海潮寺の御所桜02 2013.04.29

ようこそ。地理の部屋と佐渡島へ。828

 

 

不条理

 

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　合理的でないとか、理にかなっていないこと。あるいは常識に反していること。なんて説明される。不条理にはマイナスのイメージしかない。しかし、世の中には「白いもの」を「黒と言え」と言ったような事が時にまかり通る。というより、現実の大人の世界では誰しもが体験する話である。

では、不の付かない条理とはなんと説明されるか。

　「物事のすじみち」とか「道理」と言うらしい。物事には表と裏。正と負。という相反するものがつきものであるが、「不」の一文字が付くことで善とは言い難い、あるいは決してプラスイメージではないものを感じてしまう。

 

 

 

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　ただ、条理にかなうだけが良いかというとそうでもないであろう。いわゆる、世の中「正論」だけじゃやっていけねぇよということである。人間界ではである。

　世の大人達は条理と不条理を使い分けているのだろうと推察するが、よくよく考えて見ると随分いい加減ものである。この使い分けの意味するところは、ダブルスタンダードという不条理とも言いたい。これががまかり通っているんじゃないかと言う事である。

　現実的には、ほどよく理性の少し感じられる不条理を目指せばよいだろうか。「白河の 清きに魚の 住みかねて もとの濁りの 田沼恋しき」 という狂歌を思いだす。

 

 

 

 

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　寛政の改革を推進した白河藩主の松平定信と、財政改革を推進したが故に、後に賄賂政治と糾弾された田沼意次の治世を比較した作品である。商業資本を中心に逼迫する幕府財政の改革を提案した田沼は正直な人と聞く。一方、田沼失脚後に質素倹約を旨に、幕府本来の米中心主義を基に経済引き締めによる改革を推進したのが松平定信である。寛政の改革は本当に時代の流れの理にかなっていたのであろうか。

　残念なことに歴史的評価は田沼に否定的なものをよく見る。が、安易にその評価には与せ無い。田沼政治を「濁り」と評価するのも、当時の時代的背景を考えるとそのとおりと言い難いところがあるのである。

 

 

 

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　やはり条理と不条理の関係である。どうにも条理が田沼で、不条理が松平定信のように思えてならない。いやいや、もしかすると松平定信にも一定の条理があるかもしれぬとも思える。現代を生きる者たちはこれに似た狭間の中をどう生きていくか。誰もがそのジレンマで生きているんじゃないかと思ってしまう。自分同様にである。我が身を支える条理とはなんぞや。

 

 

 

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　桜が何故開花するか。これは自然の摂理に他ならない。つまりは条理で生きていると言う事である。自然に不条理はなさそうだ。再三述べるが、例年ＧＷ後に開花するという法乗坊の種蒔き桜はすでに開花して終わっていた。一方、この御所桜は５月のＧＷ前に咲くのが常であったが、今年も例年通りの開花であった。そこにはそうなる条理があったはずである。「清きに魚は住みかねて」。いやいや、自然の美しさは条理の中にあるからで、ほどよく濁りを求めているのは、自分の都合に物事をあわせたい人間のようである。今年は残念。少しもったいないという思いを付けて御所桜を複数回にして紹介している。ご容赦願いたい。

 

 

 

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花は　花は　花は咲く

いつか生まれる君に

花は　花は　咲く

私は何を残しただろう

 

 

 

 

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写真撮影：2013.04.29
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2013年　地理の部屋と佐渡島　yokoso_828
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