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☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

JFK

2016年03月05日 18時02分31秒 | 洋画1991年

 ☆JFK(1991年 アメリカ 189分)

 原題 JFK

 監督 オリバー・ストーン

 

 ☆ディレクター・カット版は206分

 歴史の暗部を掘り下げた作品は昔から贔屓にしていて、この作品もそれに洩れない。

 なんていうのか、おおやけにされている歴史、とくに近代史や現代史の場合、上っ面だけをさらりと流してしまうことが多々あるようにおもえるのはたぶん僕だけじゃなくて、だからこういう作品が好まれるのだろう。もちろん、歴史における真実はたったひとつしかないんだけど、そこにたくさんの人間が絡んできたり、目撃者の証言など事件を取り巻く状況がきわめて曖昧な場合、どうしてもその真実にいたるのは困難なものとなってしまう。このケネディ大統領暗殺事件もそうしたもののひとつだ。

 で、当然、ぼくらはその真実を知りたいとおもうし、たとえ真実でなくても歴史の暗部をほじくりだそうと試みているものは見たくなる。この作品の場合、原案になっているのは事件の捜査にあたった地方検事ジム・ギャリソンの記憶によるものだから、たしかにジムの立場に偏ったものになるのは否めない。けれど、正義を追及しようとする姿勢は、よく感じられるし、きわめて興味深く鑑賞できた。だからといってケネディ暗殺事件について事細かに憶えていられるかといえばさすがに無理で、ドナルド・サザーランド演じるX大佐が指で5つ数えるのがものすごくかっこよかったな~っていうくらいの感想しかない。

 ただ、どうやら、この作品の場合、後に確認された物証などとはやや違った点がいくつかあったり、また作中で語られなかった事実もかなりあったりするらしいんだけど、ぼくにいわせればそれは無理もないことで、そうした取捨選択があるのは当作品がオリバー・ストーンによる事件の見方だからで、作品世界そのものを愉しむかどうかということと、歴史的な真実をうんぬんするということは別物なんだよね。

 でも、何度観直しても、この作品はおもしろい。

 

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