バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

誰も乗っていないと思うなかれ…

2011年07月09日 18時20分43秒 | バス運転士
入社した頃に先輩運転士から聞いた話は数々あれど… その中でも「もう誰も乗っていないと思って歌っていたら、すぐ後ろ(背後席)から咳払いが聞こえた(そして「運転士さん、上手ですね」と言われたこともあったらしい)」という話が多かった。

そのようなアドバイスを参考に… 私は、途中で最後の一人が降りて「もう誰もいないようだ」と思っても、それまで通り「○○停、通過します」などと普通にやるようにしている。

しかし、普段から乗車人数が少ない路線では“鼻歌の誘惑”がやってくる。例えば、始発点の某駅で2人だけが乗り、途中で1人降り、しばらくしてもう1人降り… こんな私にも「もう誰も乗っていない」と分かるのである。

そして、ちょっと鼻歌が出始めたところで「ピィー!」と降車ブザーが鳴った… のど自慢での“鐘一つ”のように… そう、アホな私は“途中で乗った人”をすっかり忘れていたのである。「やはり“常に誰か乗っている”と思って運転しなければ…」と決意した私である。

時々、車内から「バサッ」とか「カタッ」とかいうような音が聞こえることがあり、「やっぱり誰かいるんだな」と思いながら終点で「ご乗車ありがとう~(以下略)」と言っても誰も降りず… 運転席から身を乗り出して車内を見ても誰もおらず… 車内掲示物がはがれ落ちた形跡もなく… ま、気にしない気にしない…