◇ポネット(1996年 フランス 99分)
原題/Ponette
監督・脚本/ジャック・ドワイヨン 音楽/フィリップ・サルド
出演/ヴィクトワール・ティヴィソル マリー・トランティニャン デルフィン・シュルツ
◇ほかに手のない締め括り
撮影はどうやったんだろう?この子たちの演出はどうしたんだろう?っておもうくらい、子供たちはごく自然なやりとりをしている。まるでドキュメンタリを観ているような錯覚すら、受ける。どうやら、粗筋だけ用意して、台詞は撮影前に子供達の話から拾い集めたらしい。
これって、すごくない?
いや、まじめに凄いんだけど、母親の死を受け入れられない幼児性を、どうやったら克服させられるんだろうという主題になる点で、幻想とも奇蹟ともつかぬ曖昧さを持ってくるしかなかったのも、もう、こればかりはどうしようもなく、よくわかる。
にしても、4歳で母親を失うという事実に直面したとき、いったい、現実に、4歳の子はどんなふうに受け止めるんだろう。かわいそうすぎて想像するちからすら失せてしまうんだけど、実際にそういう子供たちはたくさんいるんだもんね。
ひたすら、その気持ちだけを見つめる映画ってのは、あるようでないよな~と、おもった。