喫茶 輪

コーヒーカップの耳

「父に捧げる二篇」

2023-06-27 12:56:17 | 
芦屋の詩人山下徹さんからお贈りいただいた『芦屋芸術』17号を読ませていただきました。


スミレさんの「父に捧げる二篇」に感動させられました。
亡くなられたお父さんへの想いがしみじみと伝わってきます。わたしがそれだけの年齢になっているからかもしれませんが。

初めの詩「今はもういない父へ」より。
《「もう パパなんか大っ嫌い!」 何回 そう思ったか 私への愛なんてないんじゃないだろうか?》
と、心の通い合いがなかったことをいいながら、
《たまーに ほんとたまーに ぎゅっと 私を抱きしめてくれる…》
そして、《抱きしめられた記憶は3つ》といって、そのそれぞれを書き記してゆく。
そのエピソードがいい。
つづけて、
《父が亡くなって二年(略)ほんとうはまだ 寂しくて 恋しくて  大嫌いって何度も思った父だけど 大好きだ》
そして、
《会いたいって思う もう一度ぎゅって抱き締められたいと思う 話したいと思う 今の私の 父に対する思いを伝えたい 会って直接伝えたい パパ だいすき》
感極まるように正直に書く。

二つ目の詩「やんちゃ坊主だったんでしょ」より。
《お誕生日 おめでとう》と始まる。
そのあと、とつとつとした言葉で、ありふれた言葉で父への想いを語る。もっと知りたかったと。今になって思うと。
《大好きな 芋焼酎でもいっしょに飲みながら 話 聞いとけばよかったよ》と。
そして最終行にも 《パパ お誕生日 おめでとう》と書く。

山下さんの解説に「スミレさんは所謂「現代詩」との接触はありません。(略)今回初めて他人の前に自分の作品を差し出したわけです。」とあります。
その通りなのでしょう。詩はほとんど地の言葉で綴られています。
だからこそ、読む者の胸に響いて来るのかもしれません。
もちろん、文章の修練はされているのでしょう。この詩は「現代詩」の顔つきをしておりませんが、思いを人に伝える力はあります。
「詩」とは、それでいいのではないでしょうか。とわたしは思います。

この詩にわたしが感動したのは、先に書いたようにわたしの年齢のこともあるかもしれません。
わたしにも娘がおりますのでね。置き換えて考えてしまいます。



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酒造会社の屋上看板

2023-06-27 08:02:46 | 日本盛
かつては西宮の空に林立していた酒造会社の屋上看板ですが、今はもう一つもありません。
建物の改築や改修などの機会に、全部撤去されてしまいました。
でも日本盛の米ぬか化粧品の宣伝には今も使われています。

でっかい看板で夜も辺りを照らしていました。
でも5年前の台風で被害を受けた時に修復されずに撤去されてしまいました。

その直前の姿の写真です。


その台風で飛ばされた破片がこれ。

電線にぶら下がってました。
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