あるバス停に近付いて行くと、一人のお爺さんが立っていた。が、その前に… 一台のマイカーが「私はバスです」と言わんばかりの位置で止まっていた。私は一瞬「誰かがお爺さんをバス停まで送って来たのかな?」と思ったのだが…
お爺さんの激しい動きを見ると、マイカーに対して「おい、もうバスが来とるんだてぇ~! 邪魔だで早よどきゃあ~!」とでも怒鳴っているようだった。しかし、マイカーの動きは緩慢で、なぜか1mほど前進しただけだった。
もしも降車客扱いだけならば、バス停よりも少し手前にバスを止めるのだが… 私は、お爺さんの立っている位置(バス停!)に前扉を合わせて止めた。そして、そうすることによって、そのマイカーにギリギリまで接近してしまったのである。
お爺さんは「お願いします」と言いながら乗ってきたのだが、まだマイカーを気にしているようだった。私はお爺さんの遺志…(こらこら!) 意志を受け継ぎ、「お前は何処に止まっとるんだぁ~!」と思いながら“軽く”クラクションを鳴らした。
しかし… 相変わらずマイカーの動きは緩慢で、50cmくらいしか前進せず… それではバスが発車できないので、私は再びクラクションを鳴らした。そこでようやく2mくらい前進してくれたので、バスは発車することができたのだが… 「バス停の存在に気付いていないのか!?」と思えるほどの…???
終点の某駅に到着すると、お爺さんは「ありがとぉ~う!」と元気よく(機嫌よく!?)降りて行った… もしも、お爺さんの意志を受け継いだ私のクラクションに満足してくれたのだとしたら、これも“お客様満足”ということかも…(あんたバカぁ? そんなわけないでしょ!)