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アンジェラの灰

2007年05月01日 13時14分58秒 | 洋画1999年

 △アンジェラの灰(1999年 アメリカ、アイルランド 145分)

 原題 Angela's Ashes

 監督・出演/アラン・パーカー 音楽/ジョン・ウィリアムス

 出演/ロバート・カーライル エミリー・ワトソン キアラン・オーウェンズ

 

 △フランク・マコート『アンジェラの灰』より

 1930年代のアイルランド、リムリック。

 世界恐慌の時代。世界中はどこもかしこも貧しかった。

 とくにアイルランドは19世紀の半ばにジャガイモ飢饉を経験して、200万人もの人間がアメリカに移民しちゃったりして、とにかく人口そのものが少ない。これに加えて、湿気と寒気がものすごく、日照時間も短い。どん底のような貧乏状態に、この環境は相当な追い打ちになる。

 そんな暮らしを強いられたのが、原作者フランク・マコートの家族だ。

 ただね~、実話が元になっているとはいえ、ぼくは観ていられなかった。

 だって、かわいそすぎるんだもん。

 米国移住の前夜までが、あまりにも暗くて辛すぎる。父親は夢ばかり追いかけて、まともに働かず、アル中になってる。双子の子供が貧乏で死んだときですら、その棺桶を台に酒を飲む。

 プライドだけは高いから、道に落ちてる石炭なんか拾わない。けど、子供たちはそれをせっせと拾い、拾うんだけど、袋が破けてまた道に落とす。いたたまれない惨めさだ。母親が気丈で、しっかり家庭を支えようとするから、余計に辛い。

 もう、どうしようもない世界で、悲しくてやりきれない。

 アラン・パーカーはときどきこういう出口のない世界を映像にする。その才能と表現力と演出力はほんとうに見事だとおもうんだけど、この作品ばかりは、ぼくには辛すぎた。

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