バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

白いワゴンのお姉さん

2014年05月01日 22時07分44秒 | バス運転士

午後3時過ぎの某JR駅前… ロータリーから道路沿いのバス乗り場へ出る時、信号のない横断歩道を横切るのだが… たまたま歩行者が多かったりすると、意外と時間が掛かるので、私は少しだけ早めに動き出した。

が、歩行者の姿が見当たらず… サァ~ッとロータリーから出られてしまったので、バスを乗り場に着けてから4分くらいあり… 私は目の前の信号と時計を見ながら「このサイクルならば、いいタイミングで(青信号の時に)発車できそうだ」と思いながら、発車時刻になるのを待っていた。

すると突然! 開いていた前扉の外から、若い女性の声が聞こえたので、私は「えっ!? 何か言った?」と少し驚きながら、前扉の外を見たのだが… その女性は、車道とは反対側… バスの前扉から3mくらい離れた位置に立って、私の方を見ていたのである。

私は「何だ? この微妙な距離は…」と思ったけれど、すぐに「あ、あぁ… あの… 時々見かける… ワゴンを押しながら、和菓子か何か売り歩いている人だ!」と気が付いた。と同時に、彼女が「おひとつ、いかがですか?」と言ったのである。

まったく予想外の言葉に驚いた私は、乗客の手前もあって声も出せず… ただニコッと笑って、首を横に小さく振っただけだった。すると彼女は「あ、失礼しました。お仕事中ですね」と言って引き下がっ… と思ったら、続けて「おやつとか、食べられないんですか?」と言ったので、またまた私は驚きながらも、ニコッと笑って首を振っただけ…

あぁ、これが完全弊社のバスだったら… 休憩室はないし、運賃後払いだし… 発車時刻直前までバスから降りてボォ~ッと立っていただろうから… 彼女と至近距離でシッカリお話して… 京都の塩大福を5個くらい買っちゃっただろうなぁ~ ハハハ…