昨日の昼過ぎ、私は睡魔に襲われながら営業所へ戻った。昼寝休憩に入るためである。しかし、ある上司から呼び出されてしまった。毎月一回必ず出席しなければならない“会議みたいなもの”に、今月は私が出ていなかったからである。そして、眠気で半分ボォ~ッとしたまま上司と個人面談のように話をして、最後に「もっとスピードを落とすように… 遅れているからって、出して良いわけではない」と言われた。そりゃそうだけど… バスが遅れていると、ついつい全体の流れに乗って走ってしまう私であった… それでいいのか?
それじゃ~ってんで、今日の“バスレーンくねくね路線”では、私は“抜け殻”となって運転するように心掛けた。少しでも“やる気”を出すと、流れに乗って走ってしまうので、やる気を出さないように… “心”を持たないように… その効果なのか、何があっても「カチンッ!」くることはなかったけれど、朝7時に営業所を出てから10時半に某ターミナルで休憩に入るまで、遅れっ放しの走りっ放しの謝りっ放しになってしまった。また、休憩後の11時過ぎから15時前までも、同じく走りっ放しになってしまった… これでいいのか!?
そんな長時間運転の最中… 信号待ちの時に、一人の男性が運転席の横へやってきて、抜け殻状態の私に一枚のメモを差し出した。私はてっきり「このボケ運転士! もっと速く走れ! バスが遅れとるだろう!」とでも書いてあるのかと思ったら… 「松井運転士はエンジェルスの松井選手と親戚ですか? いつも安全運転、サンキュ!」みたいなことが、上手な字で書いてあったのである。もちろん私は「いいえ、親戚ではありません」という意味で手を振ったのだが、このメモが“抜け殻にエサ”というか“砂漠に水”というか… 乾いていたはずの私が思わず笑ってしまった。
この男性の“メモ作戦”を… 私もいつかどこかでやってみたいと思ったけれど、私の場合は「これ、何て書いてあるの? 字が下手くそで読めんがや!」と言われそうだからなぁ…