貴方は、知らない人間にレンズを向ける勇気がありますか?。
ストリートスナップ程、勇気と知恵が必要になる。撮影する毎に相手の了解を取り付けたあげく撮影させてもらっていたらVサインなんかだしてサービスしてくれたりする。そこから街の空気は逃げ去ってしまう。人は誰でもカメラを意識する。だから意識されないように撮って、相手にわからないように撮影者が消えてゆくのが理想のスタイル。
たまたまカメラを構えていたところに、貴方が通過したのですよというぐらいのスタンスで堂々と構えてシャッターを切るというのが勇気というずるさだろうか。
フィルムカメラは機構的だから音が出る。その音は小さいほどよい。ここで使用した京セラSlim-Tは、音が小さい上にボディ上部にもう一つのファインダーがついている。だから腰の位置で構えられる。欠点はオートフォーカスが遅いこと。因みに音が小さいカメラの典型は、ライツ・ライカ。
こうしたストリートスナップの名手は、フランス20世紀の写真家アンリ・カリティエ=ブレッソン。彼は画家を目指していたからデッサンが出来る。つまり構図がとれる。動く世界を写真で切り取るために、焦点距離も露出もピントも全て固定し構図に集中したといわれている。彼の写真集の原題「Image a la sauvette(逃げ去るイメージ)」は、次の瞬間には消えてしまうイメージの危うさを語っている。かれもまた手のなかに収まるライツを愛用した。
さて、勇気をだして渋谷でギャル達をテーマに撮ろうか・・・。それは本当に場の空気を読む力と勇気を必要とする。今なら盗撮呼ばわりされて警察沙汰になるかもしれない。だから撮影画像がすぐには見られないフィルムカメラの方が優れものである。画像を見せろと言われたら、おもむろにカメラからフィルムを撮りだし、ハイこれです!。それでフィルムは光に感光し画像は消滅する(笑)。
そんなギャル達を撮りつつ目指したのは、ブログトップ画像の写真が撮りたかったのである。それはギャル達の隙間に見え隠れする渋谷の街の空気だった。