△タクスゥ 魂の踊り子(2011年 日本 58分)
監督・撮影・編集/仁田美帆
△バリ島の舞踏
ニ・クトゥット・チュニックという推定86歳の舞踏家の晩年を取材したドキュメンタリーなんだけど、たしかにこのおばあさんの手の動きは、会話をしていて踊りの話になると、ちょっとその振りをしてくれるんだけど、ぴたりと決まる。長年、踊ってないとこうはいかない。
舞踏の歴史に名を遺しただけのことはあって、彼女のあとを継いでゆく女の人達はもちろん現代においては第一人者になるんだろうけど、やっぱり、ぴたりと決まらない。
ただ、編集、もう少し刈り込んだ好いんじゃないかしらね。冒頭から、なんとなくそう感じた。ドキュメンタリーは素材をどれだけ集めて、あらためて脚本を書いて、そこで編集するわけだけれども、このとき、どうしても自分で撮影したものは一秒でも多く残したくなる。それは仕方のないことなんだけどね。
もうひとつ、視点をもうすこし大きく捉えた方が良いような気もする。バリにとって舞踏とはなんなのか、バリの舞踏はどのように生まれ、受け継がれてきたのか、そのあたりの大枠がもっと語られててもいいのかな。あと、彼女の村についての情報が乏しすぎる気もした。
こうしたところまで語らないといけないのは、ほんと、難しいけどね。