Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編566. 再びラスターデータとベクターデータ

2023年01月29日 | field work

 何故フィールドワークに出かけるかといえば、学術論文を執筆し映像作品を作るため。目下論文は2年先のテーマ迄決まっている。であればデータや資料をあつめなければならない。
 トップ画像はそうした資料の一つ。1/2500の都市地形図の等高線を1m毎にトレースし、3DCGソフトで立体化して地形のモデルをつくる。その前段階の作業だ。
・・・
 文科系「公文書館から地図をデジタルで入手し、3DCGに読み込ませて立体化すれば簡単じゃん」、・・・と文科系の人間はいう。なにしろ文科系だからテクニカルな事柄を無視して作業方針を決めてくれる。
 観察鋭い工学系の人間は、「これってラスターデータ(画像)ですよね。3DCGのモデリングはベクターデータしか扱いませんよ。ラスターデータをスキャナーでベクターデータに変換できるかどうかは疑問ですよ!?・・・」
 そして工学系人間は、変換できなかった場合に行う作業量の膨大さに顔が暗くなる。いつもそうだが、文科系人種の発想は断片情報を集めて一つにストーリー化するが、テクニカル要素をほぼ無視してくれる。したがって実現できない妄想を押しつける結果になる。始末が悪いことに自分では手を出さない、というか出せる技術がないから心理を逆手にとって工学系人種にやらせようとする。
 文科系「いまはスキャナーの性能が良いから簡単だよ・・・!」
 工学系「スキャナーのソフトはなんですか?」
 文科系「知らん!」
 工学系「(ソフトの仕様もわからんで性能が良いという論拠は成立するのかよ?)」
・・・
 工学系「公文書館に問い合わせたら、画像でしか配布しないですよ」
 文科系「なんでもいいじゃん、こんなのに金払うのかよ!!。どっかのサイトからコピーしろよ!!!」
 工学系「つまり3DCGではラスター(画像)データからのモデリングはできません!。画像データを手作業で等高線をトレースし、ベクターデータに書き換え、3DCGソフトに読み込ませる工程になります・・・。等高線1m毎にファイルをつくってトレースし、3DCGソフトに逐一読み込ませる大変手間のかかる作業です。緻密で忍耐が必要な作業を誰がやるんですか!?、・・・・」
・・・
 文科系は、自分の手で物をつくってきた経験がない。お家の日曜大工ぐらいじゃあねぇー。つまり技術知識皆無の口だけが走り回る無責任人種文科系には、いつもトホホなのである。
 そんなやりとりを想像しながら、私は緻密で忍耐力を伴う作業をしていた。文科系が側にいなくてよかったぜ。それでも1週間はかからなかった。
 そもそも地図情報をラスターデータで配布する公文書館の無知が原因だ。一般的な地図原本はベクターデータでなければ作成できないが、それをラスターデータに変換してから配布する役所のデジタル音痴には呆れる。
 何処の地形かって!?。
 現存する沖縄県今帰仁城跡の地形3Dモデル。目下連続テーマで執筆している沖縄巨大グスク建築群創造復元シリーズ最後の論文。これを書き上げて3DCG上に往事の建築群を想像復元できれば、さらば!!、沖縄ですね。

コメント
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