◎オートマタ(2014年 スペイン、ブルガリア 109分)
原題 Automata
監督・脚本 ガベ・イバニェス
◎スペイン版ブレード・ランナー
舞台は絶望的な未来観満載の2044年だし、なんでか知らないけど日本語のアナウンスとか聞こえてくるし、なんといってもアントニオ・バンデラスの娘を出産する奥さんの名前はレイチェルだし、酸性雨は降ってるし、結局、ロボットが自らの意思で行動するようになるし、どうしても『ブレード・ランナー』がおもいだされちゃうのは仕方のないことなんだろう。
でも、おもしろかった。
題名はここで人工知能が完全な意思を持つようになるオートマタ・ピルグリム7000型から来てるんだけど、もうちょっと文学的な方が良かったような気がしないでもない。ただまあ、どんな時代になってもロボットのダッチ・ワイフていうか娼婦は作られちゃうんだな~って感じだ。それがなんとも綾波レイもどきのスタイルと髪型ってところも、なんていうか、ね。
とはいえ、その娼婦オートマタ(日本語だと自動閨と書かれそうでなんとも)がバンデラスの命を助けていく内に、ダンスを習っていったりすることもあったりして、徐々に感情が芽生えてくるのがいいところだ。オートマタの人工知能が最初に抱く感情が恋ってが気が利いてる。さらには、その「彼女」がバンデラスが奥さんと生まれたばかりの娘を掻き抱いているのを見たとき、涙は流せないけど、それまで被っていた人間の仮面を取り去る演出も僕の好みだ。ちょっとあざといけどね。