バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

男の夢について語り合う!?

2017年07月11日 23時24分16秒 | バス運転士
まだまだ明るい午後7時前、終点・某運動場に到着… 降車客扱い後、転回場へ移動開始… その時、“バス停表示送りボタン”を押して、運行支援システムの画面を“次発転回(次に転回場を出るまで“あと何分”か表示され、残り1分になったら音声で教えてくれる)”に切り替え、「次の発車まで30分以上あるから、冷房の効いた休憩室でテレビでも見るかぁ~」と思いながら道路側の待機スペースにバスを止めた。

その時! 自転車に跨った男の子がフェンス(金網)の向こう側から私の顔をジッと見ていることに気が付いたので、「バスが好きなの?」と声を掛けた。すると、彼が「うん」と頷いたので、「運転士になりたいの?」と尋ねたら、彼は再び「うん」と答えた。そこで「もっと何か話さなきゃいけないかなぁ~?」と思った私は休憩室へ行くことを諦め、「バスの運転士かぁ~ 意外と大変だよ。楽しいこともあるけどね」とか「バスが大きいから、時々ぶつけたりするんだよ」とか… いろいろと思い出しながら話し始めた。

その後、気持ちが和らいだ(?)彼から「運転士さんは何年目?」とか「休憩は何分あるの?」とか「何回くらい走るの?」とか「バスも故障したりするの?」とか「(研修中ではなく)検証中ってバスが走っていたけど、あれは何?」とか… 次々と質問されたので、私はそれに答えていた。20分くらい経った頃… 彼から「今、何時?」と聞かれたので、私が「あっ、もう7時を過ぎちゃった。ごめんね、引き止めちゃって…」と言ったら、彼は「いえ、大丈夫です」と言いながら走り去っ… と思ったら、すぐに戻って来た。

そして「行き先表示は、どうやって変えてるの?」と言ったので、私は“バス停表示送りボタン”を押して、実際に“某総合駅行き”という表示を出して見せた。さらに「今は画面の表示(某運動場)が赤くなっている(発車時刻前)でしょ? その時は警告音が鳴るんでしょ?」と言ったので、私は扉開閉レバーを操作して、実際に「チャカチャカ! チャカチャカ!」という警告音を鳴らして聞かせた。すると、彼は「それが聞きたかったんだぁ~」と満足そうに言いながら走り去ったのだった…

その直後、左隣のスペースにバスが入って来て… その運転士さんと“職場環境”について「あ~だ、こ~だ」と話していた。数分後… 私が「ん? まさか、もう発車時刻だったりして!? まぁ、まだ“1分前です”って言ってないから大丈夫だと思うけど…」と呟きながら、運行支援システムの画面を見たところ… 「あれ? もう転回場を出る時間じゃん! そうか! さっき男の子に見せようと、行き先を出しちゃったんだっけ!(だから“1分前です”とは言わないのだ!)」と驚き&慌てて出撃… バス停には乗客2名… 発車時刻20秒前であった。ふぅ…