「小説:小樽の翠」600回も続くと、過去を振り返る程のストックができてくる。
裸婦はクロッキーが3,000枚ほどあるので、あとはポージングを考えればよいから比較的楽だ。難儀なのは建築物。建築を仕事にしてきて建築は描きたくないというのは矛盾しているが、窓や屋根を遠近感に合わせて描くのが面倒だ。さらに街になると私たちが認識している以上に描くべき要素が多く出現する。だから、このドローイングでも写実的に描いた建築や街の姿は大変少ない。
写実的に描くといっても雪の降る最中でスケッチをするのは難儀。そこで私が撮影した画像から起こしている。トップの画像は住之江教会(2020年12月5日)。さらに2番目の画像((2021年1月12日)は小樽商店街がある都通りから1本山側へ入った横丁。
最も多数の風景のほとんどは想像で描いている。小樽の街を歩き回ったので、この程度の風景ならば小樽やその周辺にもありそうだとする考え方だ。
こうしてドローイング・シリーズの過去を振り返ると感性的絵日記としての面白さがある。毎日感性が向くままに描いていても、そのとき時々の創作の気分を思い出すからだ。
現代のライフスタイルとは逆の、小樽の街を舞台にしたもう一つのライフスタイルを小説という形式で探ろうというのが意図。それはマーケティング手法であるペルソナ法を敷衍している事に変わりはない。ライフスタイルのマーケティングというべきか・・・。