バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

爺さん婆さんの要望

2017年07月24日 18時57分39秒 | バス運転士
先日、ある交差点で信号待ちをしていた時のこと… いつものように運行支援システムの「斜め左です」という音声を流しっ放しにしていたら(と言うと聞こえが悪いけれど、私は上司から言われた通り“音声を途中で止めないように”しているだけなのだが…)、1人のお爺さんが運転席の横までやって来て、「うるさいから止めてくれ!」と言ったのである。

突然のことに驚いた私は、反射的に「は?」と声を出してしまった。その後すぐに「止めないように言われているので…」と説明をしようと思ったのだが、その時、すでにお爺さんは私に背を向け、自分の席へ戻って行くところだったので、「言いっ放しってことは… くしゃみと同じだから返答する必要はないのか」と思った。

また、B駅発・某住宅地行きを担当、途中のA駅ターミナルへ入った時のこと… そのターミナルは、大雑把に言うと“コの字型”になっていて、コの字の上辺に降車停&コの字の下辺に乗車停があるので、降車停で止まって降車客扱いをした後、乗車停へ移動して乗車客扱いをするのだが…

その乗車客扱い中に、突然、車内から「降りまぁ~す」と言うお婆さんの声が聞こえてきた。その言い方といい、車内ミラーに映った姿といい… 悪びれる様子もなく… 当たり前のように中扉の内側に立っていたのである。う~む… 確信犯なのか? 降車亭よりも、乗車停で降りた方が目的地に近いのか!? きっと、そうなんだろうなぁ…

さらに、そのA駅が終点だった時のこと… 降車停で10名ほどの乗客が降りるのを見ていたら、1人のお婆さんが「あのぉ…」と言いながら近付いて来たので、「また何か要望でも!?」と身構えたのだが、「これ、少ないけど… 良かったら食べて」と言いながら“個包装のナッツ入りチョコレート2粒”を差し出されたのだった。私は有難く頂戴して… 自宅の冷蔵庫で冷やしてから食べました。だって、お婆さんの熱い愛でチョコレートが溶けていたから… なんちゃってぇ~