都市デザインの研究者のみならず歩きに関心をもっていれば、下北沢の錯綜した空間にときめきを感じるでしょう。狭隘なところに密集した店舗をみていれば、そんな店舗の奥まった空間に入り込みジャズを聴いている心地よさを体験できるだろう。
私も所用で何ヶ月かに一度は、この街へきた。いつも心はときめくが、何故か肩に力がはいりすぎ思ったほど写真は撮れなかった。多分ここではこの街の住民のような感覚でいる事が必要なのだろう。
それでも駅前の植え込みのヘリに座って劇場の舞台を眺めるように、人々の所作を観察するのは面白い。概して若いカップルが多い。この周囲の古いマンションなどを住処とし、歩いてゆける範囲で生活ができる。それは住みやすいのだろう。
今では小田急線が地下駅になったから、駅前の市場もないだろうし、乱雑に置かれた自転車も整理されただろうし、この界隈も変わってしまったと推測している。そして今は私自身がこの街に用事がなくなった事もあり、多分もう行くことはない。
デュープ画像は日付撮影機材を名前にしている。これをみるとコンタックススリムTと書いてある。でもトップ画像なんかライツの望遠レンズだろうな。そんな記憶が曖昧になるほど、この街は混沌としているようだ。