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バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

世界は二人のために!?

2012年02月08日 21時09分02秒 | バス運転士

某駅のバス乗り場から発車した私のバスは、すぐ駅前の交差点で赤信号に引っかかった。そこを右折するので右車線に入ったのだが、すでに左車線には左折して行くバスが止まっていたので、停止線よりも5~6m手前に控えて止まった。

すると、まずは私から見て左右から来る車の信号が青になった(その次に対向車の信号が青になり、その後に私のバスを含む車たちの信号が青になる)のだが… 交差点の右から私のバスの方へゆっくりと左折してきた軽トラが、なぜか横断歩道の上で止まってしまった。

私が「私の死角から歩行者が接近中なのか? それとも故障してしまったのか!?」と思っていたら、歩道で信号待ちをしているようにしか見えなかったお婆さんが、ゆっくりと軽トラに近付いて行った。

そして、慌てることなくゆっくりと荷台に荷物を載せて、ゆっくりとドアを開けて、ゆっくりと乗り込んで助手席に座った… その間に信号は変わっており、軽トラと私のバスの間を、対向車が次々と走り抜けて行った。

そして、対向車が途切れると(というか信号が変わった!)、軽トラのお爺さんは何事もなかったかのようにゆっくりと走り出した。最初から最後まで、ハザードもウインカーも何も出さず…

その軽トラ側は一車線しかないので、私のバスが普通に停止線の直前で止まっていたら、対向車は一台も動けなかったに違いない。そして、クラクションをバンバン鳴らされ、場合によっては“事件”になっていたかもしれない。

もしも左折するバスがいなかったら? もしも私が停止線の5~6m手前に控えなかったら? もしも、もしも… いや“もしも”はない! すべては二人のために動いていたのである。(んなアホなぁ~!)