◎メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮(2015年 アメリカ 129分)
原題 Maze Runner:The Scorch Trials
監督 ウェス・ボール
◎もはやこれは第2ステージとはいわない
前作が迷路脱出劇として上手にまとまっていたから、むりやり続編を作り始めたようにおもえて仕方ないんだけど、そんなことはないんだろうか?
あ、でも、ぼくはこの展開はとても好きだ。迷路から脱出した主人公たちは、自分たちと同じ境遇の若者が多数いることを知り、それは結局、特殊な人間を選び出すための方法で、そうしなければならないほど世界は破滅に向かっていて、でも、世界を破滅させつつある人間たちが利用しようとしている若者たちはそうした破滅者たちへの叛乱を企てていて人知れずコロニーを作って叛旗を掲げようとしているとかいう筋立てをおもうと、ああ、これもまたそういう展開なのかと、ちょっとだけ溜め息と苦笑いが浮かんでしまう。
だって『ハンガー・ゲーム』も『ダイバージェント』も、結局、似たような展開になっちゃうんだもんね。ただ巨大な権力があり、それは正義を否定してでも自分たちの栄耀栄華を永遠のものにしたいと望んでおり、そうした国家など意味がないとした選ばれし若者たちが叛乱をおこし、やがてかれらは伝説中の英雄となっていくというのは、なるほどアメリカ建国であるとか、人民による革命であるとかいった歴史をほうふつさせるわけで、明治維新を経験した日本もまたそうである以上、こういう作品に身を入れてしまいたくなるのは無理もないことなんだよな。