NHKオンデマンドで「視点・論点」を見ていました。2月15日の放送です。テーマは「人口ボーナス」というものでしたが、この「人口ボーナス」と言う言葉が初めて聞くものでしたので思わず見ることにしました。
番組終了後、ネットでこの言葉を調べてみました。結構ヒットしました。すでに経済用語としての存在が確立しているようです。コトバンクというサイトで説明を読むと、対になる言葉に「人口オーナス」という言葉があることもわかりました。これは面白い。知っていて損はない。そんな思いからコトバンクなどを参考に地理佐渡なりに言葉を換えて表現してることにしました。
写真撮影:2010.02.07
まず、「人口オーナス」とは生産年齢人口(おおむね15~64歳と見て下さい。)に対して、少子化が進んで幼年人口(15歳未満)比が少ない上に、老年人口(65歳以上)の比が増加がしてきている状態を指しています。つまり現役を退いた世代の人口比が高い上に、将来を担うべき子供世代が少ないという状況と言うことです。この状態は将来に経済的活力の喪失という懸念が見込まれます。
つまり、この幼年人口と老年人口を併せて従属人口というのですが、生産年齢人口に対して従属人口が多くなると言うことは、収入に対して社会的保証などのための負担が大きくなることが予測され、それだけ経済活力が奪われることを意味します。今日の日本はすでにこの段階にあるか、そのピークへと歩んでいるかという感じなのでしょう。
一方、「人口ボーナス」とはそれとは反対に、生産年齢人口の比率に対する従属人口の比が低い状態であり、生産に対する負担感の少ない環境が可能となります。そのため将来の生産力(経済的活力)向上が見込まれます。人口構成の姿からしますと、多産多死から少産少死へと人口転換していく過程で、しばらくの間この状態が生まれます。ただし、人口ボーナス状態イコール経済発展とは行きません。将来の人口比の有り様を予測をしたうえで、教育の充実などの諸策を講じておくと可能性がうんと広がると言うことなのです。
では、番組で見た資料を一つ参考に出しておきましょう。アジアの国々で人口ボーナスの期間がどこにあったかを示すものです。
日 本 (1950~1987)
韓 国 (1967~2014)
中 国 (1973~2016)
タ イ (1971~2011)
フィリピン (1970~2049)
インドネシア (1977~2028)
インド (1974~2044)
資料:日本大学人口研究所
これを見ますと、日本はすでにボーナス期を終えて25年程経過していると言うこと。そして、韓国、中国、タイなどは現在その末期。そして、フィリピン、インドネシア、インドなどはまだまだ先があると言うことがわかります。特に人口大国であるインドは着目すべきでしょう。現在インドは経済成長著しい状態にありますので、政策がうまく機能しますとまだ30年は人口ボーナスのもとでの成長が期待できます。
一方で、日本も心配ですが、中国の将来も不安があります。現在世界最大の人口を持つ国ですから、高齢化と出生率の低下が同時進行した場合、高齢者に対する支援で国の経済がどのようになっていくかが気がかりです。しかし、見ている国々には色々な事情の違いもあります。保有する資源などは良い例でしょう。また、社会や生活全般に対する文化や意識のことなどからも、それぞれが同じ事を体験しても状況には差が生じましょうし..。
間違いないのは日本はすでに少子高齢化の時代であって、これからは人口オーナスの時代であると言うことです。そのため政府が子育て支援等々、人口増加政策を思案していると言うのには合点がいきます。自然のなせるままに任せておけば、世界的な環境の大きな変化が無いようでしたら、やがては少産少死で人口動態は静止状態になるのかも知れません。しかし、それとてあやふやな条件付きですからあてにはなりません。これからの政策と人口の状態がどのような姿であるか。こうした研究というのは大切なんだなぁと感じました。皆さんいかがお感じになりますか?
【人口オーナス・人口ボーナス・関連サイト】
http://kotobank.jp/word/%E4%BA%BA%E5%8F%A3%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%82%B9
コトバンク/人口オーナス
http://kotobank.jp/word/%E4%BA%BA%E5%8F%A3%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%82%B9
コトバンク/人口ボーナス
http://www.yafo.or.jp/self/asia/asia18/asia18_pdf/h18-1.pdf
人口ボーナス論からみた中国経済の現状と展望 ~人口構造変化 ...
http://www.jaas.or.jp/pdf/52-2/p48-50.pdf
開発経済学の新地平
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写真撮影:2010.02.07
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2009年 地理の部屋と佐渡島 yokoso_628
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http://blog.goo.ne.jp/dachasnowman/
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若者に仕事がないというのを聞くとかわいそうです。
でも派遣などという道を選んだ若者にも責任が
あります。
楽な方法を選んだ結果、不況になって仕事が
なくなったのだと思います。
またある年齢になったらこのような若者に仕事
を譲ることも大切だと思います。
私はもう時間に束縛される人生に別れを告げ
ましたから、これから自分のための人生を
楽しみたいと思っています。
健康を害してからでは何もできません。
なかなか難しい時代です。年々若年層の人口
比率が低下しているにも関わらず、雇用機会
は低下傾向。以前の様な就職プランが立てに
くくなっている現状があろうかと思います。
人口ボーナスや人口オーナスという言葉を
単純に鵜呑みにはできませんが、一つの現状
分析を提供してくれてはいるものと思います。
この先どうなるのでしょう。当方もあと10
年もしますと現役は引退ですが、我が子も含
め、後生のもの達が気がかりです。
人口ボーナスの言葉、始めて聞きました、
読んで居ますと、高齢化社会と、小子化社会の日本が良く解ります、
この先が心配な日本ですね、
ツグミ君、凛々しい姿ですね、
この子、優しくて、大人しくて
大好きです
朝からお勉強でした。
厳しい日本の現状がよく分かりますね。
フランスが人口増加へ動いているそうですよ。政策がよろしいとか・・・。福島さんにもがんばってもらいたいものです(笑い)。
当方も初めて知りました。
面白い言葉です。
ですが、テレビを見ているうちに
なるほどなぁと感じました。
番組での主たるテーマとは少し
ずれて文章化してみましたが、
日本の将来予測も感じられたりし
て、興味深いものを感じました。
さて、ツグミ。これは♀の方です
よね。色合いからしますと..。
少し堅苦しい内容になってしまうのですが、
あえて紹介させていただきました。
当方は高度経済成長期に育ち、ここで言う
人口ボーナス期の中にある日本で就職しま
した。当時の社会ではまだ終身雇用を含め、
仕事に就くという環境は従来からのイメー
ジで居られましたが、昨今の環境はどうも
違っていますよね。そんな中、これからの
世代はどのように立ち振る舞えるかが試さ
れるようです。
旅の思い出:エジプト旅行Ⅲに閲覧・コメントを頂、有難う御座いました!
今日から「牡蠣祭り」の様子をアップしていますので、お越し頂ければ幸せます!
人口オーナス・人口ボーナスと言う言葉は始めて知りました!
小生達の年齢は率を上げていると言う事ですね!?
日本が沈没しない様にするにはどの様にしたら良いのか考えさせられる所です
其れではまた!・・・
が、イマイチ理解度が足りなくて(-o-;)
20年間統計調査で、人口比率と失業率&就業率を集計してました。
尻上がりに失業率が高くなった時は、個人的に寒気がしました。
ボーナスやオーナスについてはまだ未知ですが、国の対策によって改善と希望が見えるのですね
それでも地球は回ると言う気もしますが、政治責任の範囲で歯止めが利くのかどうか。
私利私欲に走る人が、江戸時代よりも増えていると思いますがどうでしょうか。
地球を大切にしたいと思い、人も地球の構成員であることを思い、地球に生まれた生命のDNAを大切にしたいと思いますね。
若者に安定した就職先があれば子供も増えるでしょうね。