◇思い出のマーニー(2014年 日本 103分)
監督 米林宏昌
◇北海道リトル・オーバートン
うまくまとめられた佳品っていう感じなんだけど、見ているとなんともいえない不思議な居心地になるのはたぶん原作の舞台がイギリスのノーフォーク州でそれがそのまま印象として残されているのと、人物の設定から類推される時代背景がどうしても日本のそれとはそぐわないことからなんだろう。
もちろん、それは作品のおもしろさとかそういうこととはまったく無関係で、物語を楽しもうとする上においてそんなことは些細なことでどうでもいい感想なんだろうけど、ぼくは素朴にそんな印象を受けた。まあ、干潟のある入り江に立っている洋館になんでか知らないけど厳しいばあやに育てられている幽閉されたような青い眼の少女がいるとかいった、時代を超えて日本と英国とが融合してしまったかのような世界は、どうしてもそんな感覚を抱かせるんじゃないかっておもわないではないけどね。
ちなみに、ぼくはスタジオ・ジブリから直線距離で200メートルくらいのところに住んでる。道がずどんと繋がってるわけじゃないから数十秒で到着はできないけど、でも散歩の途中で「ああ、今日も二馬力に灯が点ってるな」とかいうこともよくあったりする。で、東京郊外のその一角を眺めてると、なんとなくマーニーがいるような気もしないではない。なんかちょっと日本じゃない感じなのよ。