか。

 

「らふゥ、だけどォ~…」

「がっるぐるる!」(←訳:かっこよすぎ!)

 

 萩尾さんの脳裏に、紙の上に、

 物語が生まれる瞬間。

 

 その多くは、スケッチブックに鉛筆、

 ものによっては水彩等で彩色した画もありますが、

 ラフでありながら、

 線は恐ろしいほどシャープです。

 

 ここで公開されているのは、

 主に初期のSF作品のスケッチ画や

 設定のメモが中心で、

 なかには¨幻¨となってしまった未完の作品のラフ画、

 完成した作品とは

 ずいぶん表情が違うキャラクターの画もあり、

 いやもう、

 私たち、すごいものを目にしているんですね……!

 

「とくにィ、えすえふゥ!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:先取りしてます!)

 

 解説(本文38ページ)にありますように、

 名作『11人いる!』を萩尾さんが描いたのは、

 1975年のことでした。

 

 そして、

 映画『未知との遭遇』と

 『スターウォーズ』の日本公開が1978年

 (注:『スターウォーズ』の米国での公開は1977年、

  日本では約1年遅れての公開となりました)。

 

 いかに萩尾さんが¨先頭を走っていたか¨、

 よく分かります。

 

 いえ、SFだけではありませんよね。

 歴史ドラマも、ファンタジーも、

 コメディも、文芸作品も、

 あらゆるジャンルで、

 萩尾さんはパイオニアであり、

 トップランナーでもあります。

 

「いつもォ~あたらしいィ!」

「がるるっるぐる~!」(←訳:いつだって最高~!)

 

 ヤマザキマリさんによる特別寄稿、

 マネージャーさん&アシスタントさんの座談会、

 略年譜など、

 萩尾さんに関する企画の他に、

 高田賢三さんの展覧会の紹介も必見の

 『芸術新潮』最新号を、

 萩尾さんのファンの方々、

 マンガ好き&アート好きな方々は、

 ぜひ、じ~っくり読み込んでみてくださいね♪

 

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~ 幕開け、間近に ~

2024-09-04 22:03:02 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 やたッ! たいとるゥ~ぼうえいィでス!」

「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!剛拳でした!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 世界スーパーバンタム級4団体王座統一戦で

 井上尚弥さんが勝利!

 お祝い&お疲れさまの大拍手を送りながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― アンソロジー 舞台! ――

 

 

 著者は収録順に、近藤史恵さん、笹原千波さん、

 白尾悠さん、雛倉さりえ さん、乾ルカさん、

 2024年3月に発行されました。

 

「またもォ、あんそろじィ~?」

「ぐるるがぅるるぅるぐる!」(←訳:今回はフィクションだよ!)

 

 ええ、前回記事で御紹介した『喫茶店』は

 エッセイ作品のアンソロジーでした。

 対して、こちらは、

 東京創元社刊『紙魚の手帖』vol.10の

 特集《舞台(ステージ)!》を書籍化したもので、

 短編小説5篇が収録されています。

 

 ミュージカル、2.5次元、

 バレエ、ストレート・プレイなど、

 《舞台》を主題とする物語は

 いずれも非常に魅力的ですが……

 

「まくあけはァ、げんきィよくゥ!」

「がぅるるぅーるるぐるる!」(←訳:ファンファーレで行こう!)

 

 この御本の幕開けを飾る、

 近藤史恵さん著『ここにいるぼくら』。

 

 読み手のココロをガシッと!

 たちまち摑んでしまうこちらの作品が

 私たちの最推しですよ。

 

「やくしゃさんはァ、おおいそがしィでスゥ!」

「ぐるるがるぐる!」(←訳:突然の出演依頼!)

 

 琴平達矢(ことひら・たつや)さん、

 劇団トーンリスト所属、34歳。

 

 8月の定期公演が終わったばかりの

 琴平さんのもとへ、

 突然、出演の依頼がありました。

 

 東京で2週間、

 大阪や福岡など地方公演も予定されている、といいますから、

 興行の規模としては小さくなさそうです。

 

 劇団の事務所から転送してもらった書類に

 記されていた演目名は、

 

 『大江戸ノワール』。

 

「ふむむむゥ!」

「がるる!」(←訳:来たね!)

 

 さっそく演出家さんと面談した琴平さんは、

 目を丸くしないではいられません。

 

   2.5次元?

 

   江戸を舞台としたソーシャルゲームが原作?

 

   それを、ぼくが?

 

 いえ、琴平さんは怒ったり馬鹿にしてるんじゃなくて、

 単純に驚いているんです。

 舞台俳優として10年以上やってきて、

 運動神経には自信があるし、

 殺陣(たて)も出来て、

 けれど、特別な売れっ子俳優でもないぼくに、

 どうして声が掛かったんだろう?

 

 演出家さんは、

 声がキャラの声優に似てるからだ、

 とか言ってますが……?

 

「なやみはァ~あとまわしィ!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:お稽古しないと!)

 

 衣装合わせに、宣伝用のフォト撮り、

 他の俳優さんとの顔合わせと、

 台本の読み合わせ等々。

 11月アタマの初日まで、

 やらねばならないことは山のよう。

 

 いつも演っている劇団でのお芝居とは

 何もかも違って感じられる

 2.5次元の《舞台》。

 はたして、

 観客さんたちの反応は――

 

「ううゥ~きんちょうゥするゥ~…」

「がるるぐるるる!」(←訳:無限のドキドキ!)

 

 琴平さんの役柄って、いったい?

 衣装やメイクは、どんな感じ?

 といった重要なポイントは、

 はい、読んでのお楽しみ、ですよ。

 

 《舞台》大好きな方々に、

 LIVEを愛する方々にも

 おすすめの文庫作品です。

 ぜひ、本屋さんで探してみてくださいね~♪

 

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~ ひとりで、ふらりと ~

2024-09-03 22:03:50 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 しんどらまッ、はじまりましたでス!」

「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!BSだよ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 NHK BSで9月1日から始まったのは宮部みゆきさん原作の、

 『おいち不思議がたり』(全8回)

 (6日午後7時30分から再放送があります)。

 次回はどうなるのかな~と楽しみにしつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― おいしいアンソロジー 喫茶店 ――

 

 

 著者は阿川佐和子さん他、2024年5月に発行されました。

 『少しだけ、私の時間』と副題が付されています。

 

 このことろフィクション作品の御紹介が続きましたので、

 はい、今回はお久しぶりのエッセイ作品!

 それも、『CAFE』ではなくて――

 

「きッさてんッ!」

「ぐるるがる~!」(←訳:そこが肝心~!)

 

 この御本では、

 思い出の喫茶店、

 お気に入りの喫茶店、

 心に残る喫茶店での出来事を、

 40人の著者さんたちが綴っています。

 

 著者さんの顔触れは、

 エッセイの名手・向田邦子さんをはじめ、

 太宰修さんに芥川龍之介さん、

 伝説の喜劇役者・古川緑波(ふるかわ・ろっぱ)さん、

 『シソンヌ』のじろうさん、

 覆面小説家の麻生競馬場(あざぶけいばじょう)さん……と、

 20世紀の文豪さんから

 現代の人気作家さんまで。

 

「はばひろォ~いィ!」

「がるぐるる~♫」(←訳:豪華だよね~♫)

 

 植草甚一さん、片岡義男さん、

 小川糸さん、平松洋子さん、と

 美味しいエッセイの第一人者さんたちの作品には

 とりわけグッと来ますが、

 ここで注目していただきたいのは。

 

 高村光太郎さん(1883~1956)。

 

 彫刻家であり、画家、詩人であった高村さん、

 明治の日本を旅立って、

 ニューヨーク、ロンドン、パリに

 留学したこともありました。

 

 『喫茶店より』

 と題されたエッセイでは、

 1909年(もしくは1908年?)の

 パリの風景が描かれています。

 

「ぱりでェ、よふかしィ!」

「ぐるるがる!」(←訳:夜道を散歩!)

  

 智恵子さんと出会うより前の、若き日。

 異国を独り放浪する光太郎さんの、

 これは回想なのか、創作なのか。

 

 モノクロ映画を想わせるような一編は、

 『智恵子抄』『道程』ファンの方々に

 おすすめですよ。

 

「ほかにもォ~たくさんッ!」

「がるぐるるる!」(←訳:名品あります!)

 

 クスクスっと笑ってしまう、

 中島らもさんの『変わり喫茶』。

 ふわりと暖かい、

 赤瀬川原平さんの

 『コーヒーがゆっくりと近づいてくる』。

 

 喫茶店の魅力を語る

 喫茶店マニアさん必読の一冊です。

 コーヒー好きな方々も、ぜひ♪

 

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~ 喋って、語って、解いてゆく? ~

2024-09-02 22:03:17 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ついにィ~はつめいィ、されたのでス!」

「がるる!ぐるるるがるるるぐる!」(←訳:虎です!ワンコ用アイスが完成!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 《ガリガリ君》の『赤城乳業』さんから発売されたのは、

 犬用アイス《ワンワン君》!

 熱気と闘うワンコたちの救世主となってくれることを期待しつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

             ―― 最強の毒 ――

 

 

 著者は汀こるもの(みぎわ・こるもの)さん、

 2024年6月に発行されました。

 『本草(ほんぞう)学者の事件帖』と副題が付されています。

 

 前回記事に続いて

 お江戸を舞台にしたエンタ作品の御紹介となりましたが、

 こちらは、いわゆる――

 

「ほんかくゥみすてりッ?」

「ぐるるがるる!」(←訳:謎解きカモン!)

 

 お江戸は浅草の札差・大戸屋(おおとや)さんで、

 たいへんな騒ぎが持ち上がりました。

 

 夕食後、一人また一人、と倒れてゆき、

 合わせて十人が命を落とし、

 二人が危篤状態に。

 

 駆け付けた同心さんは、

 こりゃあ石見銀山(いわみぎんざん)を

 盛られたに違えねえ!

 と決めつけて、

 お店で賄(まかない)役を担っていた

 若い女性二人を

 番所に引っ立ててゆきました。

 

「いわみィぎんざんッねずみとりィ……!」

「がるるぐるがぅる!」(←訳:有名な毒薬じゃん!)

 

 おおスピード解決!

 と喜びたいところ、ではありますが。

 

 同心・青木蒼右衛門(あおき・そうえもん)さんを兄に持つ

 紺之介(こんのすけ)さんは納得できません。

 

 石見銀山による中毒、だって? これが?

 おかしくないか、それは。

 毒が入ってたのは味噌汁、っていうけどよ、

 一緒に味噌汁を食べたのに

 何でもない者もいるじゃねえか!

 

「えェッ? それはァへんッでスゥ!」

「ぐるるがるぐるぅる!」(←訳:理論が崩壊しちゃう!)

 

 そもそも、使われた毒は

 本当に石見銀山なのだろうか?

 

 紺之介さんの不信と不安は増すばかり……

 とはいえ、悲しいことに、

 毒に関する詳しい知識を持たぬ身では

 兄を説き伏せるのも難しい。

 ならば、ここは。

 

 専門家に訊いてみよう!

 

「ふァいッ! だいさんせいィ~!」

「がるぐる!」(←訳:名案です!)

 

 百万都市・江戸。

 毒に関する専門知識を持つ医師は……と

 紺之介さん、考えます。

 

 心当たりは、たった一人。

 平賀源内さんの再来と噂される、

 日暮里(にっぽり)村に住む

 蘭学者さん。

 

 紺之介さんは夜道を走り、

 学者さんの家を訪ねましたが……?

 

「だいろんそうゥ!」

「ぐるる!」(←訳:大討論!)

 

 檜打(ひうち)藩出身の学者医師

 香西朝槿(かさい・ちょうきん)さんが

 導き出す《解》とは。

 

 著者・汀さんが描き出す

 朝槿さんの博識変人っぷりに

 読み手の私たちはぷぷっと笑ってしまったり、

 一見デタラメなお喋りの裏の

 鋭い解析に唸らされたり、

 楽しくも¨一筋縄ではいかない¨ミステリ作品です。

 

 第一話『最強の毒』

 第二話『最初の敵』

 第三話『最後の夢』

 と3話から成る《事件帖》、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

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~ お江戸転生ものがたり? ~

2024-09-01 22:03:53 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 きがつけばァ~しんがッきィ?」

「がるる!ぐるがるぐる~!」(←訳:虎です!9月だよねえ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 台風との闘いにアタフタしているうちに、

 ハッと気付けば9月じゃありませんか。

 慌てて手帳の予定欄を確認しながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― 大江戸恋情本繁盛記 ――

 

 

 著者は ゆうき りん さん、2024年3月に発行されました。

 『How to Reiwa editor girl made a best seller book in the Edo period』

 と英語題名が、

 『天の地本』と日本語副題が付されています。

 

「どッかァ~んッ!」

「ぐるるっるぅ~る!」(←訳:がらがっしゃ~ん!)

 

 物語開幕の合図は、おそらく↑こんな音だったでしょうか。

 

 文政十一年(1828年)の、晩夏のこと。

 突如、雲もないのに天がカッと白く輝き、

 凄まじい雷鳴が轟いて、

 お江戸の街角に雷さまが落っこちてきました!

 

「ちがいまスゥ!」

「がるるるるぐぅるるがる!」(←訳:カミナリ様じゃないです!)

 

 あら、ホントですね。

 どこからともなく現われたのは、

 人間……のよう、なんです、けど……

 摩訶不思議な外観をしています。

 

 この時代にはあり得ないほど

 髪の毛が短くて、色も明るい?

 袖なしの上着に、筒袴?

 草履ではなく、沓(くつ)を履いている?

 

「みなさんッ、びッくりィ~!」

「ぐるるるがるる!」(←訳:するよね普通は!)

 

 実を申せば。

 

 雷鳴とともに降ってきたのは、

 紛れもなく21世紀――令和の日本に生まれ、

 出版社にお勤めしている

 小桜天(こざくら・そら)さん。

 そして、

 

 これ、どうなってるの?

 

 と、見慣れぬ景色に度肝を抜かれ、

 呆然としているうち、

 番屋のお爺さんが彼女に突きつけたのは、

 刺叉(さすまた)。

 

 これがピンチでなくて何でしょう?

 

「へるぷゥ~!」

「がるる~!」(←訳:助けて~!)

 

 天さんを窮地から救い出してくれたのは、

 通りがかりの、お武家さまでした。

 

 遠野の旦那、と番屋のお爺さんに呼ばれる、

 謎めいたお武家さまに、

 信頼できる女性を紹介してもらった天さんは、

 程なく、自分の身に起きた出来事を知ります。

 すなわち……

 

   異世界転生!

 

「ぼふッ!」

「ぐるるるぅ?」(←訳:そうなのぉ?)

 

 天さんの解釈は、まあ仕方ないですね。

 20世紀のSFだったら、

 タイムトリップしちゃったんだ、わたし!

 となるところですけれど、

 今は21世紀。

 

 勤務している出版社さんのヒット作が

 《異世界転生》モノである天さんの場合、

 ここは異世界なんだ!

 って考えてしまうのは、

 ”編集者あるある”なのかもしれません。

 

 しかし、困ったことに。

 

 天さん、

 勇者でもエルフでも魔法使いでもなく。

 開け、と念じても、

 ステータスウィンドウは宙空に出現せず。

 

 ……どうやら、

 自分ひとりのチカラで、

 この異世界を生きてゆかねばならない、らしい?

 

 そうはいっても、

 わたしに出来ることって……

 出来ること……出来るのは……。

 

「あはァ!」

「がっる!」(←訳:あった!)

 

 時代は、文政(1818~1830)。

 

 ええ、そうです、

 かの北斎さん、現役です!

 バリバリ描いちゃってます!

 喜多川歌麿さんは残念ながら亡くなっておられますが、

 歌川広重さん、十返舎一九さん、それに

 曲亭馬琴さんも御存命ですよ!

 

 日本史上最盛期とさえ言える、

 文政期の出版世界へ、

 天さん、引き寄せられるように

 飛び込んでゆきますが――

 

「ふァいッ、そこまでェ~!」

「ぐるるるがる!」(←訳:ネタバレ厳禁!)

 

 天さんの異世界生活、いえ、

 お江戸生活は、どうなる?

 

 シリアスとコメディが混在する

 文政×令和の《転生》譚は、

 SF好きな活字マニアさんに、

 シャレが分かる歴史好きさんにもおすすめですよ。

 江戸アート好きな方々も、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

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