ある日、電車に乗った。自分一人だったら立ったままだが、母も一緒だったので空いている席に座った。私たちが乗ってから二つ目の駅を発車した時、通路を歩いてきた男性が突然「○○?(駅名)」と私に尋ねた。
見ると、彼は外国人だった。その体からは、時々バス車内にも漂ってくる“私の好きではない香り(香水の一種?)”が発せられていた。私は、その香りに耐えながら「次は△△、その次が○○」と簡潔に答えた。
「○○? △△?」「次、○○。その次、△△」という問答を繰り返した後、彼は立ち去っ… と思ったら、なんと彼が私の隣に座って紙を取り出した。予想通り、それは目的地とその周辺地図だった。
そして彼は「今日ハ試験」「合格シタラ仕事デキル」「ヤル事ガナイト、一日ガナガイ」などと話し始めた。私は「はぁ…」「そう…」と相槌を打ちながら聞いていただけ…
ところが、母は「そうね。給料が安くても働いていた方がいい」「健康なんだから、体を動かさなきゃもったいない」などと会話を始めたのであった。話をしていると、時間が経つのは早いもので… 気が付けば電車は△△に到着しており、彼は降りて行った。
それはそうと「なぜ私に声を掛けたのだろう? 他にも乗客はたくさんいたのに…」という疑問が浮かんだ時、私は“以前、ここに書いた話”を思い出した。それは【近所の歩道上で擦れ違った外国人から、いきなり彼の母国語と思われる言語で話し掛けられ… しかも、とても親しげに…】という話である。
私の顔が、特に外国人っぽいとは思わないのだが… ひょっとして、私の知らない何処かの国には、こんな顔がたくさん歩いているのだろうか…??? う~む… 行ってみたいような、見たくないような…(誰も見たくねぇよ! 気持ち悪い…)