△男はつらいよ 寅次郎純情詩集(1976年 日本 104分)
監督/山田洋次 音楽/山本直純
出演/渥美清 倍賞千恵子 前田吟 笠智衆 三崎千恵子 太宰久雄 檀ふみ 京マチ子
△第18作 1976年12月25日
京マチ子が没落したお嬢さんで戦争成金の嫁になって檀ふみを産むという設定はなんとなく覚えてるけど、ここでも寅は両想いだ。
「お母さんを好きだったの?」
「そんなわけねえだろ」
「お母さんは寅さんを好きだったわ。亡くなる前の1か月は人生で一番楽しそうだったもの」
とかいう流れは、この頃から寅がモテる男になっていく感じなんだろね。
ただ、こういう逃げ腰というか、土壇場でとぼける寅を卑怯というのか、あるいは意気地なしとなじるのか、よくわからないけど、見ていてあんまり気持ちのいい態度じゃないな。男らしくないっていえばいいのかどうかもわからないけどさ。
にもかかわらず、最後の柴又のホームでの見送りも、やけに物分かりのいい兄妹になってんだよね。これはどういうことなんだろう。京マチ子の心情に対して、寅はどういう配慮をもって臨むべきだったんだろう。京マチ子の寅への気持ちが本気だったとしたら、童貞のような臆病さでたじろいでしまっていいのだろうか。
難しいな。
アラビアのトランスとかいってる場合じゃないぞ、まじ。