某駅を発車して、一つ目のバス停を通過した頃… 車内から女性の話し声が聞こえてきた。その時は、数名の乗客がバラバラに座っていたので、乗客同士の会話ということは有り得なかった。
だから私は「誰かがケータイで話し始めたに違いない!」と思って、車内ミラーをチラチラと見ながら走っていたところ… しばらくして、その声の主と思われる女性を発見した。
そして「すぐに注意をしなければ!」と思ったのだが… 言葉を発する前に、その女性がケータイを持っていないことに気が付いた。そこで、もう一度よぉ~く見てみると、やや下を向いている女性の手には“一冊の本”があったのである。
そう、彼女はその本を“音読”していたのだ。電車やバスの中では… というか、学校の授業以外では“黙読”するのが普通だと思っている私はとても驚いた。それと同時に「注意しなければ!」などという考えは消えてしまった…
ケータイでの通話は注意するけれど、乗客同士の会話や独り言などは注意しない。つまり「本の音読=独り言」と同等と判断したのである。なぜ独り言はいいのかって!? だって、運転士が“独り言”を言っているくらいだからねぇ… なんちゃって! ハハハ…