◎スライディング・ドア(1998年 イギリス、アメリカ 99分)
原題 Sliding Doors
監督・脚本 ピーター・ハウィット
◎ドアを開けたか開けないかの分かれ道
運命というのはほんとに皮肉にできていて、地下鉄のドアを抉じ開けるというのはなんだか自分で運命を切り開いているような感じがして途中まで新たな男と出会ったり、たとえその男が既婚者でも離婚申請中だったりと良い方へ流れていくような気がするんだけど、実はむりやり運命をひきよせてしまってもいきなり事故に遭って死んじゃった利と、どこかで破綻が生じちゃうかもしれないから気をつけてねっていう物語がひとつ。
運命というのはなんとなく上手にできているもので、地下鉄のドアが眼の前で閉じちゃっても、それがなにも運命が閉じちゃうというわけではなく、そのせいで恋人の浮気が発覚してもその男は所詮つまらない男だったんだことがわかるし、それから先も騙されて続けていったところでやがては真実に気づき、みずから「出てって」といえるような自分になれるものだし、やがては運命の人とも出会えるようになってるんだから、人生ってのは決して焦らず、無理をしないでも大丈夫なんだよっていう物語がひとつ。
うん、うまくふたつの物語を噛み合わせてるね。