◇ランボー3 怒りのアフガン(1988年 アメリカ 101分)
原題 Rambo III
監督 ピーター・マクドナルド
◇108人の死者
煩悩の数と一緒っていうのは単なる偶然なんだろうけど、よくもまあそれだけ戦ったもんだっていうくらい、よく戦ってる。でも、なんでだろう、スタローンが戦ってる場面よりも矢で受けた傷を焼いて治療するところの方が鮮明だ。
この映画はどうやら前作の3分の1くらいしか興行収入が上がらなかったらしいんだけど、それもありなんって感じだ。だって、そもそもランボーっていう人間は、アメリカ合衆国に認められなかったベトナム帰還兵を代表する立場にいるわけで、ロッキーみたいに星条旗を背負っちゃったらなんだか違うんじゃない?って気もするもんね。
だからだろうか、この映画が公開された後、今度は「怒りのパナマ運河」とかになるんじゃないかって噂がどっからともなく聞こえてきたり、アジアの国でもまだまだ行かないといけないところがあるだろ、みたいな話もあった。結局のところ、ソ連もこの映画が世に出たあたりに崩壊したし、強烈な仮想敵国がなくなっていったことでランボーもその戦いの場がなくなっていったっていったんだね。
ただまあ、前作よりも物語そのものが求心力を失くしてきたような観があるし、いたずらにアクションに重点が置かれていったんだな~ってのが垣間見えるのはちょっと辛い。そうなってくるとせっかくの音楽も色褪せて聞こえちゃうんだから、やっぱり筋立てって大切なんだね。