日下公人さんが新刊を出されたようです。最近は車椅子での出演で、滅多にお目にかかれなくなって寂しく思ってましたが、まだまだお元気なようです。
その本を宮崎さんが書評で取り上げてくれています。何時ものようにご自分の体験も入れた書評は楽しい。
日下さんのあの日本人に対する暖かい話を聞きたいものです。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和2年(2020)7月11日(土曜日)弐 通巻第6580号
書評
統計や数字をつかう学者、エコノミストは怪しい
信用はお客で決めるのという「千年の常識」を思い出そう
日下公人『日本発の世界常識革命を』(ワック)
トランプはアメリカファーストを標榜した。台湾最大の新聞『自由新聞』のスローガンは「台湾第一」である。
ところが、日本はグローバリズム、国連第一であって、我が国の利益は二の次という自己卑下的な位置に甘んじている。
日下氏はまず「ニッポン・ファースト」で行こうと唱えられる。日本を見下す国に明日はないと明言される。つまり金正恩にも、文在寅にも、習近平にも明日はないということである。
他人様、ヒョウロンカとはまるで異なって独自な発言を連発されてきた日下氏は極めつきにユニークは世界観が基盤となっている。でも「ユニーク」という表現には語弊があり、氏のほうが常識的なのである。
だからなんとなく聞いていてほんわかとなる「日下節」にファンが多い。
冗談かと想って伺っていると、いつのまにか世の中がそうなっている場合が多い。意表を突くのではない。発想が「千年の常識」に立つからで、目に見えない伝統の裏打ちがあるのである。この基盤が分からないと、日下節に腹を立ててしまう人、とくに大手メディアや官僚に多い。
日下さんはまた李登輝ファンである。本書には李登輝さんとの秘話が意外に多く載っているが、評者(宮崎)が初めて耳にした話があって驚いた。憲政上、蒋経国が死亡したら副総統の李登輝が総統に就任するが、李登輝氏、暗殺されるとおもって柩の前にいたというのだ。
またさりげなく、こんな主張を挿入されている。
「あまり人には言えない話だが(中略)今の医療の目的は延命の一本槍だが、それは単に生命の『先延ばし』かも知れない。東洋的、日本的風土に根ざした医療はまだ発明されていないのである。早く言えば、『諦めて死ぬ』と言える医療である」(95p)。
日本は金融力でも世界一の頃、BIS規則を押しつけられた。
「金融の根本は信用で、信用は正体不明の浮き草である。だから自分で(自己資本比率などを)決めても良いのだが、そんな考えは日本にはなかった。そのためアメリカが信用を失って日本の方がよほど信用されるように変わったのに、長らく気がつかなかった。円高ドル安時代の到来である。信用はもともとお客がきめるもので、官庁が決めるものではない」(114p)
軽佻浮薄な言説がまかりとおる現在の論壇で、日下氏の発言は重要である。
『諦めて死ぬ』は、良いですね。今回のChina肺炎もChinaの思惑通り年寄りが狙いだったとすれば日本でこそ威力を発揮してもらいたかったものですが、どうやら日本人の民度の方がウィルスより強かったようです。
もし、ウィルスの効果が働いて、日本の私のような団塊の世代以上が減っていれば、日本は医療や福祉など老人対策で大幅な予算減額ができ、あっという間に素晴らしい国として蘇ったのじゃないでしょうか。少し残念な気がします。
早く、諦めて死にたいものです!
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