▽男はつらいよ 寅次郎頑張れ!(1977年 日本 95分)
監督/山田洋次 音楽/山本直純
出演/渥美清 倍賞千恵子 前田吟 笠智衆 三崎千恵子 太宰久雄 中村雅俊 藤村志保
▽第20作 1977年12月24日
いや、ほんとに、寅次郎頑張れ!だよ。
ラスト、いつまでたっても、まるで変わらない、いや、変わることのできない寅は『寅次郎純情詩集』同様、また、旅芸人坂東鶴八郎の一座に出くわし「先生」と呼ばれ、軽トラの荷台に乗り込んで町まで送っ手もらいつつ、おそらくまた、今夜の芝居に呼ばれるにちがいない。
結果は、わかってる。
いつものとおりたかられて、いいとこ見せようと大盤振る舞いし、あげくのはてに無銭飲食で警察に捕まり、さくらは正月明けにその町へと急ぐのだ。あの軽トラは、地獄に堕ちていくための火の車だね。
にしても、大竹しのぶ、当時のお決まりの「とぼけながらもほんとは芯が強いんだよ的な演技」だったし、中村雅俊もあれこれ辛かったろう。いくら、世話になってる松竹作品とはいえ、田舎出の純情で奥手な配線工というのは苦手な役だったろうなあって。
それはともかく、雅俊さんに「寅さんをこれ以上傷つけるな」と卑怯な心を見透かされたように告げられる藤村志保だけど、実は、寅も寅だ。店の留守番を任されながら、それすらできずに、藤村志保に会いたい一心で平戸島から柴又まで帰ってくる無責任さは、どうだろうな。
まじで、頑張れよっておもうわ。