気をつけよ甘い言葉と暗い道


 若い女性への言葉だと思っていたが、今は、誰にも当てはまる言い得た言葉だ。

 どこへ行っても商売の作り顔か浮かれた人以外は子どもも、大人も表情が暗い。不安の時代、閉塞時代と為政者自ら評す世の中だから、暗く前が見えにくい道を歩いている感じなのだろう。
 
 国会の議員さんは総理を始め、与野党関係なくテレビに出てくる人は皆表情が暗い。元気が良くても大声で怒っているか、悪乗りして浮かれているかの違いだけ。顔を見てホッと安心する顔は私はお目にかかっていない。

 暗さの自覚は人により違いはあるだろうが恐らく程度の違い。身近でも、真から明るい人はあまり出会わない。

 甘い言葉のほうはどうだろう?
 いざなぎ景気を上回る(好景気)と政府も日銀も証券関係のアナリストも口をそろえて言って久しい。政府の看板は「美しい日本」の国づくり。誰でも憧れる言葉だ。親へは子どもの学力と規範意識の向上を宣言し、子どもには「いじめをなくす」「いじめに負けるな」と大声で励ます。老人には「金持ち世代」と持ち上げる。甘い言葉はあちこちに、ちらべられ溢れてる。

 暗い人々の顔を見ると、これが甘い言葉に過ぎないことがわかる。今の時代は、朝日の社説にもあったが、国民全体が、夢ある言葉で戦争に向かったあの時代を思い出させる。あの戦争も為政者も結果が分っていて戦争に向かったのではないだろう。日本の発展を願ってのことに違いない。しかし今考えると、現実と結果は明らかに人々の思いとは違っていた。

 今の暗い空気と人々の知性や理性の喪失を思わせるに荒れや乱暴は日本だけでなく世界中に見られる現象だろう。あの時代は一応、地球の資源は無限だと、誰しも暗黙の前提として考えていたにちがいない。

 今は温暖化に見られるように、地球が有限であることはかなり多くのの小学生でも分ってきているし、どこでか感じている。好景気も、美しい日本も、教育改革も掛け声をかけている人は本気だと思うが、果たして?とかなりの人が感じているのではないかと思う。暗い顔はそれを表していないか。どの野党も、メディアの解説も、専門家として紹介される大学教授も、政府の政策に批判的な論評を含め根っこは似たり寄ったりで時代を把握していない。政権交代や政権争・選挙以前の問題だ。【最近本当にどこに投票していいか困る。前回は白紙投票の選択しか出来なかった】
 
世の中は上から下までどこでも裸の王様がいっぱいではないか。
童話の「裸の王様」に出てくる子どものように、見たまま「王様は裸だ!」と私のような喘息もちの老人でなく、元気のいい若者が言ってあげたらいい。

 暗い顔の裏で感じている現実は総理も私も子ども達も、そして少々怒っているお天道様【地球】も同じではないかな。朝から晩まで茶の間に押し入る商売上のお笑いの喋りや作り笑いやバカ笑いも、ピエロのように悲しさを含んでいるかのもしれないが、実際その辺は、まだ私にはよく分らない。

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