中部北陸自然歩道 長安寺
長安寺は、両津市(現佐渡市)大字久知河内にあり、古来、由緒ある仏閣である。山号は陽雲山。天長8年(831年)の開基で、昔は天長寺と称し、八宗兼学の巨刹として末院末寺も多かったが、天正17年(1589年)の戦乱以後衰退し、みな帰農してしまった。
観応年中(1350年代)園(その)中将が都落ちしてこの寺に寓し、舞楽を教えた、と伝えられ、かつては能舞台があった。順徳院の辰筆(しんぴつ)「陽雲山」の扁学があったが、上杉氏が持ち帰ったという。仁王門の金剛力士は運慶の作だ、と伝えられるほどの名作である。
銅鐘は高さ83Cm、口径60Cm、厚さ16Cm、いわゆる朝鮮鐘で、龍頭が1個、後部に「旗さし」があり、周囲の唐草文様が美しい。 仏像は、ひのき材寄せ木造り、漆箔(しっぱく)、高さ87Cm、頭部に螺髪(らはつ)、肉髻(にっけい)、額に水晶の白毫(びゃくごう)がある。
環境庁(環境省)・新潟県 (上記文は中部北陸自然歩道・長安寺の看板の説明書きより書き写したもの。)
▲写真①
久知川にかかる橋のたもとに車を止めた。橋のたもとには大きな木がある。清らかな流れの川に沿い、細い道を歩いて上流方向へ歩く。川の左岸、ほどなく長安寺となる。写真①はその入口の一つ。石碑に陽雲山長安寺の文字が見える。
▲写真②
奥の門への道を歩いていると脇に洪水記念碑(写真②)。谷あい・川沿いの小さなこの村を洪水が襲ったことがあるのだろう。背後の竹、手前の紫陽花。ひっそりとしたものである。
▲写真③
写真③は山門。門には写真④と⑤の仁王像が門をくぐろうとする者へ鋭い視線を向けている。運慶の作? そのように言われているが、本当なのかなぁ~。確かに古そうであるが痛みが激しい。運慶作というならもう少し大切にしては..? そんなことを考えるのは無粋というもの、ちょっとした名刹と聞くのであれば、よけいなことなど考えずにゆっくりとまわるべきだ。原点に立ち返り、門をくぐった。
▲写真④
▲写真⑤
<写真撮影:2005.7.01> 2005年 地理の部屋と佐渡島